2012年2月10日金曜日

オバマさんもなりたかった建築家と、その現状。


  オバマ大統領は建築家になりたかったそうだ。この動画の中で『建築家なろうと思ったが、もっとクリエイティブなんで、代わりに政治の世界に入った』 と言っている。アメリカや欧米の場合、建築家というのは非常に尊敬される職業だ。医者や学者などと同じレベルの尊敬を受ける。なぜなら建築業務というものは総合芸術だからだ。日本とは違い欧米などではちゃんと国のトップが敬意を表しこんなパーティーまで開催する。日本では海外などで賞を取り、年齢を重ねないと天皇陛下の御前には立てない。日本人自身が自分らの芸術のセンスに自信がないとしか思えない。本当にこれで良いのだろうかなどと思ってしまう。

  建築は総合芸術だと書いた。本来建物を作る場合は色々な事を考慮する。一つの家を作るときに一冊の本が出来上がるぐらい僕は真剣に取り組みたい。が現実の設計屋さんは『明後日までに図面起こして。。』 なんて普通に言われる。もちろん現場をみせて頂ければ良いのだが、そんな事は偉~くならないと難しかったりする。その資格にリスペクトをしないで、その人柄にリスペクトする。日本だけの不思議な慣習だ。この工務店との関係を変えていかねば、日本の建物は決して美しくならない。僕は美しい町並みを手がけていきたいからだ。

  よく日本は職人を大事にすると言う。本当にそのとおりだと思う。例えば韓国などの儒教国は職人を大事にしない。国の印鑑を作った韓国を代表する職人に対して韓国政府が払ったお金はなんと8,000円ほど。これでは職人が怒り出すのもやむを得ない。司馬遼太郎の本を読んだときもそう思った。仏像を彫るためにあるノミ。このノミの種類は日本が一番多いらしい。日本の仏像は世界的に見ても細かいし美しい。韓国などのはちょっと見れないレベルのような気がする。

  では設計屋はどうか?職人のレベルに達しているのか?決してそうとも言えない。現場に出ないだけ合って変なところでミスを連発してしまう。それで職人に『絵描きが~』 なんて言われる。しかし、僕らから見ると『えっ、こんな家でお金もらうの。。』 って思うときもあるが、仕事をもらっているのだから、ぐっとがまする。元請けが建設業者の場合はなおさら酷かったりする。『この前のマンションの奴と同じで良いから』 なんてよくある話。みんな作りたくない物を一生懸命作る。なぜなら設計事務所を維持するのにお金がかかるからだ。設計単価というものを変えていくしか方法がないと思ってきている。

  日本ではまだまだ地位が低い設計業務、何とか変えていきたい。

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