2016年7月26日火曜日

熊本城の解体ショー


 以前も書いたが、保険関連のお仕事で熊本に来ている。熊本地震が起きすぐに仕事に入ったので、既に3か月がたったわけで、実に御苦労さんである。休みもほぼなく、よ~自分でも頑張っていると感心する日々である。

 僕のホテルからは熊本城が見える。熊本城は言わずと知れた加藤清正が建て、日本屈指の規模を誇った名城中の名城である。現在の熊本城は、僕のご先祖様も参加し、がっつり負けた西南の役で焼失し、1960年に鉄骨で再建されたのだが、4月に起きた熊本地震で見るも無残なものとなってしまった。実に残念な事である。石垣は壊れ櫓は落ちた状態であり、現在は作業着とヘルメットを被った作業員しか入れないようだ。。

 仕事がらタクシーはよく使う。タクシーの運転手さんが言うは、崩壊した熊本城を再建するのには20年程度はかかるそうで、観光タクシーで飯を食べている方々には死活問題なんだそうだ。そりゃそうだろう。熊本に観光で来て、熊本城を外すわけにはイカンだろう。その熊本城があれじゃね。。その他の観光地と言えば。。う~ん。。宮本武蔵の墓。。馬刺し。。阿蘇はきれいだな。。くまモン大活躍。。

 『運転手さんも大変やね~』と言うと、運転手さんは『そうでもないですよ』と、にたぁ~と笑った。運転手さんが言うには、確かに熊本城は壊れた。だが壊れた熊本城はなかなか見れるもんじゃない。なので、これを観光資源にし、新たな観光客呼び込みに出来ないかと検討中なのだそうだ。確かに毎日会社の最上階に行き、日々変わっていく熊本城を拝んでいるだけで、僕のような設計士はちょとウキウキである。現在は石垣が一本足のように残った、飯田櫓?を持ち上げ復元できるかどうか検討の作業に入ったところである。その姿を見ながら僕の建築士仲間はキャッキャ言っている。実に良いアイディアだ。ただで転ぶつもりがないのが素晴らしい。

 また運転手さんが、『僕らからすれば外観だけ戻してくれれば、鉄骨だろうと、スッカスカだろうとどうでもいいんです。外観だけあれば客が来るんでね~』と続けざまに言うた。それは設計屋さんの僕としては受け入れられない。張りごての熊本城に感動は持てないからだ。それにそんなバッタもんの熊本城を作るのは、清正公さん(せいしょこさん)に申し訳ない。僕は宮崎生まれだがそう思ったりする。

 だが、熊本城の復旧で働いている作業員さんらを見てると実に羨ましい。あんな素敵な城に携わるようなお仕事は僕の人生にはまずないからだ。僕の仲間も『作らしてとは言わない、せめて壊させてくれんだろうか』と言っている。たしかに壊すののお手伝いはなんとなくできそうな気がする。それに現場の作業員さんはヘルメットに作業服。。よう考えたらその両方を僕らは持っている。。意外と。。こっそり入れるんじゃないか。。

 あの西郷さんも取れなかった城、俺が抜いてやる

 とちょっとだけ思った。

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