2015年2月9日月曜日

俺が作った家だから大丈夫!!

   昨日、エロすじの知り合い(エロい事なら何でも知っている素敵な殿方♡)から電話があった。なんでも家を建てようと地元の建設会社とプランを練っているのだが、どうにも素人だからわからない。だから来て見てくれ。そんな内容の電話だ。正直、設計士の僕としては一番お断りしたい依頼と言える。僕に限らず設計をする人間は、普段から自分が設計する際に役立てようと色んな研究をしている。それを無料で提供し、へたすれば、考えぬいた良い間取りが、その作った工務店やハウスメーカーらに、こらからずっと使うことだってありえる。って言うか、実際やられたこともある。つまり、自分の首をじわりじわりと〆ることになるので設計屋としては困るのだ。また設計をする苦労とは一般の方々が思うより大変で、他人が書いた図面に後だしでどうのこうの言うのはある意味タブー。なので『嫌なこった!!』と断った。こっちだって超忙しいのである。が、先方は『スゲーのを手に入れし、ちゃ~ん見繕(みつくろ)ってあるから、頼むわ!!』と言われ、寒空の下、僕も重い腰を上げた。

 待ち合わせ場所のビニールハウスに入り、奥様からコーヒーをいただきながら問題となる図面を見る事となった。出された図面は直感的に『すごく違う。。』と感じた。間取りは1階にリビング和室や水回りがあり、2階に寝室が3つある、いたってシンプルなプランである。良い図面とは見た瞬間に考えられているな~と関心するのだが、その図面は家主さんの希望を全部入れたこうなったと言った感じだった。リビング窓を開けると常に車のケツしか見えないし、明らかに使えない和室もある。動線計画もめちゃくちゃでデットスペースが目立つし、風の計画もできてない。リビングの脇の上部に2階のベランダを置いたため、冬場は2時間程度しか太陽光が入らない。要は明らかにボツにすべき図面である。だが先ほども書いたが、色んな話し合いで間取りが出来上がったわけなので、かなりマイルドに指摘はしてあげた。だがふと思ったのだが明らかに壁が少ない。というか足りてない。また明らかに壁のバランスが悪すぎる。う~ん、これは基準法以下になってないか。。と思いどこで相談してるの?と聞くと知り合いの○○という僕も知っている建設会社をあげた。う~んそこには設計士はいないね。。だいぶ危うい話である。。

 よくある話なのだが、小さな工務店や一人大工で設計する場合、間取り図は資格をもったそこの社長さんであったり営業さんらが作り、確認申請書類作成だけ設計事務所に依頼することが多い。通常は設計事務所の人間はその際に壁量計算や偏心率などの簡易な構造計算をしアドバイスする。設計士が実質的に設計しているわけではないので、あるべき姿か思ったりするが、僕が住む宮崎の田舎町などではそうなっている。

 だが問題はその確認申請さえも必要でない土地に家を建てる今回のようなケースだ。これは都市計画区域外と呼ばれる地域(厳密には一概には言えない)で、家を建てる際は役所へ工事届だけで大丈夫というところだ。大工さんらは間取り図さえあれば家は建てれなくはないので、感覚だけで筋違いなどを配置する。現在の家主が希望する間取りはたいていはLDKが大きいく壁が少ない。もしその簡易な計算式さえ知らない設計士(かなりの数がいます。。)が家を作ったら。。偏心率や壁量をクリアーせず大地震時などに。。実に恐ろしい話である。。一応、性善説で設計士が計算したことになっているのだが。。

 なので『耐震性、特に偏心率だけはしっかり聞いてくださいね~とアドバイスしておいた。すると『でも、俺が作る家だから大丈夫!!って大工はいってたよ』と知り合いは答えた。その答えが一番不安なんだって。。

 ということで、帰りにあまった苺をもらって帰った。

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2015年2月7日土曜日

お遍路のデザインが決まる話

  以前、『お遍路に迷惑ステッカー』という文章を書いた。内容は韓国の女性が、県の許可も取らずに、お遍路の各地にハングルのステッカーを貼っているのをNHKが素晴らしい活動だ!!と報道していた。。という、とほほ。。な感じの記事だ。まったくもってけしからんと思い書いたわけだが、昨年末に四国4県共通の遍路用道路標識のデザインが決定した。これまでは遍路道を示す案内シールは四国内で統一されておらず、違法に貼られるケースが多かったため、今回の決定となったようである。中には中国語や韓国語の表記を入れるべきとの意見もあったようではあるが、今回は『今の制度上、英語以外の表記ができない』との理由で見送られたそうだ。そんな制度があったんだ。。と今更ながら思った。

 僕が住む宮崎にも、観光地などに行けば中国語と韓国語の看板がちらほら見受けられる。僕は常々思うのだが、大抵の中国人や韓国人は漢字や英語は読めるので、わざわざ彼らの母国語での案内表記はいらないのではないだろうか。以前、とある駅のホームの案内看板に、出口『日本語』、出口『中国語』、出口『台湾語』、exit『英語』と書かれていたのを見たことがある。そんなに気合を入れてもてなさなくても、日本語と英語で十分なはずだと思うんだが。。

 今回はデザインが決まったとの事らしい。つくづく看板にはせんといて!!と願うのは僕だけだろうか?よくあるような道路上にある大きな看板は、実はけっこう値段がはるからだ。形状にもよるし、大きさにも使用にもよるが、大体1つの看板で10万程度はかかるものだ。それを四国中に張り巡らすと考えたら、費用対効果の面でも、もちろん景観としてもかなり問題があると心配していたからだ。仮にこれがぺったんぺったん貼るシールであったとしても、職員さんが貼ることになれば(たぶん条例上そうなるのかな?)やはり人件費や燃料費などを考えれば馬鹿にならない金額になるとは思う。思うのだが、一度その設置費用がどれくらいの費用がかかるのか細かく算出していただきたいものだ。もちろん人件費や燃費も含めてだ。そのうえで設置を決めたらよいのではないだろうか?

 だがそもそも、本当にその標識は必要なのだろうかと思ってしまう。看板やシールが無かったら本当に迷うのだろうか?江戸期から明治期にかけベストセラーとなった本がある。それは遍路のガイドブック『四国遍路道指南』(1689年)これには、『道をず~といくと石碑があるから、そこを右に曲がりなさい』『ここの○○はおいしい』などと書いているそうで、庶民も歌人の種田山頭火などもそれらの本を読みながら歩いたのだという。思うのだが、シール作るよりも、これを現代風にアレンジして各県が有料で出版してもいいのではないだろうか?町の歴史や史跡なども載せておけば、こちらの方が経済効果が高いような気がする。もちろん観光案内書に行けば既にあるとは思うが、現代版『四国遍路指南』実にかっけ~じゃないか!!


 僕が菅直人なら必ず買うはずだ。

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