2012年9月8日土曜日

土地につてい考える。

   僕は色々なお家を見てきたし、診断もしてきた。一般的に家を作る場合、その施主さんは、あまりメンテナンスや耐震性の事は考えない。どこか工務店や仲介業者に投げてしまっている。工務店や仲介ができてあたりまえと思われている場合が多い。それはしょうが無い。もちろん専門家でない施主さんは、そのような知識はないし、そのような事は工務店や仲介業者が全てカバーしてくれるという思い込みがある。だが、実は工務店や仲介業者は法律を守る事は考えるが、そこまで耐震性やメンテナンスの事を経験で答えているが、実際に計算はしているとはいえないと思う。なぜならそれは、法律がカバーしていると業者側は思っているからだ。しかし法律は決して万能とは言えない。法律に決められている事は、あくまで最低限の性能の担保であり、その家の価値をおとしめる要素に対する防御としては書いてはいない。しかし実は家という物は、そこが非常に大事だったりする。僕が考える、家を作る際に重要となる土地に関する事を、少しだけ書いてみようと思う。

   土地を買う場合、色々なところがポイントとなると思う。学校が近い、駅が近いなどの、その場所に関する要素だ。これは大きい。なぜなら学校が近いと子供が犯罪に巻き込まれる心配は減るし、駅は逃げはしない。しかし、家のメンテナンスや耐震性の観点からいえば、その土地の質が問われる。例えば昔田んぼだった土地や、川沿いの土地などはおすすめは出来ない。地震の揺れに対する抵抗が極端に落ちるからだ。もしその土地にどうしても作る場合は、耐震計画からちゃんと練って作ってくれるか工務店に確認する必要がある。なぜなら通常規模の木造二階建ての場合は、構造計算はする必要はないと法律にあるからだ。軟弱な土地の場合はその建物に入れる金物やボードの質が問われる。そこまで手間をかけれるなら、軟弱地盤でも良いとは思うが、余計にお金がかかってしまう事は忘れては後で大変な思いをしかねない。

  その他に、土地には山と谷がある。山とは丘の上や高台の事。また谷とは文字通り谷のような低い場所を指す。山や高いところは良い。見晴らしも良いし、そして津波の危険も減る。まあ台風の時などは大変だろうが、通常日本の家はその風圧力などには耐えれる構造となっている。問題は谷だ。最近は異常気象なのかどうかは僕には分からない。しかし、ゲリラ豪雨が増えてきた。そのゲリラ豪雨などで降った雨は、谷へと集まるため、場合によって家は床上浸水などに見舞われてしまう。それが怖い。例えば床上浸水などをしてしまうと、床下の基礎部分に水が入る。現在使われている基礎はべた基礎といって、床下全てにコンクリートを打設している。その床下から水を抜くための穴が空いていれば良いが、これは義務ではないので、無い場合などは水は抜けずに蒸発を待つ事になる。よって建物床組の含水率(木材に含む水分の量)は上がってしまい、シロアリや腐敗の原因となりかねない。

   僕はホームインスペクション(建物診断)と言う仕事もする。その時に指摘する事が、その土地に関する事や交通量の事。また治安の事や津波の高さの事。その土地に関する環境の事を出来るだけ詳しく説明しようと心がけている。家を作る際、デザイン重視のお客さんが増えてきた。僕はこれは良い事だと思うのだが、その土地の事もじっくり考えた方がよいと思う。

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