2013年3月21日木曜日

業者サイドから見る、住宅展示会

   毎朝新聞を取っていて思うのだが、何と新築一戸建ての展示会やマンションの内覧会の多いことだろう。世の中そんなにポンポン新築が建ってるんかいなと同業者ながら思う。マンション業者などはまだ建っとらんのに広告を打ち、田舎の工務店はもそっと良い写真はないんかいな。。というデザインで広告を打っとる。僕は工務店に所属する設計士だが、意外と工務店の人間はこの広告などは見ない。見とる人もいるんかもしれんが、僕の周りの職人さんや大工さんらは全くといって見はしない。どうやらそう言う人々は商品を作っているのではなく、家を作っている気持ちが強いので、商品にはあまり興味がなさそうだ。だが僕は京都で設計事務所に勤務している頃、暇があいたら他人が作った家を見にいっていた。あくまで勉強のためだ。正々堂々と自分の職業を言ったら担当する営業さんらに煙たがられるので、もちろん偽名を使うし、職業は大阪に支店がある外資系サラリーマンだ。後輩のインテリアコーディネーター (夜はキャバクラ勤務) の女の子を一日妻とし、 『こんなん使いやす~い♡』 などと言わせていた。もちろん自分の設計事務所が絡んだ建物などを展示会をする場合、お手伝いに行く事がある。というのも小さな工務店などは営業などいない。よって大工さんが展示会にのこのこと出てくるのだが、出てきたところでその家の良さなどを説明するのは得意ではないからだ。まあ大工さんが、 『この家は梁がでかいですよ ! 』 と言ったところで、客は付かんだろう。そんな展示会に来た来客の対応をしていて一番困るのが、僕が外資系のエリートサラリーマンとしてぶいぶい言わせていた時に対応してくれた営業さんが、某大手の商社マンとして来られた時だ。要は展示会を出たところの駐車場で名刺を配ろうという作戦だ。テメー、人ん家の庭で商売するんじゃね~!!

   大きいハウスメーカーなどの展示会に行けば、大体手順が決まっている。まずアンケートなどに記入するコーナーがあり、そしてそこで住所や氏名、そしてどこでこの展示場を知ったのかなどを書かされたりする。だが注意するべきは、そこで個人情報など書いたら営業さんにストーカーをされ、契約まで持って行かれそうになる事だ。住宅メーカーの営業さんは日々戦争だ。給料はとても高いし、契約を取ったら大きなお金がもらえる。例えば、僕の知り合いがとある大手のそっくりさんな営業をやっているのだが、土地にそっくりさんなアパートを作る契約をとれば年収800万。二件目をとれば1,000万の世界だと言っていた。だが半年間で契約ゼロなどの場合は即クビ。なので真剣だし、それだけ粘り強く営業をかけるそうだ。ある知り合いなどは、仕事から帰ろうと会社を出たら会社の外で営業さんが待っていたそうだ。そんな事はざらにある。

   僕の事務所スタッフが展示会を担当していた時などは、インテリアコーディネーター(夜はキャバ嬢)が本領を発揮する。予算を工務店の社長さんらから分捕って来て、家の中を美しく飾り立てる。靴箱にはおしゃれな靴を置き、花を生け、洗面化粧室などはアロマの香り、またソファーや机など、これでもかと買ってきて飾り立てる。結構な予算がかかるので最初は社長さんも渋るのだが、さすが夜の女。上手いこと社長さんをおだてて金を引き出していた。だがそうした方が家が引き立つので新しいお客さんも付き安い。よって最終的には社長さんらも大満足というわけだ。もちろんその家具などはその工務店さんが次回の展示会の際に使うのでとっておいて頂くのだが、次の展示会の時は買っていた物がたいてい少なくなっている。どうやら社長さんが気に入って使っちゃうようだ。その時はまたキャバ嬢が予算を引き出し飾り立てる事となる。

   展示会は結構楽しい。ハウスメーカーによっては温泉券やどっかの宿泊券をくれたりするところもある。だが、そこは戦場。流れ弾に当たらないよう注意さえしておけば良い家が見つかる場合もある。

   だが知っておいて欲しい。大手メーカーの家の間取りは、たいてい同じだよ♡

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