2013年3月22日金曜日

アットホームな事務所なんぞ知らん。。

   僕がアメリカから日本に帰って来て、気が付いたら10年たっていた。早いモンだ。。アメリカではマスコミ関連の仕事をしていたので、日本に帰ったらそっち系に進むかの~と軽く考えていたのだが、帰って来て1月もせんうちに日本の景観をなんとかせなイカンと考えだし、この設計の世界に入ることにした。だが、設計というお仕事は他の業種と違い、働けば普通に給料が支払われる世界ではない。なので色んなお仕事をしながら勉強し、設計事務所になんとか入り込み、なんとなく今もその世界で働いている。今まで勤めた職種の中には建設業界以外や官公庁の仕事などが多かった。だが、海外で働いて日本に帰って来て気付いたのだが、日本のオフィスほど労働環境として快適でない場所はない。まるで人生をつまらなくする箱だ。

   日本のオフィスは一般的に、対面型の配置が多いと思う。日当たりの良い場所に上司の机があり、そしてお客と対する場所には若くて一番給料の安い女性が座っている。机の上にはこれでもかといつ読むのか分らん本が並んでいて、机はねずみ色。そして冬などはお偉いさんはヒーターが足下にあるのだが、平社員は膝掛けマフラーを強要される。壁には何かの事業許可証がぺったんぺったんと壁に貼ってあり、その横にはちんちくりんな啓蒙ポスターがずらりと並ぶ。まあそんな所だろう。

   僕がアメリカで見た事務所とは、もちろん色んなタイプがあるが、大勢の人間が一つのフロアーに勤める事務所などは、簡易のパテーションで社員の仕事スペースを仕切る完全独立型のオフィスがが多かった。その中は基本的には自由空間。みな自分らで整理整頓をしており、来客があってもその中で対応する会社も普通にあった。日本人はこのパテーションがあるアメリカタイプのオフィスは、アメリカ人が個人主義だからと思う人が多いと思うが、それが全ての理由では無い。そうした方が仕事がはかどるという理由がつよいと思う。考えて欲しい。日本的な開放型の事務所では働いていて、他人が当たり前のように立ち話を始めたとする。その会話が気にならないだろうか?それを暗にやらせないために、パテーションがあるわけだ。それに人間囲まれていると目の前の物に集中するという習慣がある。図書館などの机が隣と区切られていたりするのは、その方が集中できるからだ。

   小さい会社などはもちろん大きいスペースは必要無い。よってその多くは中古の家などを改装して使っていた。だがこれが何とも日本と違いよい雰囲気をだしていた。社員が働いていて楽しそうなオーラが出ているような事務所が多かった気がする。もちろん小さな家を使っているので壁で、大きな企業と違いパテーションではなく個室を上手に使っていた。またアメリカの家は綺麗に芝生が手入れされている (業者と契約すれば週一で刈ってくれる) ので簡単なパーティーなどはそこで出来る。またお客様は神様的な待合室ではなく、勝手に庭のベンチに座ってまっている。だからといって不快感を与えるような配置にはなっていないし、木香薔薇などの良い香りの花々が庭にあるのでむしろ快適だ。

   僕が働いていたお仕事はブリーフィングを週に何度もする必要があった。よって日本で言うとこの会議室が当然あった。そのブリーフィングは他に漏れてはいけない事柄を普通に話すのだが、日本のように窓がぽつりとあって穴あきボードのお部屋ではなく、Starbucksのようなガラス張りの大部屋だ。ただし建物の前面には川が流れていたので、のぞき見はできない。たしか30畳ぐらいの広さがあったと記憶している。日本のようにホワイトボードがあり長机にパイプ椅子といったものではなく、作り付けの机が壁にずらっと配置してあり、おしゃれな高椅子が20個ぐらいあった。中央にはソファーとコーヒーテーブル。それに大きな黒板の横には、僕が貼った雛形あきこのグラビア写真 (大好評 ♡ ) そこで和気藹々ブリーフィングタイムをやっていた。もちろんコーヒーを飲みながら、超リラックスしながらだ。

   若い人間が会社をすぐ辞めて責任感がないとよく言う。だが僕からみればそれはその会社が息苦しいから若いモンは辞めるのだと思う。別にもっと高い給料を欲しいからでもなく、責任感がないわけでもない。良い会社だと思わないから働く気力が起きないのだろう。事務所を楽しくすれば、辞めていく若者も少なくなるのは色々な事例で証明されている。よく 『アットホームな雰囲気の会社です』 とハローワークなどの会社紹介で書いてある事例をよく見かける。だが実際面接に行ったら、アットホームで誰かが我慢している会社しか見た事が無い。

   僕だけなんかいな。。

ブログランキング・にほんブログ村へ
良かったら、押して下さい。書く気力がおきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

フォロワー

 
;