2013年1月24日木曜日

スモールハウスを作ろう !

こんな感じを設計中
   昼ご飯を食べていたら、NHKがスモールハウス (タイニーハウスとも言う) の特集をやると宣伝していた。日時は1月27日(日)夜10時からBSでなんだそうだ。番組名は 『アゴラ』 だった気がする。特集と言っても世界各地、たしか4カ国の家々を特集する中の一つなので、たぶん10分ぐらいだろう。だが半年前からスモールハウスの図面を既にたくさん書き溜めしている僕としては、ちょっとだけ嬉しい。

   改めて書くと、スモールハウスとは当たり前だが小さい家のこと。約3~6坪のスペースにトイレにキッチン、そしてシャワールームなどがついてくる。もちろん簡単な机をおけるスペースもあるし、ロフトを上がればベットにもつながる。なぜそれほど小さいかと言えば、それで十分だからだ。大きな部屋にいろんな物を買いそろえて暮らすのも悪くはないが、人間一人が所有する物は約300品目もあれば十分だと言われている。それに現代の人々は仕事に行って帰って寝るだけという人が多い。それほど大きな家はいらないし必要無い。


小さいからこそ使える窓
   なぜ小さくする必要があるのか?それは安いからだ。仮に3坪ぐらいだと工務店に作ってもらっても多分150万~250万 (地域や敷地、設備にもよります) ぐらいで出来る。200万だと仮に5万の家賃のアパートを賃貸したとすると、約3年でのお家賃を払うのとほぼ同じ。もちろん賃貸なら3年たっても他人の所有物だがスモールハウスを作ったら3年後は自分の物。その後結婚などして人が増えれば賃貸に出すなり転売すれば良い。仮に転売するとしよう。200万で作ったスモールハウスを3年住んで160万ぐらいで売ったとする。という事は40万で3年暮らしたことと同じなので、月々約11000の家賃を払うのと同じ事だ。実に安い。また賃貸に出したする。多分少なく見積もっても30年ぐらいは住める (もちろんメンテナンスはいる) ので、30年も建てば30坪ぐらいの家は建つ。もちろん年金が雀の涙のこのご時世。老後のためにも良いに決まっている。

   またスモールハウスは小さいが豪華に作れるのも魅力だ。30坪の家を作る場合、どうしても窓ガラスは20枚を超えるため、それだけでも大きな出費となる。よって意匠窓 (上げ下げ窓や桟が入った窓) や2重窓 (高断熱が期待できる) などを全ての窓に取り付けるとなると価格が上がってしまうので経済的に余裕のある人しか出来ないのが当然だろう。しかし3坪だと多分付けても4枚か5枚。それぐらいなのでおしゃれな窓だって考える余裕が出てくるわけだ。また大きな家だと使えない塗料や材料でも小さい家なら予算に収まることが多い。これがスモールハウスでないとできない魅力だと言える。


小さな敷地に子供用としても良い
   もちろんデメリットもある。もちろん一つは小さい事。多分多くの人は最初見た時に、 『小っさ !! 』 と思うだろう。しかしこの問題は克服できる。屋根を高くすることや外部にウッドデッキを設けることで十分事足りるのを僕は経験上知っている。高くすれば空間はもちろん広く見えるし、人を呼んで簡単なパーティーなどをしたければウッドデッキを使えば良い。実際アメリカ人はそうしている。

   しかし、一つ注意する事がある。あまり安い物を作ると後々困るという点だ。安いという事はそれだけ手間がかかっていないと言う事。設計屋やインテリアコーディネーターが入っていない大工さん設計の家だと、それは安いに決まっている。しかしこれでは実に売りにくい。人々は素敵だと思わねば転売する時や賃貸として出す時に客がつきにくいものだ。なので最初から売り抜けるという観点で建物を作る必要がある。もちろんデザインなどには特に気合いを入れて作る必要がある。普通のサイディングで作ったスモールハウスはそれは安いだろうが、その後が困るだろう。それに作る時も住むのにも面白くはない。


インテリアコーディネーターのお仕事
   スモールハウスはアメリカの経済状況から生まれたといって良いと思う。2007年のリーマンショックのあおりを受け、アメリカの方々は家を建てる余裕がなくなった。僕が留学していた頃、アメリカは明らかにバブルだった。学生なのにローンを組んですぐに家を建てていた人々がいたり、建物を投機目的に購入する人々にあふれていた。みな日本のバブルを知っていたので、 『日本のようにはならないよ~』 などと僕に言っていたんだが、やはりバブルははじけるもの。みな借金が払えなくなり家を売り払った。なので住む場所がないし仕事もそれほどない。よって経済状況もとても悪い。なので自分らで小さな家を作り出した。まあそんなところだ。アメリカの面白いところは3坪ぐらいの家なら部材が販売されており、自分らで簡単に家を作れる事だろう。たしか28万円ぐらいで売っていた気がする。


3坪だとこれぐらい
   しかしこれはアメリカでの事。日本でも不可能ではないだろうがこれはとても難しい。日本には地震もあるし台風だって来る。これを素人さんが一人でプラモデルのように組み立てるのは厳しいと思う。もちろん法律の壁もあるし、建築確認だってしなくてはならない。これは一般の方々にはとても無理だ。もちろん違法なら別だが。。それにデザインが入っても既製品だとその後に売れない気がする。。

   今僕はこの仕事を進めている。僕が住む宮崎だけでなく九州全土で作ろうと思っている。できる事なら京都ぐらいまでは行って作ろうと考えているが、最初はやはり地元だろう。なぜなら行きたいから、作りたいから。。見積もりしてみないと分らないが、一人用3坪のスペースで200万ぐらい、6坪で300万ぐらいで出来ると思う。

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14 件のコメント:

  1. そういえば一ヶ月前くらいに、スモールハウスの内覧案内のチラシがポストに入ってました!
    宮崎市でしたが、やはり機能的、空間的に狭い分、外観を意識している商品だったと思います~
    場所は利便性から、割と街に近い場所だったと思います。

    安くても私にはやはり手の届かない金額なので現実的には購入を想定しませんでしたが、
    その人の用途で使い方は様々でしょうね!

    独身の女性が本格的な居住目的で…というよりも、キャリアウーマンがお仕事目的で別宅として使う、独身の男性が住む、老夫婦や自立した高齢者が隠居、独居目的で住む… といった印象があります(あくまでも個人的な印象です)!

    万人受けはしなくても、経済的な事や、使用目的によっては、欲しい人は沢山いるでしょうね~

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  2. 確かに万人に受ける物ではないでしょうが、いろんなタイプの家々が出てくるでしょうね。
    今は聡明期でありますんで、どんなタイプの家々が受け入れられるのか、みなさぐりさぐりでしょうね。
    でも良い家を作っていこうと思ってます。

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  3. って言うか、どこでやってました?
    何て名前の工務店が作ってるんでしょう。
    知っていたら教えて下さい。
    知っていたらで結構ですよ。

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    1. ごめんなさい(>_<)
      そのチラシはもう無いので、詳しくは不明です…
      確か同じような価格で、お家賃みたいに月々45000円~みたいな広告でしたよ!

      外観のみの白黒印刷だったから、気になる人は見に来て下さい…ということでしょうね。

      確かにお洒落な外観でした~

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  4. ああ、多分そのくらいの家賃だろうと思いますね。
    たぶん美装(美しくする事)などはほどほどに。。
    って感じだと思いますね。
    ご意見ありがとうございます。

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    1. 依頼を受けた木城のお宅はもう完成したのですか??

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  5. これがまだ土地が決まっていなく、連絡が来ていないんですよね。
    多分もう少しかかるかな。。
    設計やっているとよくあることなんです。
    まあ、今は待つしかありません。

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  6. 3坪の家で検索したら、こちらへたどり着きました。
    私は現在43歳ですが、独身で今後も一人で暮らしていく予定です。予算が200万~300万円で建てられるのは理想的だと思いますし、とても機能的なのでびっくりしました。
    安い環境のよい土地を見つけてぜひこの家を建ててみたいと思います。

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  7. 珈琲屋さんコメントありがとうございます。

    3坪の家でも十分人は住めると思いますね。
    もちろん3坪とは最低限度のスペースではありますが。
    小さいからこそできる事があるのだと僕は思います。
    こだわれますし、一般の方でも間取りぐらいは自分で作れますので。。

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  8. 私も非常に気になりました。 実は、家をすでに建てたところですが、
    思うところがあってスモールハウスに興味を持っております。
     3坪は無理でも、3坪+風呂・調理場+物置 位で十分だとおもって
    います。3坪のハウスは非常に興味があります。

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  9. ぐんなさん、コメントありがとうございます。

    スモールハウスは土地(水道工事の関係)や住宅機器(高いの選んだらもちろん高くなる)によって大きく値段が変わりますが、悪い選択肢ではないと思います。儲けが少ないため、工務店は嫌がります(もっと儲けの多い普通の新築に大工をまわしたいなどの理由です)が、住む人にとっては小さな投資でできますからね。さすがに3坪は小さいですが。。

    庭にちょっと置くぐらいの感覚で作られるのにも悪くはないと思います。

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  10. 大変興味がありコメントさせていただきました。スモールハウスやタイニーハウスに興味があります。実はそれらのハウスをセルフ又は手伝ったり出来ないか?!という考えをしています。私の住む所でももう6年前くらいに定年間近な方が20坪の平屋を建築確認申請から全てほぼセルフビルドをされ、老夫婦で道具から買い揃え800万円で建築されたことが新聞でも出ていました。私は建築屋さんですが大変興味があり何回も足を運び苦労話をお聞きしたり、その時その方が欲したサービスとはなんだったかなど聞くにつれあ~僕もこんな事に興味を持たれる方と仕事をすればもっと楽しめるなあと思いました。
    ところで、このスモールハウスやタイニーハウスってのは在来でも充分可能ですよね?実は本当に小さなプレカット工場もしてますが、今のご時世、大手も出張ってきており新築案件が少なくもなってきています。なのでこの手伝いをこのプレカット工場の事業にできないものかとも思ってるんですが、まだまだ第一歩を踏めずです!何か武勇伝とかこんなことあんな事が有ったって言う話あれば教えてほしいなあ。ちなみにこちらは三重県からです。

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  11. コメントありがとうございます。
    このブログを書いているものです。

    実を言うとスモールハウスは依頼は月1~2件ぐらいのペースで依頼は来るんですが、実現はしておりません。
    理由は設計料が出にくい事が一つ。
    設計は家が小さい分すぐ出来上がるのですが、
    家が小さい分、ちょっとの変更で全て最初からという辛さがこちらサイドとしてはあります。ですので、正直しっかり設計料をいただかないとこちらとしては生活ができないのですが、サイズが小さい分、誰でもできると思われがちなので、設計料金を提示して終了になる事が何件もございました。。

    また僕は宮崎の人間ですが、県外ですとどうしても出張費用をもらわねばできないのですが、設計費用よりも出張費用が大きくなりかねませんので、それで断られることも多々ありますね。

    また第2に、僕が住む田舎では土地が余っているので、売る予定の土地を小さい土地に分けて売るのは売主さんが嫌がるようで、なかなか最後まで実現と言う風にはいけてないのが現状です。

    在来でももちろんスモールハウスはできますね。また実際にスモールハウスを販売している業者もいます。200万ぐらいだったかな。。80万ぐらいだったかな。。はっきりと金額は覚えてません。僕もいろんな業者さんに聞いたんですが、あまり売れていないようではあります。もう少しデザインにこだわれば売れるんだろうけど。。とは思ったりはします。まあ、断熱材も入ってはいないし、とりあえず作った感があります。

    僕の考えですと、小さいけどしっかり良いものを提供すれば必ず良い評価を受けるのではないでしょうか。

    頑張ってください。応援します。面白いものや、こだわったモノを作ったもの勝ちだと思います。

    さすがに3坪は小さいですが。。でもアメリカ人は夫婦で住んだりするんです。。できればロフト込みで10坪は欲しいかも。。

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    1. 有難うございました。参考にします。私もデザインは大事だなあと思います。あと、それを建てられた方の生活やライフスケジュールがどんなものか知ってみたいですね。
      有難うございました。

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