2013年1月28日月曜日

仕事着の教養

   設計のお仕事は冬は厳しい。パソコンの前に陣取り仕事をしていると、マウスをさわる右手はかじかむし、足は冷える。暖房設備などない僕の4.5帖の事務所はほぼ外気と同じ温度。なので指だけ出ている手袋をし、そして腕が通せる毛布をかぶり、そして前掛けをしてお仕事をしている。まれに急にお客さんなど来るとそのままの格好で 『は~い』 となど出て行く。そしたら、こいつはインフルエンザか? と見られやすく、少しだが 『ごめん』 と言いたくなる。。どうも僕は冷え性であるらしく、足や手が極端に冷たるので困っている。以前、京都の比叡山の近くの設計事務所で図面を書いていた頃などは本当に辛かった。その事務所は打ちっ放しのコンクリートの建物なので、断熱効果は極端になく、また暖房といえば石油ストーブ一個だった。もちろん手袋や毛布を着込んだ重武装でやりたいのだが、社長や先輩の方々がそれは見苦しいとの事で禁じられていた。なので靴下の中にはバイト先でもらった唐辛子をたくさん入れ、顔まで寒いのでマスクを常につけ、そして20代だと言うのに股引2枚は着込んでのお仕事だった。だが背広着用が義務づけられていた会社なので背広は必ず着なくてはならない。当時はまだ日本に帰ったばかりの僕からみれば、給料もろくに払わないのに背広を着てくるよう要求するのが、いかにも日本的でとても迷惑な話だった。

   僕が住んでいたアメリカでスーツを着て仕事する人々はとても少ない。統計によるとアメリカの労働人口の約3%の人々しか背広を着ないそうだ。なので学校の校長先生もギャップのチノパンにシャツ。もちろんサラリーマンでも同様だ。着ている人々は州議会のロビーストや議員さんらなどのそれなりのステータスのある方々。またなぜか車のセールスマンは背広っぽい服を着ていたりした記憶がある。通常スーツ代が出ない会社に勤めている人々は着る事がないし、着ろと命令されたら多分訴えられるだろう。とても理不尽だからだ。スーツだけではない。とにかく自由なお国柄のアメリカ国。夏場などは半ズボンにサンダル履きの公務員など普通にいた。日本だったら怒られるんだろうが、その方がECOだし、女性はクーラーで冷やっこい思いをすることも少ないだろうと思うと合理的ではある。それに知り合いの黒人女性はピアスをあんたは仏様か? というくらい付けているし、爪はジョイナーか? と言うぐらいの長い付け爪でパソコン仕事をこなしていた。アメリカは人種の坩堝(るつぼ)なので常識という考えもないし、そんな言葉も通用しない。なので良いと思った事を実践できる良さがある。それに周りの目などは気にしないし、客もそれに口を挟むのは失礼だと思っている。

   以前僕はとある日本の市役所に勤めていたのだが、最初に言われたのが、男はシャツにズボンは最低着る事、出来ればスーツでとの事だった。まあ、日本の市役所だからしょうがないと思ったもんだが、女性はなぜかジーパンO.K. 多分女性を怒りたくないんだろう。もちろん男がジーパンなどはいたらとても怒られる。だが思うんだけど、なぜ男だけ高い金をだしてスーツを買わねばならんのだろうか。以前大阪市役所がスーツ代を職員に出して問題になった。民間は自費なのにって事だろうが、僕は民間が自費ってこと自体もおかしいと思うんだが。。また僕には理解できないのが、サンダル履きでの通勤は禁止されているが、仕事中にサンダル履きに履き替えるのはO.K. 僕はもっと自由に快適に仕事できればそれで良いと思うのだが。

   今日のニュースで通常国会が招集され安倍首相が所信表明演説をされていた。国会初日は和服を着る議員さんらが多く、素敵な習慣だと思った。以前クールビズが始まった頃、たしか小泉純一郎さんが首相の頃だと思うが、その時僕はまだ市役所で働いていた。その市役所の公務員さんらがいつからノーネクタイで出勤して良いのか話題になった。いつでもいいじゃないかと言ったら、50代の上司が男はネクタイをしてないと仕事した気がしないだろと言っていた。僕には全く理解できないが、まわりは公務員の方々は結局ノーネクタイを辞めはった。現在ではある特定の日からノーネクタイでO.K. なんだそうだ。いつから日本人は他人に決めてもらわないと自分の服装まで決めれないんだろうか。馬鹿らしい話だ。

   服について考える一日となった。

   だから、僕の仕事には全く関係はないのだが。。

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