2013年1月28日月曜日

6畳のタイニーハウス

ちょっと高いが可能です
   さきほどまで、NHKの 『Agora』 という番組を見ていた。短い時間だったがアメリカのタイニーハウスが紹介されていた。大きさは6畳のスペースにロフト付き。二人のカップルが住んでた。ゲストで来ていた田原総一朗さんもびっくりされたようで、現地在住の女性に色々聞いてらっしゃった。これを欲しいと思うのか?子供が出来たらどうするんだ?本当に大きなムーブメントとなっているのか?僕は地元宮崎でスモールハウスを作ろうとしている。なので少しだが、タイニーハウスにも詳しい。英語で small は小さいだが、 tiny も小さいという意味。どう違いがあるかと言えば、 small は単に小さいで日本語と同じだが、 tiny はちっさ!! + かわいい。まあそんな感じだ。要は僕が作ろうとしている物とほぼ同じ建物だ。もちろん外見は全く違う。そして機能も見たくれもアメリカのそれとよりは遙かに立派だ。なので番組で気になったところを補足しようと思う。少し長いがご容赦願いたい。

   アメリカはもちろん大量生産大量消費の国。しかし07年のリーマンショックのあおりを受け、多くの人々が家を失った。以前は家を買える人々はもちろん限られていて、裕福な人々が新築を買っていたのだが、サブプライムローンという詐欺まがいのローンを組むことにより、裕福でない人々も膨大な借金を作り新築に住みだした。しかし経済が良ければそれで良いのかも知れないが、バブルは吹っ飛び、そして多くの人々が家々を失った。アメリカンドリームとは大きな家に大きな車を手に入れる事だと言われる。だが、このリーマンショックによりその考えを改めだしたわけだ。彼の国は自由の国なので、新しい考えが次々生まれる。そんな中からスモールハウスまたはタイニーハウスが生まれて来たわけだ。僕はスモールハウスという選択は現在の日本の経済状況、また将来の資産運用としてとても良いアイディアだと思っている。

余裕で作れます
   仮に新築の家を僕が住む宮崎で作ったとする。大きさは標準的な30坪として、おおよその相場の坪単価が40万~50万。よって、支払う金額は金利は抜きで1200万から1500万ぐらいは新築につぎ込む必要がある。という事は、仮に月々の支払いが5万のローンを組んだとして、20年から25年間は銀行などに支払い続ける必要があるという事だ。もちろんその途中で仕事を失ったりし、ローンが払えなくなればその建物は差し押さえとなるし、それに銀行などはその築年数により、経年劣化が自動的に起きていると換算するので、その値段は半額ぐらいには最低なるとと覚悟しなくてはならない。もちろん不動産屋さんなどに売る場合も同じだ。それは勿体ないと思うのが普通ではないだろうか。

   では分譲マンションはどうかと言えば、とても割高だ。ふと宮崎の中古の分譲をネットで検索してみたら、築22年の約6坪の2LDK鉄筋コンクリートの建物が200万で出ていた。分譲マンションなどはもちろん仲介屋さんも入るし、ありとあらゆる業者さんが入る。またその土地の相場という観点から建物の値段が決まるため、どうしても割高となりがちだ。それに僕がするホームインスペクション (建物診断の事です) を始めて気づいたのだが、老朽化の問題が大方ある。建物を調査すると、設備の老朽化や雨漏りなどの問題が目立つ事に気づかされる。それにマンションなどは定期的に大規模補修や修繕をかけるため、住んで数年で莫大な金額を請求される事だって普通にある。それに昔の耐震強度はとてもお勧めはできない。

   もちろん賃貸なら、大規模補修などは必要無いが、何年住んでも他人の物。そして出て行く時の事を考えると内装をいじったり、リフォームなどは通常無理だ。それに仲介手数料や更新時の手数料などはとても馬鹿にはならない。また、シェアハウスは僕も住んでいたことがあるのでよく分るが、プライバシーは到底無理である。もちろん家賃としては手頃ではあるが、プライバシーを犠牲にしていたら人生が窮屈だと思う。

こんなんを作る予定
   今、僕が作ろうとしているスモールハウス (タイニーハウスでも良い) はおおよそ6畳から12畳のスペースの建物にロフトからキッチン、そしてトイレにお風呂、またはシャワーが付いている。それに通常地方では予算の関係で入らないインテリアコーディネートもしっかり入れるつもりだ。でなければいけないと思う。と言うのも小さい家なので、いずれ売ったり貸したりする事が予想されるからだ。仮に3坪ぐらいならロフトを付けなくて生活は無理だ。ロフトは暑いのではないかと思う人もいるかと思う。が、それは技術的には既にある塗料で屋根の熱を室内に伝えない。なので熱の問題は十分カバーされており、全く問題はない。またプライバシーは守れるのかと思う人もいるかも知れないが、その点も隣に人は住んでいないし、壁厚やロフトの高さを調整することにより十分カバーできる。またセキュリティーも大きな家だとどうしても防犯ガラスなどを取り付けようにも、取り付ける数が多いので業者は渋るが、小さいのでたかだか数万で済む。

   予算は大方100万台後半から300万ぐらい(坪数・地域・仕様により違いが大きいです)を想定している。番組のように6畳に2人で住むのはさすがにお勧めしないが、12畳ぐらいなら十分2人で住める。仮に12畳ぐらいに2人で5年ぐらい住む家を300万で作ったとする。その後子供が生まれるなどして、その家を直接取引により250万ぐらいで売れば、月々8000円ぐらいで住んだ事と同じになる計算だ。また年金がどれぐらい出るかは分らないが、多分僕らの世代は少ないことが予想される。しかし、この小さな家を月々4万~5万ぐらいで貸し出せば、それなりに安定した老後を築く事も十分できる。また狭いと思うだろうが、物は考えようだ。外部にウッドデッキなどを作り、全て開閉できるサッシを入れれば、冬以外は大きな一体感のある気持ちの良い空間を作ればそれで良い。それに小さいからこそ、予算がかけれるのが魅力だ。大きな家だと品物をそれにあわせて買う必要があろうが、小さい家だと物自体がそれほど必要はない。よって高い設備や家具にお金をかけれるのは明白だ。

   テレビでも言っていたがもちろん万人にウケるタイプの住宅ではない。だが、人間が一生で稼ぐお金の大きな割合を、家賃や大きなアパートに使い込むよりは遙かに良い人生を送れる気がしてならない。それに、無理をして大きなローンで大きな中途半端な家を作るよりも、小さなローンで小さなしっかりとした家を作った方が、資産運用の面では遙かに良い。それにいらなくなったら売れば良いし、大きな家よりは売りやすい。

   長々とすみません。でも日本の住宅のあり方や景観問題を何とか良くしたいだけですので。。

   質問がある方はコメントに残して下さい。かならず返答します。

   また、実際に興味があったり作ってみたい方は、右のメールボックスに連絡先を入さい。

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10 件のコメント:

  1. 通勤途中にある分譲住宅地に、沢山の二階建てのおうちが建築中なんですが、どれもお隣との距離が近すぎて、しかもほとんどのおうちが片流れのものばかり…
    多分、ソーラーパネルのためだと思いますが、雪も積まないのに『ここは東北地方か!!』と思うくらいです。

    あんなのを見ると、似たり寄ったりの狭い住宅地の新築に住むより、少し高台でゆったりと余裕ある土地に、オリジナルデザインのスモールハウスに住む方が魅力的ですね(^_^)

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  2. 確かに同じような家ばかりですね、世の中。
    色しか特徴がないというか。。
    業者としてはそれなりに工夫はされているようですが。。
    本来の意味で良い人生を送るための情報を営業さんが教えないし、そんあ知識もないんだろうと僕は思っています。
    それにソーラーパネルは元を取るまで大変ですしね。。

    隣と家が近いのを嫌うのは当然だと思いますが、昔の京都の家などは隣と接近していますが、中庭などの空間を設けるなどの工夫があったんですよね。

    ですが、今はみんなそんな工夫もしなくなった。

    勿体ないことだと僕は思うんです。

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  3. あ…庄屋作りの日本家屋なんかの隣接は、もちろん風情豊かで好きです~
    お洒落な和雑貨屋さんや昭和の匂いのするジャズ喫茶として再利用し、町の復興に役立ている地域は、宮崎にもチラホラあって大好きです。

    今は孤独死も高齢者だけの問題では無くなってるので、極端に人里離れた土地もどうかとも思いますし…(>_<)

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  4. 良いとこに目を付けましたね~
    庄屋づくりとは。。
    普通知らないですよ、その名前 !

    確かに孤独死も増えてきてますので、人里離れたというのは今は少ないでしょうが、少しずつ増えるんじゃないかなとちょっと思って来ています。

    もっとネット社会が発達したらですけど。
    そんな生活したい人々って、結構世の中増えてきている気がするんですよね。

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  5. こういう考え好きだ。変わり者というやつは言わせておけばいいんだ。
    自分もセルフビルドでやれるところはやりたいと考えてます。
    小さい家の方がお金かからないし、1人ならこれで十分です。
    結婚できたら、増築とか考えればいいことだから。

    モデル住宅を見に行くのが楽しみなのだが、ひろ~い家ばかり。
    「小さい家ないですか?」って聞いても返事はない。

    浴槽なしでシャワーでいいかな…?
    ちょっとさみしいかな?

    まぁ近くの温泉に行けばいいでしょう。

    今から少しずつ計画を練っていきます。

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  6. 鴨ねぎさん、コメントありがとうございます。

    実はセルフビルド用の家って結構売ってます。
    ですが法律の壁があって、100%セルフビルドは難しいかもしれませんね。
    土地によっては確認申請などが必要です。
    これはプロの知識がないと、なかなか役所は通してくれないもんですね。

    また基礎などは一般の方々が一人で作るのは無理だと思います。
    まれにコンクリートブロックの基礎で出来たお家を宮崎などでは見るんですが、耐震上、非常に危険です。

    浴槽無しのシャワーでも十分だと思いますね。
    どうしても欲しかったら簡易浴槽だって作れますし。
    あんまり高くはないですし。
    あとはどれだけの広さを確保できるかだと思いますね。

    また質問ございましたら、コメント下さい。

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  7. 絶対景観男さん、こんにちは、コメありがとう。
    またまたモデルハウスを見てきたのですが、そこの方は技術上がりの営業さんなのか詳しくお話が出来ました。
    建築許可を取得するのは建築士でないと難しいです。中はセルフビルドでよいと思うので構造体と外壁、窓orサッシをプロにお願いすることになるだろうなって感じです。
    3坪ハウス?って本ではないですが、5坪は浴室付きなら欲しいなぁと思っています。
    ハウスメーカーより工務店の方がセルフビルドに向いているとお聞きしました。
    私も解体予定の中古住宅を柱など素人では出来ない部分を大工にベースだけお願いし、後は自分でリフォームしたので30坪程度の平屋でも300万(材料、大工工賃、加工電動工具を含む)からおつりが来ました。時間はかかったけど、自分が頑張れば何でもできると思います。
    まぁほとんどの人間は楽して時間を過ごす動物みたいですが・・・。
    業者に依頼しローンのために仕事を頑張るか、お金をかけないスモールハウスをセルフビルドで建てるか?のどちらかと思いますが、私は当然、後者です。
    でも、実際は前者が多くてこの不景気で数多くの方が悩んでいるようです。

    自宅の解体費は準備できた事はお伝えして帰ってきました(笑)

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  8. 鴨ねぎさん、コメントありがとうございます。
    そうですね、大手のメーカーの営業さんは1件契約で、月50万なんてざらにありますので、ハウスメーカーに注文するととんでもないことになります。
    やはり営業さんがいるハウスメーカーや工務店が高いのはしょうが無いですね。
    そんな会社にかぎって材料などは安いですが。。

    たいていの小さな工務店などは融通が利くと思うので、中古をリフォームとかにはちょうど良いです。

    ただ、注意するべきは耐震の問題です。
    工務店は設計に時間を取られたら赤字になりますので、施主さんがこの壁を潰して、部屋を一つにしたいと言われればそうします。
    ですがその壁が、耐力壁(地震から家を守る壁)だったら、地震に極端に悪くなるので注意が必要です。
    工務店の大工もそれは分っているんですが、あえて言わなかったり見ないようにしているのが、現状です。
    設計業の僕からいえば信じられない話ですが。。
    各市町村で耐震診断には補助金が出ていたりするので、調べられた方が良いですね。
    僕が住む宮崎では、6万円支払いの、5万2千円が補助金で帰って来ます。
    こういった物を上手に使うべきだと思いますね。

    家は通常の方々にとって一生の物なんで、少しづつでも知識を自分で得て、手直ししていけば、良い家になりますし、それにその方が人生楽しいと思いますね。

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  9. 絶対景観男さん、こんにちは。
    耐震って大事ですよね。「地震に備えて、耐震・免震・制振って種類がある」ってTVで言ってた。模型だったのでわかりやすかったけど、詳しい内部はわからなかった。

    現在住んでる家の天井を落とす前に天井裏を調べたら、入れないくらい板がナナメに打ち付けてありました。
    大工さんが「蜘蛛筋交いって言うんです」って教えてもらいました。
    昔の作りなので柱はデカイし、内装だけで大丈夫かな?って感じでやりました。
    筋交いは窓のない所は入れました。ボードは弱い感じを持っているのですべて構造用のベニヤを打ちました。
    大きな地震には耐えられないかもしれないけど、多分大丈夫です。

    こんな大きい家は冬が寒いので、解体してスモールハウスです。
    材料を使ってもらうと嬉しいけど、宝くじが当たらないと難しい感じです。

    個人の工務店が安いのは分かっているんですが、技術の進化が見られる所は中小~大手ですよね。

    まだまだ先かと思いますが、見積もりはたくさん取りたいと思います。

    最近は暇さえあればスモールハウスのサイトばかり見ています。

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  10. 鴨ねぎさん、コメントありがとうございます。
    耐震診断をされる事をお勧めしますね。
    耐震診断法は、大きく分けて2種類あります。
    一つは壁のバランスを見る、壁量計算法。
    もう一つは最近のスカイツリーなどでも使われた、建物の重心を調べる方法(名称ど忘れ。。)
    両方とも木造耐震士の資格を持った人間ならだれでもできます。
    単純に柱が大きい、梁が大きいは実は耐震にはあまり関係はないので注意が必要です。
    多分ほとんどの工務店やハウスメーカーは耐震の事を分ってはいるのですが、平気で壁を壊してリフォームしてしまうので、僕は注意した方が良いと思いますね。リフォーム前には耐震診断をかけるのは僕はマストだと思います。大工の感は僕ら設計士からみるととても信用は出来ませんので。。
    また耐震診断には地盤の状態や、建物の劣化具合が大きなポイントとして加算されていきます。
    もちろん一番大きいのは筋交いなどですが。。そこをぬいて説明する業者がほとんどだと思います。
    鴨ねぎさんがどこにお住まいかは存じませんが、東京での平均的な診断料は10万ぐらいはしたと思いますが、僕が住む宮崎では6万円と決まってます。
    そのうち補助金が5万2000円。
    こっそり僕は8000円返して実質無料でしています。。
    そんな補助金が各市町村で決まってます。
    耐震診断を進めるのは国が義務として出してますので、調べるに越したことはないと思いますね。
    ちなみに昭和56年の6月より前に確認申請を出した建物しか補助金が下りないので注意です。

    一般の方は工務店の大きさを気にされるようですが、工務店の大きさで技術はなかなか計れないかもと感じています。小さな工務店でも、確認申請をパスできるという事は、合法な家を作る技術を持っていると言うことですので。。それに設計屋を確認申請の際に通していると思いますので、壁量計算ぐらいはするはずです。

    しかし、大きいところは長期優良住宅やフラット35などがとりやすいなどの商品を持っているところが大きいですね。

    でも僕が思う一番のお勧めは、地元の大工さんです。
    困ったらすぐに来てくれますんで。。

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