2012年6月18日月曜日

日米の芝生の手入れの違い

どうやって水を取るんだろう。。
  昔、司馬遼太郎のエッセイをよく読んだ。とあるエッセイの中に『日本の庭は世界一だと言う日本人や外国人がいるが、それはどうだろう。世界的に見て日本の庭は一つの境地に入っているのは間違いないが一番とは言いづらい。どちらかと言えばユニークなのだと思う』みたいな事を書いてらっしゃった。僕はこの本をアメリカで読んだんだが、妙に納得した。その当時は大学で政治学を学びだしたばかりで、まさかその後日本に帰り、設計をやるとは全く考えてなかった。しかしこの言葉は僕に響いた。連日連続で申し訳ないが、最低限度の住宅の事を考えてばかりいる。どうしたら上質の最低限の家々(アパート)を作れるか?またそのデザインやプランニングはどうしたら良いだろうかと、ぼんやりだが考えている。庭について考えているうちに、司馬遼太郎の言葉を思い出した。

  最近の日本の家々には芝生を植えている家が多い。これは雨などが降ったときに、土がべちゃべちゃになるのを嫌ったりするからだろうか。今の時代、アメリカっぽいとか言う理由で芝生を植えている人はあまりいないと思うんだが、とにかくよく見かける。しかし芝生が黄色いのが目立つ。実は芝生というものは手入れが難しい。水は大量にまく必要があるし、こまめに刈らないといけない。また刈るときに少しずつ刈らないと、葉が黄色くなるそうだ。芝生は日頃から手入れをこまめにやる人にしか向いていない植物でもあると言えるだろう。僕の実家にも芝生がある。夏場になるともの凄い勢いで芝生が伸びてしまうのでどうしても週一ぐらいで刈らないといけないのだが、これが中々面倒だ。この芝刈りでいつも親ともめる。僕に芝生は向いてはいない。

アパートかな。。
  アメリカにいた頃、よく芝生を刈っているメキシコ系アメリカ人を見かけた。庶民のアメリカ人の庭は大きく言えば、2つの庭がある。一つはバックヤードと呼ばれる裏庭。もう一つはその建物と道路の境界との間にある庭(名前は知らん。。)だ。大体庶民と金持ちは同じ場所に住むわけではなく、グループごとに固まって住む。よって、同じような広さの同じような家と庭がず~と続いていると考えたら想像しやすい。バックヤードはその家の持ち主が管理し、やりたい放題やっているが、フロント部分の庭は多くの場合芝生が生えている。その芝生を週一ぐらいでメキシコ人がヘッドフォンで音楽を聴きながら芝生を刈っていた。芝刈り機はバギータイプが多い。このバギータイプの芝刈り機でぐんぐん刈っていき、そしてもう一人のメキシカンがブーマー(日本ではブロアーと呼ぶらしい)で芝をぐんぐん集めていた。しかし今思えば非常に効率的だ。常に芝生が刈られている状態を維持できるし、少しずつ刈るので芝生も常々青い。アメリカ人は日本人と違い芝生の品種にこだわると聞いた。いかに黄色くならないかなど非常にこだわるらしい。また何故このようにメキシコ人が毎週来て刈るのかと言えば、義務だかららしい。地域によって異なるのだが、彼の国は景観には非常にうるさい。芝生が伸びていれば、治安にも影響するし、またその土地の地価が下がってしまう。よって細かな手入れを欠かさない。

  僕は日本の庭は内向き志向が強く、アメリカのそれは外向き思考が強いと思う。どんなに素晴らしい庭をもっているお家でも、日本の場合は塀を巡らし外からは見えないようにするのが一般的だ。これは恥じらいの文化から来ているのかも知れないが、堂々と表に出しても良いとふとこの記事を書きながら思った。

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