2012年5月31日木曜日

駅舎が銭臭い。

  昨夜寝れずにふとテレビをつけるとSL機関車の映像が流れていた。日本のSLには僕は乗った事がないはずだ。うっすら記憶にあるので乗った事があるのかも知れないが、あまりにも幼い頃なので記憶違いなのかもしれない。テレビの中でモクモクと煙を出し走る機関車はなかなか絵になり美しいもんだ。僕の父親の世代はSLを見て育ったせいか結構SLが好きな人が多い。僕の実家にも大きなSLの写真があった。宮崎の国鉄が最後にSLを走らせた時の写真なんだそうだ。その当時、主に昭和40年代の映像であったが、地方の映像には美しい自然と街並みが残っていたのだが印象的だった。

  その映像の中に出てくる民家などはほとんどが勾配屋根。瓦を積み整然と家々がそこにはあった。電柱もまだ木製の時代だし、それに余計な看板がない。全国にチェーン展開している電気量販店もなければ、高層ビルだって見えてこない。駅舎はもちろん木製で、野口五郎の『私鉄沿線』などがはやっていたのがよく分かる。ふと映像と同じ場所は今どうなっているんだろうかとGoogle Mapで調べてみた。そしたら案の定、街並みは一律に近代化し、余計な看板が並び立ち、立派な普通のさえない田舎となっていたのが悲しい。

  駅舎の映像が出てきたのだが、歴史を感じてなかなか良かった。当時の駅舎はもちろんだが木造だ。現代と違い、銭の臭いがあんまりしない。確かに現代の駅は便利だ。例えば僕が住む練馬の駅には『SEIYU』さんが入っていて、電車で帰宅ついでに物は買える。しかしあまりにもごちゃごちゃしているので、昔あったような物語はできそうにない。最近の若手の設計屋はデザインに物語りを入れたがる。駅という物は町の中心地となるものだから、色々なイベントなどをし易いようにプランニングしているのだ。そんなコンペ作品をよく見かける。やはりどこか商業ビルだけ入れる現代の駅に、違和感を感じているのかも知れないとふと思った。

  地元の駅ぐらい一度は設計してみたい。以前北海道のとある駅の設計を手伝った事があるが、あまりにも前衛的すぎて、僕の中では黒歴史となっているからだ。もちろん自分で設計するときには自分の考えを詰め込みたい。そんな事を考えていたら、寝過ごした。

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