ドタバタ帰省物語。

受付の女性が美人だったANA

  先週の火曜日に爺さんが死んだ事は書いた。立派な爺さんだった。町議会に立候補して４選し、町長は間違いないと言われていたのだが、妻である婆さんに申し訳ないと５選目は辞退。その後は町の教育長などをやっていた。また非常に真面目で人柄も温かく、いろんな人々に慕われていたのが葬儀に参加しよ～く分かった。こんな孫で本当に申し訳ないとつくづく思う葬儀だった。

  しかしドタバタの帰省となった。爺さんが亡くなったのは５月２日の８時２５分。母親からメールが来てすぐに飛行機チケットの予約。次の日は５月３日、ゴールデンウィークなので値段は非常に高い。往復で７万超えとなる。これはひぃひぃ言いながら生活している僕には結構な出費となるが、しゃあない。直系の孫なので帰らないわけにはいかんのだ。チケットは銀行振り込みにしてその日はさっさと寝た。そして次の日の朝９時、ゆう貯の僕は、練馬郵便局の前でお金を引き下ろすべく待っていた。しかし、待てども暮らせどもATMが開かない。どないしたんじゃ郵便局はと、じぃ～と入口の自動ドアを見てみるとポスターがあった。『５月３日～６日までは全国のATMは使えません』えらいこっちゃ！係員のおじさんに聞いても『あれだけテレビでコマーシャルやってたんで。。』とけんもほろろ。。NHKもCM流しても良いんじゃないかと一瞬だが考えた。

  金が下ろせなければ、帰れん！ゴールデンウィークは、もし仕事が入った場合の電車賃と食費ぐらいしか用意していなかった僕は、手元のお金は１万２千円ほどしか持ってなかった。どう考えたって宮崎は無理じゃん。。こんな時のためにVISAカードと持っていたのだが、使いすぎるのが怖いので宮崎に置いてきてしまった。しかし、パニックながらひらめいた。『やむを得んが親に借りるしかない！』親に『お金を送ってくれないか？』と電話し、早速飛行機のチケットをキャンセル。新たな時間の便を予約した。しかしだ、コンビニATMの前で待てども暮らせどもお金は送られてこない。。よ～く考えてみた。月曜までATMは動かないって事は、お金も月曜日じゃないと手に入らないって事じゃないか。。万事休すとなり、家にとぼとぼと帰り、またも飛行機をキャンセルした。

C-1輸送機です

  う～ん良い手は無いか。。最後の手段で現金を借りるしか無い。しかし僕は知り合いが東京には非常に少ないので、借りる相手がいない。ママよ！僕はダメ元で携帯を手にした。会社の方は仕事柄会う機会がほとんど無いので無理。なので相手は、その時間はどう考えても寝ている知り合いのスナック屋の娘と、先週『帰省するぞ！』とメールして来た航空自衛隊にいる高校の先輩（独身☆）案の定スナック娘は連絡が取れず、しょうが無く恥を忍んで自衛隊の先輩（独身☆）に電話した。『先輩、金貸してもらえませんか？』と電話すると、『どないした？』と言われ『これこれこういう理由で銭がない』と説明。快く『分かった』と答えて下さった。さすがである。自衛隊のお偉いさん（独身☆）は違うのだ。しかし『イカン、俺もゆう貯だ！』と言われた瞬間、目が回った。嗚呼天も泣け地も叫べ、ごめんよ爺さん、だめな孫ですまんかった！が、さすがは自衛官のお偉いさん（独身☆）VISAカードを持っていたので払って下さった。本当に助かった。ここまでして飛行機に乗れない場合は『先輩、Ｃｰ1輸送機、飛ばして新田原基地まで行きませんか？』と聞くつもりだった。結構本気である。

  その後、通夜は終わっていたが何とか夜１０時前だが爺さんとも会えたし、もちろん葬儀も参加した。これも偉～い自衛隊の先輩（独身☆）のおかげだ。火曜日にはお金を先輩にちゃんと新宿歌舞伎町で返した。『街婚（マチコン：街での婚活の事）あるけど行くか？』と聞かれたので二つ返事で承諾もしてきた。そりゃこれだけ世話になったのだ。がんばって先輩に女を作ってやらなイカン！しかし先輩の好みは、黒髪の煙草を吸わない女性オンリーだそうだ。決して『だから、結婚できないんだ！』とかは言ってはならないし、もう言えない。


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