2012年5月29日火曜日

腹黒い道路の作り方

  日本の凄いところと言えば、どんな小さな集落にもちゃんとした舗装道路があると言う事であろう。僕は仕事で動物用医薬品会社の貿易部にいた事がある。貿易といってもたいした貿易ではなく、ほとんど営業周りのどさ周り。つまりは地方の豚農家に動物用医薬品を届けるのが大半のお仕事だった。豚農家というものは近所に迷惑がられる。糞尿の処理の問題だ。今は機械化が進み、糞尿は綺麗に処分され水となって排出されている農家が多い。臭いについても、おがくずなどを豚舎の床に敷いているから臭いは大分抑える事に成功しているが、やはり少しは臭う。なので新たな豚舎を作る場合はたいてい山奥に豚舎を設ける事となる。よって営業先は山林の中となるのだが、こんな大して車の量の少ない道まで舗装がばっちりなのはやはり凄い。しかしそこまでする必要が本当にあるのだろうか。また日本の道路は決して合理的ではない気がする。

  人が通らない道まで舗装する理由と言えば、もちろん道路で儲かる人々が多いからだ。かつて青森と秋田を結ぶ産業活性化道路を白神山地のど真ん中に作ろうという計画があった。そのため樹林300年のブナの原生林をそっくり伐採するという乱暴な計画であったらしい。しかし白神山地は11月頃から5月ごろまでは雪で使えない。雪が溶けた後は道路は破損するので1から3ヶ月は修理しなければ使えない。って事で、実際に使えるのは1年で3から4ヶ月。その程度しか使えなくて経済の活性化が図れるとはだ~れも思ってはいないし、本気で経済の事を考えるならこんな計画は立てないのだが、とりあえず計画は立てられた。元々詭弁から作られたこの計画は着工寸前までいったらしいが、何とか反対の狼煙を上げた方々の努力で中止に追い込まれた。そして現在では白神山地は『世界遺産』になっている。こんな道路が日本は山奥まで入り込んでいるのだ。道路が破損するとすぐ修理。工事をしたがる人々があまりにも多いんだからどうしようもない。

  また日本の道路はやたらと金がかかっている。道路の脇にあるスピード表示などがやたらと細かいのだ。例えば僕がいたアメリカの場合。街中は大概40キロぐらいと決まっていた。まあオーバーして走る人もいるのだろうが、あんまり気にしない。しかし住宅街を走る道は40ぐらい出されたら危ないので、道路に段が作ってあった。つまりスピードがあまり出ていると車が吹っ飛ぶ形になるのでスピードが出せないのだ。また小学校の近くになるとスクールと言う標識があり、その学校の周りだけは20キロ走行をせないかん。また高速道路や他の一般道路でもまれにカーブの手前などにスピード表示が書いてある。この表示がなかなかアメリカなのだ。日本の場合だと『この先急カーブ注意せよ!』みたいな看板があり『〇○キロ』とスピードの表示、『大きな矢印』に『赤ランプ』に『大きなガードレール』があり、そして『てげてげ(宮崎弁で適当)運転追放運動中!(東国原英夫)』みたいな看板がいっぱいある。しかしそこはアメリカさん。矢印とスピードの表示だけ(まれにガードレールも)。またそのスピードを10キロ超えると曲がれるが、20キロを超えると曲がり切れない。事故ったらあんたが悪い。そんな風に合理的にできているのだ。さすがグランドキャニオンに手すりを設けない国である。しかし、こっちの方が余計な看板はなくなるし、健康的だと思う。また財政的にも良い。やはり日本の標識などの多さは以上である。

  それにしても道一つとっても日本は細かくできている。しかしやっぱりどことなく癒着をしている脂ぎった人々の影がうろちょろ垣間見える。道路はもっと効率的に合理的につくるべきだと思うんだが。僕はねずみ取りに一度ひっかかった事がある。下り坂を45キロで走っていたら『止まってくださ~い』と言われ15キロオーバーで捕まったのだ。なぜそこが30キロなのかは未だによ~わからん!そんな人をだまくらかす道路が日本中にたくさんある。しかしこういった物はそろそろ整理していかねばならないと思うのが自然な考えと思う。税金をあげようとする前にこの辺りの議論をお国にはぜひやっていただきたい。


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