2013年2月28日木曜日

アメリカンコーヒーは、なぜ薄口か?


   婆さんの足の小指と薬指の間に穴が空いたので、正月明けぐらいから病院に連れていっている。最初は水虫かいな?と思っていたのだが、そうではないと美人医者様が言っていた。彼女曰く、婆さまの足の小指が薬指にくっつきすぎているため、空気が入りづらい。よって亀裂が入り、穴となるそうだ。さすがに1月以上病院に通っていると、婆さまの足の穴もふさがって来た。さすが美人医師だ。うちの婆さんは、美人を見るといつも褒める。『美人ですね~』 と今日もその美人医師に言っていた。さすが宮崎県美人協会会長の祖母なだけはある。。婆さまを病院に連れて行く時に必ず僕はコンビニに寄ることにしている。そこでコーヒー、またはコーンスープを買ってあげるととても喜ぶからだ。今日も、ホント素敵な孫だと思いながらコンビニによったら、缶コーヒーの棚の縁のあちこちに 『炒りたてのコーヒーあります』 とあちらこちらメモのように貼ってある。清涼飲料水の値段はそれほど貼っていないのだが、このメモはそこらじゅうにある。そんなに美味しいのだろうかと思いながら、レジのバイト嬢にオーダーした。『アイスコーヒーを一つお願いします』

   彼女はからからと、プラチックに氷がたんまり入った容器を取り出し、『150円です』 と言った。だが僕的にはその量は少ない。テイスティングじゃないんだから。。と思い、もそっと大きな容器はないか尋ねると、無いと言う。しょうがない。種類は何がありますかと聞くと、モカとアイスコーヒーと。。と数種類を教えてくれた。だが、一番最初なのでとりあえずアイスコーヒーだなと思い、頼むと作ってきてくれた。そして婆さんと一緒に車の中でチューチューとストローを使い飲んだのだが、二人ともすぐに飲みきった。えっ、量が少なくない !? 僕はともかく、80代の婆さんがほぼ一気で飲める量はいかにも少ない。。う~ん、なんでだと思ったら答えは簡単。氷の入れすぎ。プラチックの容器一杯に氷がドンと入っていたので、コーヒー自体はその氷の隙間にしか入ってなかったようだ。もの凄く騙された気がした。。

   これでは、なんか悔しい。婆さんをデイケアセンターに連れて行き、それから家に帰ったのだが、まだプラチックの中には氷がたくさん残っている。これでゴミ箱に捨てれば、蟻さんは喜ぶかもしれないが、ゴミ箱はびっしょり濡れる。それに庭に氷を捨てるのは負けた気がする。う~んと考えたあげく、アメリカンコーヒーを作る事にした。あの薄~いコーヒーだ。

   アメリカのコーヒーは薄味だ。アメリカに住んでいる頃、 iced coffee を頼むと、もちろん薄口のコーヒーが出てきたもんだ。確か、Starbucksで 『う゛ぇんティサイズのアイスドコーヒーを、アメリカンでテイクアウトでお願い』 と気取って頼めば、アイスコーヒーに水を足してくれてアメリカンとして出てくるはずだ。ではなぜアメリカ人は薄口のコーヒーを飲むのか?これにはそれなりの理由がある。

   それは、西部開拓時代の名残だ。ゴールドラッシュが起きた1849年辺りより、西海岸はたまたヨーロッパ各地から一攫千金目当てで西部へ人々が押し寄せた。だが、水はあまり良くはなく、そのまま飲めないので鍋に挽いたコーヒー豆を入れて上澄みを飲んだそうだ。だが、濃いコーヒーは何杯も飲めるもんではない。あくまで水代わりに飲むため、そのコーヒーは薄口が好まれたそうだ。その名残でアメリカ人は薄口のコーヒーを飲んでいるわけだ。

   もちろんアメリカ人とて全ての人々が薄口が好きと言うわけではない。フレンチトーストなどのビターなコーヒーを好む人もいるし、アイリッシュ・クリームというブランデーの甘みを好む人だっている。少なくとも日本人よりはコーヒーにうるさい人々だ。だが、やはり伝統はと言えば、薄いコーヒーなのかもしれない。実際、アメリカのコーヒー屋で 『House』 (自家製という意味か?) というコーヒーはとても薄かった。

   家に帰り、アイスコーヒーをもちろんその氷で作ったら、あら不思議、良い感じのアメリカンが出来上がった。これで怒りも収まり一件落着だ。

   ただ、アイスコーヒーだけはコンビニで頼むもんじゃないと学習した一日だった。


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