2012年11月27日火曜日

神社を汚す、罰当たり

   僕は一応、家族的には仏教徒だが、神社をとても愛している。神社の領域にある建物や木々は、1000年以上変わらない形を残しているのが文化史的な興味をそそるし、景観を考える上でも重要なランドマークだからだ。その領域だけ冷たい空気が漂い、そして時間が止まっているようで、心がすさんだ僕でもキリッ背筋を伸ばしてしまう。かといって、美しい寺が嫌いなわけではない。日本の歴史上、芸術や学問に対する貢献は、神社と比べればお寺に軍配が上がるだろう。その庭園や襖絵を作り上げる努力と行動力は、日本の芸術史に大きく貢献してきたと思う。しかし、お寺にはどうしてもお布施がつきもの。まあ経営上やむ負えんとは思うのだが、ふらりと煩悩を取りに行くには少しばかり気合いがいる料金設定となっている。なので、どうしても足が遠のいてしまう。お寺と比べて神社は、銭がかからずそして原始的な日本的美しさを見事に保っている。なので僕は神社の質素な美しさに包まれたくて、自転車などでふらりと神様にご挨拶に行き拝む、儲かりますようにと。特にあのご神木と呼ばれる大きな木々が僕は好きだ。堂々としていて、さすがご神木と思い、とりあえず拝んでしまう。金持ちになれますようにと。ふとタ~リラッとネットをサーフィンしていると、とんでもないニュースを見つけてしまった。この大事な大事なご神木を、単なる銭儲けとしか見ていないヤカラがいるらしいのだ。嗚呼許スマジ !

   それは、愛知県のある町のご神木が枯れているのが見つかった事に始まる。約1300年の歴史を持つ神社の境内で、2本のヒノキが枯れていたんだそうだ。いずれも樹齢500年を超え、幹周りは4メートルもあったんだが、枯れてしまったのは寿命だと思われていた。ところが1ヶ月後、とある木材業者が訪れ、『枯れた木は危ないから早く切った方が良い。自分たちが伐採して買い取ろう』 と切り出してきた。地元の方々は自分らで伐採する費用も考慮した結果、業者に550万で売却する事に決まった。しかし伐採直前に大きな問題が発覚した。気の根元に、直系5㎜ほどの穴が複数見つかり、不審に思った神社側は警察に通報。警察の調べでその穴には除草剤が注入されていたそうだ。これは木材に詳しい人間が関わると考えるのが自然だろう。その根拠は、木材に彫られた穴の深さが4センチほどだったからだ。木材の表面から4センチほどの場所には根から吸った水分を運ぶ管が通っている。つまりそこに薬剤を入れれば枯れるのは葉だけ。幹の中心部には影響はない。つまりわざと枯らせて買い付ける。とんでもない人間だ。

   昔から、神社のご神木には高値がつくことは知られている。重要文化財の修復などで一定の買い手が常にいるからだ。しかし、この日本にはその需要にあった大木は残されてはいない。昔から、材木業者は苦労していたようで、平安時代末期には、関西方面で大木は取れなって困ったなぁ~と嘆いている日記だって残っている。そして昭和の中頃までは結構大きな木々が残っていたが、そのほとんどは切り倒してしまった。しかし、神社などはその建物を再建するために多くの木々が植えてあり、そして残っている。主に台風などで倒れた時のみ市場にでまわる事がある。1本の大木が600万をつける事だってあるそうだ。なぜそんなに高値がつくかと言えば、もちろん大木って事も関係するが、他の理由もある。他の木材と違い、狩猟の鉄砲弾や、戦国の昔の種子島銃の鉄砲の弾などが入っていない。なので安心して業者も取引できるそうだ。

   昔から神社はみんな~の物。地域の神様を祭り、そして心のよりどころに僕ら日本人はしてきた。そんな聖域に、自分だけの利益のためだけに入る人間だけは許せようはずがない。

   罰が当たればいいのに !

   お巡りさん、がんばって !



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2 件のコメント:

  1. そうそう!! 今朝、NHKのおはよう日本でそのニュースやってました…信じられないですよね~
    我々を含め、全国の神社ファンが怒り狂ってる筈なので、まぁいい最期は迎えられないでしょう…!

    祟りは恐いですからね~Σ(ノд<)

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  2. この記事はNHKのウェブニュースで見たんですけど、記者はよいお仕事したと思います。久しぶりにニュースを見てそう思いました。
    ホント、祟られるっど!

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