2013年8月8日木曜日

嗚呼、思い出の大龍堂

   僕がまだ高校生だった頃、大人は勉強しなくても良いからええな~。。とぼんやり思っていた。そして大学に入り、こっちはテストでぴぃ~ぴぃ~なのに、社会人は働いてビール飲んで楽しそうやな。。と思っていた。そして軍関連の企業に就職し、人生ってすばらしい~と実感していたが、日本に帰り設計の世界に飛び込み今必死こいて勉強している。ニュースでビアガーデンなどで酒を飲んでいる人を見る度にええな。。と愚痴をこぼしそうになる。設計の世界は何歳になってもお勉強の世界である。建築知識も必要であるし、それにパソコンの知識もいる。もちろん業界の知識も必要だし、環境負荷の知識も必要である。8月の半ばから新しい仕事が始まろうとしている。今回の仕事は今まで所属していた工務店を離れ、一人ですべてやると決めている。よってCADの設定から、はたまた建築確認と構造計算のためのExcelつくりと、どえらい勉強しなくてはならない。よって今日は宮崎市の 『俺たちのイオンセンター』 に行って来た。

   イオンに入ったのは午後5時ぐらいだろうか。周りは若い女の子ばかり。。そうだった。。みんな夏休みなのである。若い女子大生らがキャッキャ言いながら歩いている。そこを汗だくで腰ベルトにメジャーと業務用カメラをぶら下げた、いかにも業者風の僕は陸上選手さながらの競歩で歩く。ちょっと恥ずかしいからだ。今日はノートを買うと決めていたので、無印良品へ向かった。無印のドット入りのノートは家をプランニングする際に使い安いからだ。だがそこはどことなく宮崎のセレブリティーが集う雰囲気があり、業者の僕はとても浮いている。。なぜかお客さんらは白っぽい服を着ている中、僕だけ作業用ズボンだ。もちろん太もも辺りには計算機が、そして腰には三角スケールが突っ込んである。目的のノートを他の客の目を盗んで買いつけ、さっさと2階にある本屋さんに向かった。ここには建築関連の本があるのである。。といっても僅か 2m × 2m ぐらい。1時間ぐらい吟味しただろうか。やはり僕が今欲しいと思うような本はなかった。田舎だかからある程度予想はしていたが、やはりガソリン代を考えれば泣けてくる。。

   僕ら設計屋が読むような本は普通の人々はもちろん読まない。なので高い。。なので普通の本屋には置いてない。。という事は田舎の宮崎では手に入り難い。。だが文明は進んだのだと Amazon などで探してみるのだが、やはり本は手に取ってみなければわからないものである。僕がまだ京都で設計をやっていた頃、よく京都市中京にある大龍堂という建築専門の本屋さんへ通っていた。こんな本屋が宮崎にあったらな。。とつくづく思う。

   大龍堂さんは10坪に満たないスペースの小さな専門図書店だ。関西で建築をやっている人なら大抵は知っていると思う。その店の壁という壁には建築の本が置いてあり、おやじさんが真ん中にドンと座り、いつもパソコンをいじっている。そんなイメージである。そこに来るのは大抵は建築を目指す学生さんであったりして、どことなく若い建築のサロンのような場所だった。だが建築を始めたのは良いのだが、何から手を出せば良いのか分らない僕はいつも恐る恐るおやじさんに尋ねていた。。 『〇○のわかる本とかありますか?』 大抵は 『それ』 とおやじさんは無愛想に言われる。小さい店なので立ち読みなどする空気はその店には流れていない。なので即購入せなばならない。すると 『おい』 とおやじさんが言う。すると奥さんがホットコーヒーを出して下さる。それがこの店のルールのようであった。といっても飲むスペースがあるかと言えばほとんどない。周りは全て2,000円超えの本なのである。こぼすわけにはイカン。。またおやじさんは無口なので何か喋りかけた方が良いのかも分らず、とりあえずコーヒーをガブ飲みして店を出る。この店に行くたびにこの繰り返しである。だが今考えると素敵な時間であったと思う。

   家に帰り、ふと以前見た NHK 宮崎のニュースを思い出した。宮崎で建築をやられている有志の方々が建築図書館というのをやられていたはずだ。。さっそくネットで調べたらあった ! 場所は宮崎よりも遠い青島である。青島は宮崎を代表する風光明媚な場所で、その辺にある青島観光ホテルのロビーにあるそうだ。う~ん。。我が家から56㎞もあるじゃないか。。やっぱりガソリン代が。。という事で、自転車でいったるか !! と考えた。これで宮崎を自転車で旅をする絶好の理由付けにもなるじゃないか !!

   だが思い出した。。今年の4月で青島観光ホテルは閉館するとNHK宮崎さんがいっちょった。。

   少しだけ宮崎で夢を見た。。

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