2012年12月3日月曜日

経年劣化は知っていた方がよい

白亜化現象、よくある劣化現象です
   中央自動車道・笹子トンネルの天井崩落事故で死者が9人出たそうだ。被害に遭われた方はもちろん、その家族の事を思うと、とても悲しい。NEXCO中日本は当然責任を取る必要があるだろう。原因はまだ推測なんだろうが、この天井に使われているアンカーボルトの経年劣化だという。このトンネルの経年劣化はすでに30年ぐらい前に指摘していた人もいるという情報もある。なぜもっと構造的な観点から物を見なかったんだろう。また、何故にもっとしっかり調査しなかったんだろうか。失った命を考えるととても悔やまれる。僕はホームインスペクションや耐震診断のお仕事を宮崎でしている。建物の診断業務をしていると分かるのだが、日本人は本当に経年劣化の補修にお金を使わない。経年劣化を放っておくと、劣化はぐんぐん進行し手をつけれなくなる事が多い。手遅れの状態で補修をかけるとすると、余計なお金が増えるという現実がある。早めに手を打てば安くすむものなんだが、基本ほったらかし。そりゃ木造の建物、築22年を超えると価値が0円になるわいな。。

   アメリカ人という人々は、レディーファーストみたいな文化があるが、その性格はとてもマッチョだ。アメリカで建てられる家の2割ぐらいは、自分で立てた家なんだそうだ。特に南部は、どちらかというと、女性は家庭を守り、男は家のメンテナンスをするっていう感じの文化が根付いている。まあ、日本と違い家々は結構単純に出来ているし、決して日本のように繊細には出来てはいない。なので補修も簡単なんだろう。外壁は基本ペンキを塗っただけってのが多いし、外壁をペンキで塗るんだから窓枠もついでにペンキで。。みたいな感じで出来ている。家の作りが単純という事は、素人でもメンテナンスが出来ると言うこと。日本のようにサイディングですましてあとはほったらかしという文化とは、作る段階から哲学が違う。

屋根の張り替え時期ですね
   思うんだが、なぜ日本は木造家屋を簡単に取り壊すんだろう。メンテナンスフリーが前提なんだろう。。高温多湿のためほっといても木々は生えてくるので、木材には困らなかったから壊すのだろうか。。また、しょっちゅう起きる大火のため、家は燃えるの当たり前、また地震でつぶれるのは当たり前の時代が長かったから、メンテナンスにお金を使うのは馬鹿らしい。だからなんだろうか。。神社の式年遷宮などの文化的な影響だろうか。。よく分からない。西洋は石の文化だからメンテナンスを続けなければ、建物が壊れてしまう。実際、石造りの教会はよく勝手に壊れる。。そんなお国柄なんで、補修は当たり前になったんだろうか。。もちろんよくはわからない。

   今回の事故を見て、多くの人々が怒を覚えたのは当然だと思う。何やってるんだNEXCOはと思う人がいるのは当然だ。しかし、自分の家の経年劣化について考えてる、または、知っている人は少ない。。日本人自体が経年劣化について少しうとい気がする。日本人はもう少し、物は経年劣化する事を知っておいた方がよい。もちろん自分の建物は自分でメンテナンスした方がよい。

   この場を借りて、被害者のご冥福をお祈り申し上げます。

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