2014年1月17日金曜日

ネオ・城下町が美しい

  僕がまだ高校生の頃、僕が通った宮崎県立高鍋高校ではクラブ活動の時間と呼ばれるものがあった。これは部活動とは違い、ひと月に1時間ほど選択したクラブに所属し、その活動を行うというものである。選択といっても人数枠があるようで、第1候補から第5候補まで用紙に記入させられた。僕はなんとなく、第一候補からテニス・野球・美術・音楽の順で選んで行ったのだが、どうも第5候補が出てこない。う~んどないしよ。。と悩み、とりあえず興味はないが『郷土史研究会』と書いたら、先生の嫌がらせか見事に『郷土史研究会』に選ばれてしまった。。当時は郷土史などには全く興味はなく、困り果てたがとりあえずクラブには出席はせなイカんだろ。。とクラブに顔を出すと、生徒は僕を含めてたったの5人。同学年は一人もいない。。そして先輩方も『余計なモン書くんじゃなかった。。』という顔をしている。それに先生も『なぜ皆さん来たんですか?』とのっけからやる気がない。結局はそのクラスは1人減り、2人減りとだんだん他の生徒も来なくなり自然消滅してしまい、気が付けば『ボンバーマンを隠れてやる有志の会』となってしまったが、最初の方だけはまじめにやった。

  そんな村八分のようなクラブ活動ではあったが、先生にいろいろ教えていただいた。先生が言われたのが、『日本の城下町で、市ではないのは高鍋だけだ!!ワイルドだろ~』ということ。確かに高鍋町は江戸時代には高鍋秋月藩2万7千石の藩都ではあったが、現在も市ではない。現在の人口は2万1千人を少し超える程度の典型的な田舎だ。これといった産業があるかと言えば、酒造が少し有名かな。。(百年の孤独など)という程度。また先生にこの辺りのこの路地が城下町の風情を残しているとは教えていただいた。が、頑張ってそう思わないとかぎり城下町には見えない。。う~ん、城下町ってなんなんだ?という事ばかり考えさせられるクラブであった。

  昨日、ぼ~といつものように夕暮れ時のNHKを見ていると、『ネオ城下町・高鍋町』というものをやっていた。ん!?何ぞなと番組をガン見する。NHKさんが言うには、さびれた商店街を何とかせなイカん!!と有志の方々が集まり、街を新しく城下町風に作り替える取り組みなんだそうだ。確かに、たまに高鍋町に行くのだが、ちらほらそんな城下町風の建物が散見されだした。城下町風の建物といっても厳密には武家屋敷ではなく町家である。その町家もどことなく大味な感じはするが、たぶん同じ人が設計しているのか一定のカタチになっていて、纏(まと)まりがあるようには思える。

  僕の記憶が確かなら、以前高鍋の有志の方々は暖簾(のれん)を作っていたと記憶している。だがそれは不評であった。僕はそれをニュースで知ったのだと思うが、僕は素晴らしい行為だと思い、高鍋のとある店でそんな話をマスターにしたのだが、『なんでそんな事を進められるのかわからん!!』と言われていた。『それに高いし!!』とも言っていた。またとある業者の姉さんとお話しした時は、『古いデザインのものばかり作って。。』と酷い言われようであった。詳しくは忘れたが聞くとその暖簾は、確かに結構な値段がしていた。だがそのデザインはとても美しく、素晴らしいデザイナーがこの高鍋にもいるんだなと思ったのを覚えている。

  最初は、そんな批判的な人もいたのであろうが、少しずつ城下町づくりは進んできたらしく、最近では建て替える時に町家風にすると補助金がでるようにもなったようだ。それに少しづつではあるが、新規参入してきたお店もちらほらあり、街が少しづつではあるが活性化しているようではある。さびれていた街がこのような取り組みで蘇るのは素晴らしいことだと僕は思う。

  僕はこれが景観つくる取り組みとしては良いモデルケースだと最近は思っている。欧米のように一律に法律や条例で街の景観を作るというのは日本では難しいのではないかと思うからだ。なぜなら日本には景観を美しくという志は元からない。なので有志の方々が、『勝手に』美しくしようと動きだし、その動きに賛同する人々がまた動き出し、一定のルールを取り決めだす。そしてそれに市町村が乗っかる。このような動きでなければ日本の景観を美しくする運動は前に進まないのではないだろうかと思っている。ただその運動の中にはデザイナーや設計家は必ず入れたほうが良い気がする。やはりプロの人々はそれなりの勉強をしているので、その方が美しいモノや街を作れると思うからだ。

  近いうちに、有志の方々とお話をすると思うので、その時はまたこのブログに書きます。

  批判する人もいるだろうが、そこは無視してがんばって!!

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2 件のコメント:

  1. 七賢人の森に住むふくろう2014年2月4日 9:18

    今朝のNHKでネオ城下町高鍋の事を知りました。高鍋高校出身のおばさんです。高鍋を離れて40年近くになりますが、テレビの番組で高鍋のキーワードを見つけると今だにピンと反応します。南九州大学が移転し、最近の高鍋の衰退を見るにつけ悲しく寂しい思いでいっぱいでした。
    でも今日の放送で若い人の力で少しずつ変わろうとしている事を知り非常にうれしく思います。城下町としてはあまりに小さく、人を呼び込める様なインパクトがないのが残念ですが、小さなまちだからこそ出来る街づくりがあると思います。町家ふうもよいのですが、たとえば(しもたやの家)、板塀、サザンカの低い垣根、幼かった頃の記憶がキューっと胸に蘇るようなノスタルジーを感じる町もよいのではと思います。図書館も木造から普通の建物に変えて風情がなくなりましたね。
    キャベツが特産であればキャベツ大福もよいのですが(すぐに何とか饅頭の発想をすてて)、万人が好きなB級グルメのロールキャベツを真空パックにしたり、漬物として工夫すれば良いのではないでしょうか?

    高鍋を愛しているが故ついついお顔も存じ上げない方にコメントを書いてしまいました。これからの若い方がたの活躍を福岡より応援しています。

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  2. 七賢人の森に住むふくろう様、コメントありがとうございます。

    奇遇ですね。
    実は先ほどまで、高鍋町の『ネオ城下町』を推進している団体の事務所によって帰って来て、今からブログを書こうとしているところです。

    僕もあまり知らなかったんですが、高鍋町は頑張ってますよ!!七賢人の森に住むふくろうさんの言われる通り、確かにまだ饅頭などの商品開発に力点を置いているきらいがありますが、これからだと思っています。また観光にだけ力を置いていないところが素晴らしいと僕は思っています。よい町並みを作ることによって、新たな出店者も増えてきているようですし、歩いていて気持ち良いので、ちょっとした面白いものを欲しい場合は高鍋まで足を運ぼう、というよりは、高鍋に行かねば手に入らないといった感じになってきているような気がします。ですので川南に住む僕も行きたくなる町になってきている気がしています。飲み屋さんが並ぶ街と言ったイメージを高鍋に持っていましたが、少しずつ文教の街に向かっているようで、僕は嬉しく思ってます。

    後輩より。

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