2014年1月20日月曜日

仕事と服装

  昼前に煙草が切れたので近くのコンビニまで行ってきた。そのコンビニに行く途中に自販機はあるんだが、僕ら設計屋の仕事は、日によっては誰ともしゃべらない日もあるわけで、コンビニで『ハイを押してください~♡』と若い店員に促される、その会話だけでもちと嬉しい。よって積極的にコンビニで煙草を買うようにしている。実に設計屋のお仕事とは、引きこもりに似ている。。

  お店ではその程度の会話しか普段はしないのだが、めずらしく店長さんが話しかけてきた。『設計屋さん(僕はそう呼ばれてる)、集成材ってどうなの?』と質問された。んっ!?なんぞな。。とは思ったが、あくまで一般論と断ったうえで、いろいろ教えてあげた。すると隣にいた入って数か月の20代の店員さんが『えっ!?建築家さんなんですか?』と言ってきた。『建築家ではなく設計屋ね♡』と断ったうえで、どうでもよい話をしていた。どうやら困ったことに、若い彼女は僕がいつも昼時に煙草を買いに来るので、『プ~』だと思っていたらしい。。『建築家さんってお金持ってそ~』と彼女は言ったので、『金持っていたらもっとエエカッコをしてるって。。』と言うと、『確かに。。』と余計な事を言いやがった。。

  道の真ん中を歩いたら『匠』と呼ばれるテレビ番組がはやったせいか、建築家さんに対する妙なステレオタイプが広がったようだ。大体男性の場合は、無印良品のような服を着たナイスミドルでズボンはジーンズかチノ。髪の毛は染めてはおらずロマンスグレーで、結構値段が張りそうな良さげな時計をはめていたりする。街にいるちょっとした小金持ち。まあそんなイメージだ。

  だが実際に設計をする人々を多く見てきたが、もちろんそんな恰好ばかりしているわけではない。背広を着ている人もいれば、ジャージを着て仕事をしている人もいる。最近ではユニクロ系の服を着ている人もいるだろう。設計というお仕事は普通に戸建住宅を作ったところで儲けが出る職業ではない。やっと自分の日当がでるかな(下手すりゃ日当4000円を切ることもある。。)というぐらいしかお金が出ないので、それほど皆、服装にお金をかけるわけではない。僕らの仕事は、しっかりした服を着れる人が要求されるのではなく、良い建物を設計する人が要求されるお仕事であるので、服装はみなさん好き勝手着ている。まあ、設計の仕事環境とはその程度のモンだ。

  以前僕が京都で設計事務所に就職すべく面接に行った時の事、『うちの事務所は背広だよ』と言われたのでキャンセルを申し出たことがある。面接のときに見渡すとみなよれよれの背広を着てらっしゃる。設計業は拘束時間はバカみたいに長い。もちろん休日出勤は当たり前だと考えると、手取り10万以下で背広だと、アホらしくてやってらんない。まあ社長さんは外車でブイブイだったが。。

  僕はというと、どうせ我が事務所に来るのは業者さんだけだと腹をくくっているので、1280円で買った方位磁石つき時計(方位はとても重要!!)を手に装着し、Aコープで買ったチャンチャンコを着てお仕事をしている。チャンチャンコがあるとないとでは光熱費が違うからだ。チャンチャンコを着て仕事をできる職業につけて幸せだな。。とつくづく感じている。

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さすがにチャンチャンコでコンビニには行きません。
あしからず。

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