2013年6月19日水曜日

床の間で死んでいる。。


   現在、個人住宅の床の間を設計中だ。設計と言ってもまだ基本設計の段階。結構良いプランを出して施主さんには気に入って頂けたのだが、床の間の風水が悪かったらしく変更要請が入った。僕は家を作る際、たたき台的な間取りを作っては行かず、がっつりはまった図面を持っていく。適当なプランを持っていくのは好きでないからだ。だが、後に変更となると対応が難しい場合もある。あまりにもがっつりはまったプランだと、部屋が動かせない場合が多く、容易に間取りを変更できないからである。って事で一日中悩んでいるのだが、まだ納得したカタチにはなっていない。。どうやら考え方を変えるしかないと思って来ている。。最近は住宅で和室を作るのが少なくなってきた。和室を作ったとしても、大壁 (柱が見えないタイプの壁) で整える事が多い。そんな和室には床の間がない場合が多い。床の間は必要ないと言えばさして必要無いからである。だがそれではどうもさぼしい。

   一般に床の間の認識と言えば、畳から一段高い場所にあり、正月やお盆などの時に母親が鏡餅や生け花を飾り、厳かにしつらえた空間と言ったところだろうか。そこには大抵は掛け軸がぶら下がり、どことなく華やぐ。和室という空間は床の間があると無いとではその輝きが違うものではある。それはこの空間が日本人にとってハレの空間である事とも関係する。


   床の間の起源は、鎌倉時代末期だったか。。に登場した書院造りに取り入れられた 『主君の座』 である。時代劇などで殿様が座っている場所だ。一段高くなっていて、殿様などはそこで下々の人間と話す事により、権威を表す場でもあった。そもそもトコという日本語は『永久(とこしえ)』などに使われるように永遠という意味を持つ。床の間をしっかり作るのも、その家の繁栄を願うという考えもあるようである。


   意外と知られてはいないのだが床の間の脇には窓を設置しているところが多い。その光取り窓には障子などがついており、ぼんやりとした光を取り入れている物もある。これは床の間を間接照明のように照らすためである。ハレの空間である床の間を浮き立たせるため先達が考えた工夫だ。実によく考えていると思わないだろうか?まあ、興味がない人には分らないだろうが。。


   って事で床の間についてもの凄く悩んで頭が一日中停止している。今回作る和室は大壁で一般的な和室ではなく、また4.5帖という小さな小さな和室だ。であるが単に畳を置けば和室にはならないだろう。やはり雰囲気もとても重要だからだ。って事でごっつい悩んでいる。。玄関も含めてたったの15㎡なのだが、それをどうやったら素敵なカタチに出来るんだろうか。。


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