2013年7月9日火曜日

文房具を駆使して書いてます

   大人になるほど鉛筆は使わなくなるもんだ。幼い頃は、鉛筆で字を書かないと綺麗な字は書けませんと叱られた僕らの世代は、もちろん宿題で出る漢字ドリルを一生懸命、HBの鉛筆を使いもの凄い筆圧で書いたものだ。だが結果は、めちゃくちゃ字が下手な大人になってしまった。その鉛筆で書かねば字が下手になるのには根拠があるんだろうか。。最近そんな事ふと思った。。文科省に騙されているだけではないかと。。というより何となく大人は言っていたのではないかと。。

   僕は設計のお仕事を始めるまでは、筆箱には鉛筆を入れるような人間ではなかった。鉛筆はどことなく子供の文房具という固定観念があり、持つことにためらいがあったからだ。またそれは、小学生の頃シャープペンシルを持っているだけで、先生に叱られているクラスメートを見たせいでもある。そして中学生になり、カチカチと押すとシンが出るシャーペンを初めて使った時のダンディー感。これが大人なんだという感覚が忘れることが出来なかったからかもしれない。だが設計の世界に入って改めて鉛筆の良さに気づた。そして今では腰にぶら下げたペンケースには必ず数本の鉛筆を持ち歩いている。

   今ではだいぶ設計の世界にもパソコンが入ってきたが、いまだにプランニングはパソコンではやらない設計士が多いと思う。その方が早いからだ。実は僕が設計の世界に入った10年前ぐらいまでは図面は手書きという方々が結構いた。そのため設計士はいろんな文具を買いそろえねば仕事にならなかった。例えば字消し版。これはポイントだけを消すためにできた穴が空いているステンの板である。そんなもの使うのは設計屋ぐらいしかいない。またよく使うのがホルダー芯の鉛筆。鉛筆だと少し書いたら鉛筆削りで削るのだが、ホルダー芯の場合はそれ程芯が丸くなっても気にならないから不思議だ。それにどことなく味がでる絵や字が書ける。僕が所属していた京都の設計事務所の社長さんは典型的な芸術家肌の方で、いかなるコンペでも手書きの図面を持っていくタイプである。その方が風合いが出るからだという。。単にパソコンが出来ないからとは大きな声で言ってはならない。だがその青焼きで出来上がった図面には確かに迫力があった。

   最近、宮崎県の木城町にあるとある喫茶店の図面を見せてもらう機会があった。僕はこの喫茶店が僕が住む地域では一等賞の建物だと思ったので、無理を言って見せてもらったのだが、これが立派な青焼きの図面。大工さんが書いたらしいのだが、すごく立派。いつかはこんな図面をかける人間になりたいと本当に思った。

   設計の世界は、まず最初にお客さんにラフなプランを提出し、納得してもらった上で実際の詳細な図面を書き出すのが一般的な流れである。そのためには良いプランを提出する必要もあるが、それをいかに表現するかも重要な要素である。最近は3DCADが当たり前の時代にはなったのだが、やはり最初は鉛筆書きで図面を書く。絵や字が上手な人は結構そのまま持っていくのだが、どうも絵も字も達筆すぎてよくわからん僕の手書きでは納得してもらうことが少ない。よってパソコンで図面を書いて出している。

   だが、お客さんに頼まれた机を鉛筆書きで設計してる。さすがに3DのCADで書くのは難しいからだ。というのも3Dだとその部品がなかったら、そこに表現さえするのがとても時間がかかるからである。なので鉛筆書きで挑戦しているのだが、やはりどうも苦手だ。色々考えているのだが、自分でもワケの分らない領域に達してきている。。よって紙は真っ黒で、ふとトイレに行って帰って来たらすでに書いたプランは読めなかった。。

   まあ、何とか良い物を作ります。。

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