2013年7月14日日曜日

新築を作るのが難しくなる時代

こんな町は住みたくないな。。
   最近、僕が住む宮崎ではやたらとソーラー発電のテレビコマーシャルをやっている。『たみやん♪たみやん♪ぱぱやん♪たみやん♪(そんな感じに聞こえる。。意味はしらない。。)』とよく夕暮れ時に流れてくる。テレビコマーシャルを出せるくらいだから、そんなに儲かっているんだろうかと思ったりしていた。今設計している建物には、助成金をひねり出すために太陽光発電を設けようと思っているのだが、やはり高い。その助成金は最大『165万円』の助成金がでるのだが、決まり事として必ず、人間が出すエネルギーをゼロ以下にしなくてはならない。そのためには断熱材の厚みを増やし、サッシを全てペアガラスにして、なおかつ太陽光発電の取り付けは必要となる。だがざっくりと計算してみたのだが、僕が設計しているお家だと、どうも250万ぐらいは最低かかりそうだ。。まあ満額出るとは思っていなかったが。。断熱材が高すぎるのである。

   聞くところによると、2020年以降は全ての新築にゼロエネルギー化が義務づけられるそうだ。地球温暖化の上昇を防ぐためである。本当は国は今年の4月から義務づけるつもりであったらしいのだが、小さな工務店さんらから苦情が出たようで、2020年からという事になったようだ。そりゃそうだろう。いきなり家の総工事金額が規模にもよるが、250万円ほど高くなるわけだ。宮崎のような平均年収が200万ちょいのような場所にある工務店さんらは仕事がぐぐっとなくなる。そりゃ、ちょっと待ってよと言いたくもなる。

   2009年、時の首相である鳩山由紀夫は2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年ベースで25%削減すると国際公約してしまった。これに伴い、政府は原子力発電比率を50%以上とする基本政策を立案した。だが東日本大震災後の福島第一原発事故のあと、政府は2030年代までに原発をゼロにするという方針へ切り替えた。僕の足りない頭ではこれは明らかな矛盾する方針であるが、民主党政権では誰もこれを是正しようとはしなかった。まあ、論理的に考えると、政策が破綻指定してまうのが明らかだからだろう。だがさすがにいつまでも嘘はつけないようで、安倍首相は25%削減目標をゼロベースで見直すと約束した。そりゃそうなるはずだ。。そもそもゼロエネルギー自体に無理がある。。

   だがそのしわ寄せが、2020年のゼロエネルギーだと言えると思う。もちろん温室効果ガスを少なくするために、電力の消費を抑えたほうが良いとは思う。だがそれにより、結果太陽光発電ばかり取り付けるってものどうかと思う。僕の美的感覚から言えば太陽光発電は良いとは言えない。どうも僕だけぶ~ぶ~言っているのかと思っていたら、同じ設計業を営む方々や町の景観に対して意識の高い方々も同じく太陽光発電ににはぶ~ぶ~言っている人々が多い。日本人がこれまで培ってきた町並みの美しさを根本から変えてしまうものだからである。それにどうも電力買い取り制度というもの自体が破綻しかねないようだ。

   以前、ふとニュースを見ていたらドイツ人らがデモ行進をしていた。ドイツは言わずと知れた環境先進国と思われている国である(個人の電力消費量は日本よりも高いらしい。。)もちろん電力の買い取り制度が進んでいる。だがあまりにも手厚い電力買い取り制度のため、国民がワンサカと電力を作り出したため、電力会社がお手上げとなり、国は電力会社へ税金投入を強いられているそうで、世紀の悪政だとデモ参加者らが言っていた。日本も現在電力買い取りの金額引き下げを検討しているそうだ。そりゃそうだろう。電気会社は強制的に買わなくてはならないってのには無理があるからだ。

   2020年に向けてちゃくちゃくとゼロエネルギーが進んでいる。だがそのため貧乏人は新築をするのがますます難しくなる気がしている。

   クーラーのない熱帯夜の僕の部屋で、『たみやん♪たみやん♪』と流れるCMを聞きながらそんな事を思った。ああ。。熱い。。

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