2013年7月19日金曜日

選挙という憂鬱

   選挙戦も後半戦に入って、候補者さんも必死だ。僕は大学では政治学を専攻していた。よって政治には興味はあるし、それなりの知識も持っているつもりである。だが毎度日本の 『選挙』 という物を見る度に、悲しくなる思いがする。いったい選挙カーに乗って彼らがどのような事を訴えたいのかよく分らないからである。名前を連呼しながら走る彼らに向かって毎度の事ながら、ぼ~としてしまう。

   昨日、ふと宮崎県は木城町を車で走っていたら、山田雅彦元農林水産副大臣さんが街頭演説をされていた。このお方は、3年前に宮崎で起こった口蹄疫の際に宮崎県で現地本部長をされていた方だ。よって宮崎では口蹄疫の際には毎日のようにニュースに出てらっしゃった。当時は民主党にいらしたみたいだが、現在では緑の風に席を置き比例で立候補されているようではある。別に山田元農林水産副大臣を非難するつもりはないが、その演説を立ち止まって聴いている人は一人もいなかった。みな日常が忙しいのである。困った事に僕の車が信号で止まり、山田議員の前に止まってしまった。。横でマイクで喋っているので実に気まずい。。僕は以前からこの日本の選挙のあり方に疑問を感じている。もちろん演説自体は民主主義には必要なものだとは分っているつもりだが。。

   以前、僕が京都に住んでいる時に京都市議会選挙があった。京都は言わずと知れた共産党がブイブイ言わせていた町だ。今は勢いがだいぶ落ちたと言えども、僕が京都に住みだした頃には、京都市の真ん中にある共産党のビルには 『打倒・天皇制 !!』 というでっかい垂れ幕がぶら下がっていて、そんな事を考えた事も無い僕は、初めて見た時はとても驚いたものである。ある朝、僕と同僚のインテリアコーディネートの女性が徹夜で設計事務所で仕事をしていた時、 『朝から大変ご迷惑をおかけします』 と拡声器から流れるだみ声が聞こえてきた。迷惑をおかけしますと思うのなら、朝からやらんでも良いだろうと思うんだがその20代の共産党の立候補さんはとうとう持論を喋りなはる。こまった事に、僕の設計事務所の下から動かずず~と喋っているのでとても仕事の邪魔でなのである。それも30分近く同じ場所で 『我が共産党は !!』 と拡声器でやっているわけで、迷惑きわまりない。あまりにも迷惑なので、ひょっとして保守系の方が共産党への嫌がらせでやっているんかと思ったほどだ。だが我慢にも限界があるのである。窓を開けてやさしく注意した。『迷惑なんで立候補すな~ !!』

   アメリカに住んでいる頃、もちろん選挙はあった。だが彼の国の選挙はもっとスマートであるが日本よりもお祭り騒ぎである。選挙カーはまずありえないし、街灯演説は見た事が無い。選挙期間中は日本と違い政治家のポスターなどはなく、町中にオバマでいうところの 『Yes, we can !!』 的なプラスチックでできた小さな看板を家々の庭に刺しているくらいで、さほど日常とは変わらない。だがスーパーなどに行くと、支援者さんらがブースを作り、こういう政策をしたいんから賛成してくれと言って来たりする。そのブースには風船がくくりつけられ、どことなくお祭り気分だ。町のカフェでの話題は政治の話が自然多くなる。

   だれもいないところでの街頭演説や自分の名前を連呼している立候補者を見る度に、日本の政治家が哀れに思ってしまうのは僕だけなんだろうか。。知り合いのアメリカ人が言っていた。『日本に長く住みすぎたと感じるのは、選挙期間だからうるさいのはしょうがないよな~と気づいた時だね you know~』 まあそうだろう。僕が思うに政治家とは一番尊敬されなければならない職業である。日本に住む人々の生命と財産、そして運命までも一手に握っているからだ。なのでポツンと立ちマイクを握っている山田元農林水産大臣を見て哀れに思った。気づいていないふりをするのではなく、手ぐらいはふってあげとけば良かったと、今更ながら悪いことをしたと悔やんでいる。支持者ではないんだが。。第一、どんな考えを持っているのかよく分らないし。。

ブログランキング・にほんブログ村へ
押して下さいね。
熱い中、ご苦労さんです。。
とは思ってます。。

0 件のコメント:

コメントを投稿

フォロワー

 
;