2013年6月7日金曜日

収納はどれほど必要か?

   個人住宅の設計を仕事として始めて感じていることがある。家とは男の所有物ではなく女のものということだ。男を中心に家を作ると大抵はうまくいかないことが多い。どうも男は大人になっても男の子なので、必要なモノは後回しにして余計なモノを作りたがる。だが女性は生活の芯のようなものがあるらしく、設計担の相手が女性の場合、良い家を模索してくれるよいパートナーとなる事が多い。職業柄、いろんな図面を見てきた。大工さんが作ったものや家主さん自ら作ったもの、はたまた設計の資格を持ったハウスメーカーの営業さんが作ったもの、そして設計屋さんや建築デザイナー (自称) さんが作ったもの。さまざまな図面がある。そんな図面を見ていて、 『あっ、収納がない。。』 とびびってしまう事がある。その図面は、大抵は男の家主さんの声が奥さんより強い場合が多い。

   日本人ほど物持ちの良い人々もいないと思う。世界中の人々はそれ程モノ自体を持っていない。日本と違い、モノ自体の値段が安いのですぐに飽きたら捨てる文化であるという事もあるだろうが、その他の要因もあるだろう。日本人は本当に物を大切に使うし物を良く買う。見栄を張るため、玄関の横には熊の彫り物を置き、絵を飾り花を生ける。また最近では湯気がポンポン出るような 『消臭力』 的な物は当たり前。本当に物が多い。また日本はお土産をあげる文化があるし、縁起を担ぐために 『こけし』 や 『だるま』 がおいてある家もある (損害保険の鑑定人で東北に行った時、”こけし”がいっぱいあってびびった。。) また海外と大きく違うのは、日本人は掃除も大好きなので、掃除機に箒(ほうき)、モップ (大きいのと小さいの) にお風呂のお掃除セットにバケツや雑巾などやたらと物が多い。

   それらを片付ける、また物を片付けるために存在するのが収納である。これが小さいと家が散らかってしょうが無い。では、どのほどの収納の面積が必要だろうか ? 以前僕が有名な建築史家が教えてくれたのだが、日本の家のは昔から、家の坪面積に対して 20 % の収納スペースは設けた方が良いといわれている。これはウォークインクローゼットや物入れ、そしてタンスの面積も含めてである。それぐらいないと、日本の物の多さには対応できないという。いわゆる昔からの知恵というものである。それがどれくらい現代に応用できるかは僕もはっきりしないが。。

   だが単純にその20%の壁をクリアーすればよいのかと言えば、そうとも言えないだろうと思う。納戸だってその中の棚の配置によって、使いようが全く違う。以前僕が見た。。というか昨日にも書いた展示会場のお家は納戸はあるのだが、棚も全く無かった。その展示会場には大壁の和室が6畳ほどあったという事は、きっと親戚はお泊まりするのだと思うが、どこにその布団を入れるんだと思った。。まあ人をお泊まりさせる必要はないのだろう。こんなお家が結構ある。

   明日に家主さんに提出するたたき台の図面には大きな納戸を用意している。それも使いやすいような場所に、使いやすいような棚を設定している。納戸と言えどもしっかりと明かり取りの窓を設けているし、風通しだってちゃんと良い。自分で自分を褒めるのも”素敵” :D だと思うが、どえらいかっけ~納戸ができてもうた。詳細を本当は書きたいのだが、家主さんがこのブログを読んでいたら、ネタバレになってしまうので、また今度書くことにする。

   当たり前だが、物をしまうスペースは重要である。設計屋目線で見れば、もう少し考えてやってやった方がよいという収納を良くみる。図面上ただ四角を作れば、ハイ収納っていう物はちょっと頂けない気がしている。

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さあ、今から徹夜でもう1軒作ります。。
朝の8時からず~と仕事している。。

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