2013年5月6日月曜日

七面鳥と、猪に狸に鹿

   今日は、祝ゴールデンウィーク最終日だ。周りが休みの中、僕だけ仕事をしているとどうも祝いたくなってしまう。なんでゴールデンウィークに朝4時まで仕事しているのかといえば、先日も書いたお見積もり作成のため、また某紳士服工場の図面作成のためである。実に憂鬱なゴールデンウィークであった。両親らは息子がお家で仕事なのを良いことに、婆さんの世話を僕に押しつけ佐賀に有田焼を買いに旅行に出かけるし、空気を読まない友人は酔っ払って電話してくる。実に楽しくない。だが仕事も一段落した今日の夕暮れ、母親に親戚のお家に買ってきた土産の配達を頼まれた。どうやら茶碗らしい。親戚の家まで約10キロの道のり。車で行くのは簡単だが、せっかくの世の中は皆が浮かれるゴールデンウィークである。自転車で行くに決まっているじゃないか ! とサドルにキュートなヒップを乗せ家を飛び出した。

   僕が住む町は宮崎のど田舎にある。トラクターが我が物顔で走り、車の運転速度は前方を走る原付ばあちゃんと同じスピードとせねばならないという暗黙のルールがある。そんな町には幅員 4m ほどの道路があちらこちらにある。そんな田んぼ道を都会派のナウイ僕は、今様のスポーツ自転車でブイブイ転がしていたら前方に何かうごめいている。よ~く見たら七面鳥じゃないか。。いくら田舎だとはいえ七面鳥などを拝む機会などはまずない。。それも10羽ほどいやがる。。その七面鳥が幅員 4m の道路を通せんぼしてやがるんだ。。それも人間慣れしているのか僕を避けたり逃げたりなどはしない。七面鳥の分際で肝がスワってやがる。。ここがアメリカならば手持ちのサイレンサー付きP-229で仕留めて家に持ち帰り、レバーとアボガドとニンニクでディップを作り、蒸した七面鳥でフレンチなパーティーするんだが。。 『悪さをするには他の町内で ♡ 』 という昔からの掟ぐらいはもちろん僕だって知っている。まあ、こいつらもサンクスギビング (感謝祭) までの命よ :D と哀れに思い、動物愛護精神旺盛な僕は、七面鳥に蹴り入れて何とかその場所を後にし、親戚の家へたどり着いた。

   親戚のお家は鉄砲うちをやる。農協に勤めながら山に猟に行かれる。なのでおじさんが 『これもって行け~』 とシシ肉をくださった。シシ肉は都会の方々は苦手な人もいるかもしれないが、田舎育ちの僕には超美味。大根やにんじん、こんにゃくにゴボウなどの野菜を入れ、濃い味噌で味付けしたシシ鍋 (ぼたん鍋の事) などは、本当に田舎に生まれて良かったと思える一品だ。また狸肉の塩漬けを頂いた。狸の肉は普通には食えない。臭いからだ。また量もそれほどあるわけではない。これは食用ではなく、薬になると僕の田舎では昔から信じられている。何の薬になるかと言えば、蕁麻疹(じんましん)だ。か弱い僕は幼い頃によく蕁麻疹になった。そんな時には、婆さんが冷蔵庫から狸の肉 (きっと道路で死んでたやつ。。) の塩漬けを1㎝ぐらい持ってきて食わされていた。だがどんな塩を使っているのかは知らんが、凄~く塩漬け。。とても辛くて辛くて蕁麻疹のかゆみなどすぐに引いていく。。と言うよりかゆみを忘れる。。ありがたく山の幸を頂いたのだが、気が付けば既に18時過ぎ。今日の日の入りは 18:58 だ。なので家路を急いだ。暗いと恐い恐いからだ。

   びんびん自転車をこいで帰っていると、なにやら前方に妙なもんが動いている。。頭は鹿でが2足歩行。。でよったなモノノケ ! 身構えたら近所のオヤジだった。背中に鹿を背負っている。。いくらここが宮崎の田舎だからって鹿を背負っている人などはまずは見ない。どうしたの ? と聞くと取れたのよ。。鹿が。。う~んこの時期。。鹿猟はできるんかな。。などとちょっと思ったのだが、 『肉もってけ ! 』 と言われたので狩猟の時期などのややこしい事は考えないことにした。何度かはやったことがある解体を手伝い、これでもか ! というほどの鹿肉を頂いた。鹿肉は臭いがきついため昔はあまり食べなかったと聞く。だが現在はその鹿肉を薄く (ほんとに薄く) スライスして、生姜醤油で刺身としていただくとこれが美味。特にビールなどのさかなにはちょうど良い。

   って事で現在酔っ払いとなっている。お仕事せなイカンのだが、目の前には鹿肉がならんだら酔っ払うしかない。母親が明日のためにシシ肉を煮込んでいる。実にご機嫌である。

   う~ん茶碗一個でなんか得したゴールデンウィーク最終日だった。

ブログランキング・にほんブログ村へ
良かったら、押して下さい。
明日から仕事、がんばりましょ~

0 件のコメント:

コメントを投稿

フォロワー

 
;