2014年2月3日月曜日

棚田を守るという事

  先週は福岡出張のためブログが書けませんでした。毎日読んでくださる方には、申し訳ないとは思ったのですが、福岡でのお仕事が気が付けば博多の中州での打ち合わせとなり、長いお休みをいただきました。ごめんなさい。ということで、今日から頑張って書いていくつもりです。

  昨日、『シシ肉(猪の肉の事)をやるから家の改修を手伝いに来い』というめちゃくちゃな電話があり、宮崎県は日之影町の親戚の家に行った。僕の母型の両親が日之影町出身であるので、僕の血の50%は日之影産である。日之影町とは、宮崎県の県北にあり、名前の通り山にへばりつくように民家が並ぶ。絵にかいたような山村だ。

  車で親戚のオヤジと走っていたら、棚田が見えてきた。この日之影町の棚田は、『日本の棚田百選』にも選ばれた、とても美しい棚田だ。『棚田がきれいだね』と親戚のオヤジに言うと、『確かにきれいだけど、あと何年、持つかねぇ~』とぼやかれた。親戚のオヤジが言うには、後継者がほとんどいないのだそうだ。確かに会う人会う人年配の方ばかり。若いモンなどほとんど見ない。う~ん、棚田がこのままでは無くなってしまうかもしれないと思うと、ちょっとさびしい気がした。

  よく、棚田は日本の原風景と言われる。調べてみると、日本の水田約250ヘクタールのうち8%の22ヘクタールが棚田であり、その22ヘクタールの内の40%以上が耕作放棄地となっているとのことだ。理由は、米消費の減少による減反政策や、農家の高齢化などである。単純に生産効率だけを重視すれば、棚田ほど経済的でないものはなく、しかたないとは言え、何とかならんものかと思ってしまう。

  もちろん僕だけがそんな事を考えているわけではなく、行政やNPOなどが動いているようだ。たとえば棚田の魅力を生かして観光地化しようとしている町があったり、棚田を応援したい都会の方々と人手が足りない棚田持ちの出会いをマッチングする団体や、オーナー制度などをやっているところもあるようだ。素晴らしいことだとは思う。だが観光で来る方々や、都会からお手伝いに来られる方々が畔(アゼ)に勝手に入ることを農家さんは嫌う。畔はもちろん土や石垣でできているわけで、結構もろい。それが壊れないよう農家はメンテナンスを必ずするわけであり、そこを勝手に歩かれたら、農家さんもいい気はしないだろう。また、車などを道路の真ん中に駐車する迷惑な観光客もいるそうだ。マナーを守り、観光被害だけは防がねばならないだろう。

  思うのだが、どんな形で棚田を守っていくにせよ、その運動は棚田持ちの農家さんが金持ちになる方法を模索するべきなのだと思う。それはお金が入るカタチでなけば、跡継ぎ問題も解消しないだろうし、それに棚田自体、維持管理には大変な労力とお金が必要だと思うからだ。また棚田でできたお米は普通のお米よりもおいしいと言われる。その理由は山手にあるので栄養分が豊富な水を使用できるのだからだそうだ。これらが安い値段では申し訳ない気がする。やはり農家は儲からなくてはならない。

  僕は設計が生業ではあるが、いずれは棚田を守るような活動もしていきたいとは思っている。なので、今からどのようにして棚田持ちがお金儲けをできるのかを模索していきたいと思っている。もちろん、その活動に携わる僕らもしっかりと黒がでなければいけないとも思っている。そのためにも今の仕事をもう少し頑張らねばと、しみじみ感じた日之影町であった。

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