2014年2月14日金曜日

江戸の水路と赤さびと

  今日の午前中までに仕上げなくてはならない3Dの鳥瞰図作成作業がやっとこさ今終わった。この図面はとある不動産屋さんがその建売のために書いた。そのプラン図をGoogleさんのSketch-Upという簡易な3Dソフトで美しく、かつお客さんに気に入られるように家具などを考え描くのが僕の仕事だ。僕は設計屋なので稀にこのような仕事も来る。だが工務店さんや不動産屋さんが家を作る場合、その方々によって仕様が決まっている事や、敷地の形状がもらった図面と違いが多い事もあり、僕としては混乱することも多い。そんな混乱を防ぐため、一昨日、予定敷地に向かい業者さんと打ち合わせをしてきた。

  敷地に行くと、やはり少し図面とは違っていた。道路と敷地との境界には、もらった敷地図にはない水路があったのだ。幅は2mほどか。深さは50㎝ほどである。その水路は普通のコンクリート製の水路ではなく、どうやら江戸時代からあったような水路らしく、石垣で囲まれ水中には鯉がぷかぷかと泳いでいる。業者さんが言うには、ここは昔は武家屋敷が並んでいたんだそうだ。とは言われても、そのような武家屋敷的な家々が並んでいるわけではなく、普通の現代的な家しかない。そしてその水路には昭和の半ばに建てられたであろうガードレールが赤さびで囲まれていた。

  『この水路さえなければもっと敷地が取れたのにね~』と業者さんはぼやいた。『そうですかね。。』と僕は答えた。僕からすれば、この水路を生かした設計をすればよいだけであり、その方が建物の価値も上がると思うからだ。錆びたガードレールを撤去して水路に少し手入れをすれば美しい外観が出来上がる。そんなことを業者さんに言った。すると『ガードレール撤去したら車が落ちるかもしれないじゃん』と正論で返された。だが思うんだが、前面道路は6m以上あり、しかも直線だ。車が落ちる要素は限りなく少ない。『心配ならガードレールではなくて、ほかの美しいもので歩行者や車の落下を防げばいいんじゃない?』と言うと『正論だけど、まあ無理だね。町に銭が無いし。。』と返された。

  思うのだが、なぜ日本はこのように一生懸命街を汚くしてきたのであろうか。もちろん落下が危ないのはわかる。これが欧米だったら自己責任で終わりであろうが。。だが錆びるガードレールなどをわざわざ設置するのもどうかとは思う。最近ではさすがにこれではいけないと思ったのか、都会などの道路わきのデザインは以前より向上してきたように思う。だが田舎ではまだまだだ。大学には土木デザイン科などが最近はある。だがその土木デザインを活用されているかと言えば、う~ん。。と考え込んでしまうことがよくある。今月末に、とある街の都市住宅課の方々と酒を飲む機会があるので、チクチクと言ってやろうと思ったりした。ホントは勝手に撤去したいのだが。。

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さあ、業者さんへ行かねば。。

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