彼女が言うには部屋の壁面いっぱいの本棚を設置したいのだそうでカラーボックスを物色しているのだと言う。おいおい、カラーボックスで壁面を覆うにははチト壁が余るぞ。。仮にカラーボックスでやるにしても、コメリさんは選択ミスだ。コメリさんは農家さんの味方であって、おしゃれな若奥様用ではない。そんな事を彼女に言ったら、『そういえば、建築家さんだったよね!』と彼女は言った。。いやいや、そんなつもりでは。。と思ったが、『壁いっぱいに本棚を作るには大工さんが良いの?』と彼女は聞いてきたので、暇つぶしに壁面本棚を作る上での注意点を色々教えてあげた。実は僕は壁面本棚にはチト詳しい。ここ数年、壁面いっぱいの本棚の設計を依頼される事が多いからだ。
では壁面本棚をつくる上での注意点として、当たり前のようだが見落としがちなのに、その本棚のサイズ設定がある。何にも指示せず職人さんらに本棚を依頼したら、大抵はたて幅40㎝と奥行き30㎝のぐらいの本棚を作ってくると思う。これには理由がある。その本棚にはどのような本を置くかを決めずに依頼されたわけで、職人さんらは何となく大きめのサイズである雑誌A4変形サイズ(210㎜×297㎜)が入る箱を作るわけだ。だが雑誌を常に本棚へ飾る人も希であろう。人によっては文庫本や漫画を多く持っている人もいれば、僕のように建築系の雑誌をたくさん所有している人だっている。これらの本をどこに配置するか、またどのようにディスプレイするかという事を考えれば自ずと本棚のサイズは見えてくると思う。
また本の設置する場所にも注意が必要だと思う。日本ではあまり言わないようだが、本とはその人の知識の源であり、どんな本を読んできたかでその人の脳みその中身がよくわかる。言わば究極の個人情報であったりする。よって壁面本棚を作って気づくのが、意外とあまり本を人目にさらしたくかったという後悔だ。見せたくない本などを他人が入ってくる場所に設置するのはやはり違うと思う。
また逆に他人に見せたい本もあると思う。そんな本はやはり強調するように配置したら良い。具体的に言えば、床から130㎝~150㎝ぐらいにその本を置くようにすると良いと僕は思っている。これは日本人の目線はまず130㎝ぐらいに行くからだ。実際にコンビニなどに行くと分ると思うが、売れ筋のポテトチップスなどは床高130㎝ぐらいに置いてあるはずだ。その高さの本を縦に置くのではなく表紙が見えるように横に置くなど、目立つように置けば面白い。
その他にもとても重要なポイントとして、本の劣化をいかに防ぐかということもあると思う。本棚を作ると言う事は、多分その本は一生捨てないで置いておこうと思うからであろう。だがその本に直射日光ががっつりあたる所に設置すればその本の表紙は劣化する。もちろん今のサッシは優秀なので赤外線の侵入を防ぐ物もあるにはあるが、やはり直射日光はせけた方がよいだろう。また石油ストーブの上にやかんをおくような部屋に本を常時置くような本棚はまずいだろう。本はもちろん水分を吸収するわけで、やはり風通しの良い場所に置いた方が良いと思う。
思うのだが、本棚ほど単純な家具もないのだが、本棚ほど欲しくなるデザインのものがホームセンターや家具屋などで売っていないのはなぜだろう。必要以上に奥行きがあるし、材質はペラペラ。高い物になると必要の無いガラス扉などがついているの。だが、そのくせに裏板の強度はほぼ無くベニア感が酷い。それにデザインと言っても、よく分らないおじいちゃん好みのデザインであったり、悪趣味のものばかり。。やはり本棚は大工か職人に作ってもらった方がしっくり来るはずだ。もちろん自分でデザインや設計し、ホームセンターで材料を買ってくるのも悪くはない。そんな時はホームセンターのカッティングサービスを使えば大抵はうまくいくと思う。
それでも心配な時は、僕に設計の依頼をすれば良い。
安くで設計してア・ゲ・ル♡
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