2013年12月11日水曜日

外壁の色選びに迷っている人々へ

最近薪ストーブくべまくり。。
  昼過ぎの事、車で我が町のブロードウェイである国道10号線を走っていた。宮崎にある数少ない国道であるこの道は、実に景観を無視した建物が多い。以前からこの道を僕は毛嫌いしているのだが、他の道には、ねずみ取りのお巡りさまがレーダーを使い張ってらっしゃるので、しょうがなくこの道を使用している。ふと10号線の脇を見たら、残念な建物がまた出来ていた。誰が作ったのかは知らないが、実にミッフィーもびっくりの原色の建物である。屋根は真っ赤であり、建物は黄色に庇は緑である。まったく家主と設計した人の顔を見てみたいもんである。

  設計の仕事をしていると分るのだが、家造りにおいて最後まで家主を悩ませるのが外壁の色だ。外壁には色々ある。サイディング(ボードの事)やモルタル系やタイル系などあり、またその性能も違えば色合いも様々だ。工務店にいる頃などは、お客さんに選んでもらっていた。というのもお客さんが選ぶわけで、『思っていた色と違う』などのクレームが後々つかないからだ。それにその方が早い。だがそれでも迷うらしく、大抵は『どれが良いと思います?』とアドバイスを求められる。そんな時は僕はほとんど迷わない。『コレじゃないですかね?』とすぐに答えを出す。多くの一般の方々にとって外壁の色はデザインだと思いがちだが、僕からみれば大したデザイン的な要素ではない。外壁の色で迷われている方のために、設計を生業にしているものとして少しだけアドバイスをしようと思う。

  僕は個別の外壁が目立つ事は、地域の景観バランスを壊す事に繋がると考えている。であるので周辺の建物群に調和する事が何よりも重要であり、それが配慮というものであろうと思う。また外壁はその家の家主が見るものだけではなく、他人からの目線も重要となる。他人がその家に訪問した際に一番最初に目に入るのはその家の外壁の色である。よって、『この色が好きだから』という理由だけは選ばない方が良いだろうと思う。

  まずは僕はビューポイントを作るようにしている。ビューポイントは視点のことだ。例えばその家が道路に隣接しており、そしてその道を多くの通行人がいる場合は、そこをビューポイントに決める。そして隣家やその周辺の家の色を見回し、その色相(色味のこと)を見る。まずはここから始める。ベースカラーを見極めるためである。そしてここからが重要なのだが、その建物の背景をじっくりと見る。これは明度(色の明るさ)を決めるためだ。

  明度が分らない方のために書くとすれば、明度とは目を細めてみた時に白く浮き出てきた色ほど明度は高く、目立たない色ほど明度は低い。であるので、景観に配慮しながら良い外壁を選ぶ方法として、その建物の背景が、たとえば空のや海であれば明度の高い色を、またその背景が山や緑などであれば明度の低い色を選べば大抵はシックリくると思う。

  外壁の色はとても重要な建築的な要素だ。ご近所やその街、そして景観に大きく影響を与える外壁の色は、配慮第一で決定した方が良い。今日国道10号線で僕が発見したようなゴキブリホイホイのような家の近所に僕は住みたいかと言えば、住みたくない。多分僕だけではなく、多くの人々もその建物の隣に家は作りたくは無いだろう。という事は、実質的に地価も下げるわけであり、そのような自己中心的な色合いは迷惑な行為だと思う。という事で、じっくり考えながら外壁の色は選びましょう。

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