2013年11月13日水曜日

役所の適正規模

   当たり前であるが、日本のお城は大きい。もちろんこれは戦国時代に戦闘の拠点として使われるため、又は、大勢の人数を城に入れるためではあるのだが、もちろんそれだけが理由で大きいわけではない。今残っている城は江戸期を生き抜いた城であり、その多くは各藩の政庁として、またその権威としての役割を果たしていた。日本の田舎を車でドライブすると、田舎の役所ほど目立つ建物はない。僕が住む宮崎の市町村ではなかなかこの傾向が良く見てとれる。市以外の町村で大きい建物と言えば、役所か県の出張所、または農協であったりする。これはやはり、役所を作った時に、政庁である建物は大きく象徴的ではないといけないという考えがあったからだろうと思う。また日本の中での役所仕事の占める割合はとても大きい。これも理由ではある。


   僕は以前アメリカに住んでいたのだが、彼の国の役所はとても小さい。僕は7年ほどアメリカに暮らしていたが、1度だけしか役所には寄っていない。それも人の付き合いで寄っただけであり、積極的に行く理由は僕にはなかった。その役所は日本のそれとは大きく違い、『へっ!これが役所かいな。。』と言えるほどの大きさだ。旗がなければ役所とは気づかないくらいの規模である。僕が行ったのは人口5万の町の役所であった。だがその大きさは日本で言えば小学校の職員室数個分ぐらいの大きさであり、決して大きくはない。またもちろん設備も日本ほど立派ではなく、これって入口どこね。。って程度である。用事は全く無かったのだが、とりあえず初物という事もあり中に入った。

その内部決して明るくはなく、地味なソファがポツリと置いてある。そこで来客者は待たされているといった感じである。もちろん日本のような行き届いたサービスはありはしない。なので『何かご用でしょうか?』などと聞いてくる人などはいない。職員さんらの仕事場はパテ-ションで仕切られてはいるが、アメリカの民間企業ほどのスペースはなく、とても地味だ。まあ税金で作っているのだからしょうがない。

   今日の昼どき、ちょっとした用事があり、地元の役所に寄ってきた。僕の仕事は役所に行く機会が多いので役所には知り合いが多い。ぶらぶら役所をひやかしていると、知り合いの役所で事務をやっている女性が『仕事サボって何しているんですか?』と仕事サボってるくせに話しかけてきた。『仕事せい!』というと『動いてないと寒いんだもん!』と彼女は言った。

   確かに寒い。。東西に長いこの役所は、通路が真ん中にあり、光が入るのは南側の窓際にある部長さんの席だけ。偉くないモンは日陰でお仕事をせないかん。またそのRCの規模が大きいため北側の部署は年がら年中寒い。だれが設計したかはよく知らないが、明らかに造りとして間違えている。またこのモダニズム全盛期に建てられたこの役所にはどう考えたって断熱材など入っているワケはなく、寒々しい。。

   またなぜだか知らないが、どうもこの役所の人数に対する床面積が大きすぎる。設計士の資格試験に必ず出てくる問題の一つに、一人あたりの必要オフィス床面積というものがある。これは人間が事務作業を行うのに最低どれくらいあれば良いかというものだ。別に役所だからといってこの最低の床面積である必要はないのだが、ここのは『外資系の役所か?』ってぐらい無駄に広い。。僕がアメリカでお仕事していた時は個室を貰っていたが、その勤めていた仕事場の僕のスペースよりも大きいので、これで怒られのかと無駄に心配してしまった。。また役所は省エネがうるさいので、もちろんこの役所かて暖房などは効いていない。そりゃ姉ちゃんも寒いはずだ。。

   大きな町のはいざしらず、小さな町の役所などはそれ程大きくする必要はない気がする。床面積から言えば、地元企業の事務所のそれよりも役所の方が大きいのは税金の使い道としてどうだろう。別に昔の城と違い、役所が権威を持つ必要はないのであるから、アメリカのように小さくても問題はないわけだし。。それに建物が大きすぎるので寒いってのもどうかとは思う。。

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 にしても今日は寒い。。

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