2016年1月8日金曜日

スモールハウスの営業さんが来た。。


 昨年あたりからか、スモールハウスやタイニーハウスと呼ばれているものが、注目を浴びている。東京だったか、スモールハウスという名前ではなかったが、そんな建物ばかりを集めた展示会もあり、多くの有名無名を問わず、建築家様がたの作品が大盛況だったりする。僕にも相変わらずスモールハウスの依頼は来る。僕は設計屋なので、設計料金で生活している。なので、設計料金さえもらえれば、都道府県を問わず、どこでも作る用意はあるが、どうも家自体が小さいため設計料金が高く見えてしまい、何度か流れた。だが設計する立場の人間からすれば、設計(基本設計+詳細設計)のみ、または、設計監理まで入れ、現地で職人さんらに相見積もりをかけ。。などとやって4か月程度はかかるわけで、それなりに料金をもらわねば食えないのだからしょうがない。だが、最近は色んなメーカーさんが名前は異なるが、いわゆるスモールハウスを作ってきているようで、なんか僕もワクワクしだしている。

 昨年末だったか、わが小さな事務所に営業さんが訪れた。『弊社ではこんなもの作ってまして、大変好評なんです』と彼はチラシを片手に持ってらっしゃる。みると明らかにスモールハウス。おお~スモールハウスを営業にかける時代になったかと思った。『んで、どこから来やったとですか?』と聞けば、『大分です!』と言われた。えっ!大分!僕の家は宮崎県の中央部にあり、決して大分からはお世辞にも近いとは言えない。その営業さんが言うには、バカ売れなのだそうだ。なので、大分だけでなく宮崎でも営業所をと考えているらしい。おいおい、僕のお膝元で。。とは一瞬は思った。だが、まあ良い。そしてそのチラシには、おしゃれでカフェスタイルな、フォトショップ系の4坪の家が、333万円とあった。まあ、悪くはない値段だ。なんでも隠居部屋にちょうどいいと思う方々が多いらしく、大分ではよく出ているらしい。あ~そうなんだと思いながら、設計屋の僕としては、設計料金が気になる。なので聞いてみると、それはサービスです。と言われた。まあ、工務店さんが作っているので、名目設計料は無料だろう。だがチラシには10セットのみの販売ですと小さく書いてあった。あっつ、セット販売ね。


 スモールハウスを10組限定などのセット販売にしているというのは、それはそれなりの理由がある。やはり理由は設計料金が大きいだろう。ある程度デザインをプラスして販売するとなれば、それなりに設計事務所やその他コーディネーターの力が必要だ。だが、その金額を一つの建物に乗せ、家主に請求するってのは工務店さんは嫌う。名目設計料は無料だからだ。なので一つのデザインだけ依頼して、それを10個ぐらいのセット販売にし、設計料金等は10分の1に圧縮。。って事になったのかもしれない。まあ、実に商売上手な人もいるもんだと感心した半面、まあ、ワクワクするような感じの建物ではない気がした。まあ、ワクワクするよな建物ってのは建売では売れ残るそうなんだが。。

 だが思ったのがその建物がアンバランスであるという事だ。スモールハウスというのはやはり、床面積が小さいわけで、普通の大きさの家の寸法を採用したら縦に長く、横ちっさ!って感じの家に必ずなる。なので、僕ら設計屋は模型を作り、3Dを立ち上げて、それらのボリュームをまわりの建物と見比べながら家づくりをする。また内部も普通の家の寸法を使うことはない。なぜなら、それを使うと、いかにも狭く感じるからだ。そこは目の錯覚を利用して。。などと色々考える。どうもその家は、サザエさんの『うんがふふ。。』的なボリューム感ががとても気になったりした。 まあ、予算を削らないかんのはわかるんだが、もったいないのだ。

 また、あくまで僕の私見だが、小さい家をご高齢の両親にプレゼントとするのであれば、もう少し大きく作ってあげて。。と思ったりした。。ビートルズのジョンレノンだったか、ある曲の中で、年を経たら、君と庭造りがしたい』という歌詞を書いていた記憶がある。僕だって年取れば庭作りもしたい。庭とは限らず、老後を楽しめる家にした方がいいんじゃないって思ったりするのは僕だけだろうか。。

『スモールハウス知ってるよ!』というと驚かれた。彼が言うには、最初は売れるわけないじゃんと思ったんだが、意外とね。。とのこと。。僕も頑張らねば。。

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