2013年9月5日木曜日

ゆたかな風を呼び込め ! 

   やっと秋口に入ってきた感がある宮崎である。と言いつつ調べてみたら現在は27℃。。これでも涼しいと感じるのが不思議なくらいである。宮崎などの暑い土地で設計のお仕事をしていると、いかに夏を涼しく過ごせる家を設計できるかが重要となる。今は高気密高断熱の家が流行であるようだ。それは天井や壁そして床に断熱材を隙間なく引き詰める方法である。それはそれで重要であるとは思うが、それ以外にも涼しくする方法もある。宮崎にはゆたかな風が吹いている。これを使わない手はない。


   自然の風を感じる家を作るには、どんな窓を作れば良いのだろうか?多くの人が勘違いしているのが大きな窓をつくれば心地よい風が入ってくるというもの。これはちょっと違う。大きい窓は、確かに空気量の取り入れ効果があるが、心地よい風を生むのとは違う。ではどうすればよいか。大体3つのポイントがあると言われている。①窓が最低2面にあり、その窓と窓は対面していること。②必要な時は常に開けておけること③風が入る主方向にくるいがないこと。一応、僕もこれらは気にするようにはしている。

   だがこれだけではやはり、面白く無いと考えるのも設計屋の性ではある。その風が心地よければ良いが、そうでない風もあるので厄介である。例えば、その風上に畑があったりしたら、土煙が部屋に入って来るわけだし、またドブの臭いがキツイ場所が風上って事もある。それらの時はうまく対処する必要がある。土煙が起こりそうな土地だと、できるだけ家の前にグリーンカーテンを作り、風を浄化したり、ドブ臭いところにはフタをかぶせたりしている。そして臭いの出やすい花や木を植える事をお勧めしている。

   だが僕はもっと風を取り入れたい設計屋だ。どちらかと言えば、窓開ければ家の中ビュンビュンな方がお好みである僕は、なんか良い方法がないかと調べていたら、ウィンドキャッチャーという方法があるのを知った。滑り出し窓という窓があるのだが、この滑り出し窓を風の主方向に、図のように並べることにより、通風量が10倍になるという。ホントかいな。。とは思ったが、LIXILさんと東京大学生産技術研究所さんが調べた結果であるようだ。東大さんが言うのだから間違いないだろう。

   いろんな工務店やハウスメーカーのホームページを見ると、『風を生かす設計』などの文字が見える。どうやら流行であるらしい。だが展示会などに実際に行けば、どこに『生か』したんだとは思う事もあるが、そこは黙ってあげている。設計する人間が風を家に呼び込むために提案したであろう間取りは、家主さんの希望に合わなければボツになる。設計士が『風がこれでは入らないから止めた方がいい』と家主に言ったところで、『それでもいい!』と言い切られたらどうしようもないからだ。よって風を生かせない家が出来上がり、後で家主さんが暑い思いをすることになるのだが、それを分っていながら前に進まねばならないハウスメーカーや工務店の苦労もよく分る。。

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やっぱり10倍は凄いね。。

2013年9月4日水曜日

『粗食のすすめ』で豊かな生活を

 先日も書いたが、僕の部屋は色んな本が散乱している。これではイカンと良い子の僕は毎朝、掃除をはじめた。昨日も書いた10分間清掃のお時間である。だが本を置く場所がないのはやはり致命的という事で、読む本と読まない本を仕分ける作業をもう10分ほどしていた。本を仕分けしていると昔に出会った素晴らしい本が目に入ってきて懐かしい。そんな本をたまには紹介してみようと思う。本のタイトルは『粗食のすすめ』である。

 僕がまだ京都に住んでいる頃は自炊をしていた。一人暮らしの楽しみはやはり好きなモノを自分で料理して食べれる事だと思う。いろんな料理を作った。京野菜をふんだんに使った料理や、イタリアンに中華、そして鴨川の川辺で育った食べれそうな植物のソテー。。自分で料理して自分で食べる行為は実に楽しいモノである。だが毎日自分で研究したものばかり食べていても面白くない。たまには他人が来て、うっとりするモノを作らないと面白くないと思い立ち、本屋さんで物色している時に出会った本が、『粗食のすすめ』である。どうやらかなり有名な本でもあるらしい。

 『粗食のすすめ』は春夏秋冬の4冊があり、季節ごとの料理が素晴らしいレイアウトで別けられている。実際に自然食野菜が都道府県のどこの店で購入できるのかも記載されているのが嬉しい。(※宮崎は、1軒もありませんでした。。)実際料理をする時には、本なので開いたまま料理。。とはいかないのが残念だが、ソファーで寝転びながら読む料理本として最高の1冊であろう。そして粗食というのがシブイ。シンプルで簡単に季節ごとの旬な食材が味わえ、なおかつ見た目も素晴らしい料理が出来る。色んな料理を食べたり作ってきたりした僕としては、最終的にたどり着いた料理本だ。

 いまは宮崎の実家に住んでいる。本当は自分で料理して自分で食べれるものを作りたいのだが、母親が許さない。僕が作る料理は口に合わないようである。どうやら年齢の違いによる味覚の差のようだ。という事で、夕方過ぎに母親にその本を見せた。母親も少しは興味を持ったようで、『ほな作ってみ』と言われた。って事で、『粗食のすすめ 春レシピ』を読みながらニラの納豆あえを作った。やっぱりうまい。僕の鴨川流のお手前は衰えていなかった。

 なぜ『春レシピ』かって?

 銭がなくて春以外は買えなかったからだ。

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フォントをメイリオに変えていますが、
いかがでしょうか?

2013年9月3日火曜日

キレイキレイな僕の部屋

   僕がやっている建築設計というお仕事は、やたらと資料を読む。そしてそれらの資料を沢山持っていなければ成り立たない商売でもある。だがおかげで僕の昭和の6畳の事務所。。というより寝室はやたらと散らかっている。こりゃさすがにイカンと反省。少しづつであるがお片付けをしている。だが圧倒的に本の量に対して、棚が足りていない。なのでどうしたもんかと思っている。だが設計資料で散らかっている部屋ではるのだが、僕のベットだけはいつもキレイキレイである。毎朝、起きたら必ずベットメイキングをする習慣があるからだ。もちろん育ちの良さもある。だが僕の微妙な軍隊経験のおかげでもある。

   僕がアメリカの軍関連企業に就職した初日。いきなり拉致された。『ここに迎えに来るから待っててね』と軽く言われたので、指定の場所で待っていると軍服を着た筋肉馬鹿っぽい兄さんらが来て、『この車に乗りなさい』と言われた。『誰ね。。あんたら。。』とは思ったが、まあ乗りかけた船。逃げるわけにはいかない。連れて行かれた場所は明らかに軍のベース。そこで2週間のトレーニングを受けるはめとなった。。後で分ったのだが新人研修らしい。。アメリカと言うより西洋の伝統か、仲間になるには試練を与えると言うものがある。僕に取ってはかなり迷惑な伝統的新人研修ではあった。。

   当たり前だが軍隊生活は規律正しい。軍隊は身につけるものは、すべて支給品である。そして個人の習慣などや動作にいたるまで全てコントロールされる。命令一下、どんなにしんどくても動く体にするには、娑婆っ気を抜く必要があるからだ。朝起きると、さっさか服を着替えそしてベットメイキングをしなくてならない。これも基地外の生活とこの空間は違うのだという事を体にたたき込むためである。

   おかげさまで、僕のベットは。。というよりベットだけ美しい。。ふと思った。別に片付けるぞ~!と気合いを入れて片付けなくても良いんじゃないか。。毎朝10分間だけ片付ければある程度は部屋も片付くんじゃないか。。考えて見れば日本の多くの企業でさえ毎朝お掃除からはじめるところが多い。やはりこれは少しずつ掃除しておけば、仕事場の美しさを保てるという事ではないだろうか。。

   どうやら、悟っちゃったようだ。。

   今まで気づかなかったのも不思議な話ではあるが。。

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2013年9月2日月曜日

宮崎監督の引退で大騒ぎ。。

   いつものようにNHKニュース7を見ていると、『宮崎駿監督引退へ』と出てた。宮崎監督は御年72歳。フィルムの映画監督と違い、長時間拘束されるアニメ監督なので体力的に厳しいだろうと思う。だが影響を大きく受けた世代である僕としては悲しい思いもある。このニュースは日本だけではなく、世界中に駆け巡ったようであり、多くの人が現役続行を望んでいるようである。いつものようにブログでも書こうかとパソコンを開くと、僕がアメリカにいる頃やっていたラジオ番組(嗚呼、青春のラジオ番組も読もう!!)の仲間からメールが入っていた。『宮崎監督引退ってホントなん?こっちじゃ病気か?って騒いでいるけど。。』何やらアメリカのその大学のラジオ局では大騒ぎらしい。。なので『心配するな、歌手デビューするらしいぞ!』と返信してあげた。

   僕がアメリカに住んでいた1990年代の後半、宮崎アニメがアメリカに入ってきた。確か1999年の事だったと思うが、『Princess of Mononoke』(もののけ姫の事)がアメリカの劇場で上映される事になった。日本語版の『もののけ姫』も見た事はなかった僕はキターと喜び勇み、ラジオ番組の仲間(童貞ヒッピーにエロ海兵隊員)と劇場を探すのだが地元の町ではやっているところがない。『ディズニーの馬鹿野郎!!』と、田舎町である事に悪態をつき、いつものようにアホで鳴らす F street の親父の飲み屋に行った。

   まったく流行っていないその店のカウンターにいつものように陣取った僕らは、勝手にビールを頂く。親父に『もののけ姫って知っている?』と都はるみのファンであるヒッピーが言った。『なんじゃモノノキー。。ロシアか何かか?』と親父が自分ではイカしたつもりのジョークを言う。すると厨房から顔だけ出した中国人の女が『私、持ってるよ♡』と言ってきた。その親父の飲み屋は表は普通の飲み屋なのだが、裏はストリップ飲み屋となっている。だが厨房は1つなので、彼女はもちろん厨房の中ではパンツ一枚の半裸族。よって顔だけの登場である。するとヒッピー(童貞)が言うた。『Can I see..(見てもいい?)』と、もののけ姫か中国娘の乳かよく分らない質問に、中国娘は『ちょっと待ってて』と言った。みんなちょっとだけ期待したが、もちろん彼女は服に着替えてDVDを持ってきた。そしてそのDVDはかなり海賊版の臭いがした。酔っ払いの僕らは、『どうせ客なんて来ないよ』という理由で勝手に閉店にして、みんなで『モノノキー』を見ることにした。


   人生初めて見た『モノノキー』は、日本語音声に英語の字幕、だがなぜか主題歌は中国語であった。だが僕らはその圧倒的なスケールに僕らは打ちのめされた。当時は日本のテレビアニメはアメリカでも見られていたが、宮崎監督が作るような日本の長編アニメは見た事がない人が多かった。いつの間にやら参加していたストリップの姉さん方(服は着てます)まで、『日本って凄い。。』と言っていた。そして脳みそはプレイボーイ誌で出来ている海兵隊員は『エボシみたいなイイ女を知らないか?』と聞いてきた。なので美輪明宏さんを教えてあげた。

   それからというもの、ラジオ番組では『モノノキー』って凄いと勝手に盛り上がり、『もののけ姫』を勝手に宣伝するようになった。誰が連れて来たかよく分らない大学の Social Science の先生と語る『モノノキー』は妙な説得力があったが、僕は何言っているかよく分らなかったので適当に 『ア~ハン』 と答えてあげた。また気が付けば番組にコアなファンができたようで、ラジオ部屋に行けばトトロの格好をした変態がいた。だがそれはあえて無視した。

   今では多くのアメリカ人も知っている宮崎駿監督であるが、当時は知る人ぞ知る(中国人はなぜか知っている。。)アニメ・マスターいう感じであった。宮崎監督は引退されて何されるのかは分らない。ただ今まで仕事一筋であった方が、仕事を辞めると手持ちブーになるものだ。何かはされると思う。 宮崎監督の次の仕事に期待したい。映画以外の才能も沢山ある方なので、それはそれで面白いとは思っている。

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2013年9月1日日曜日

関東大震災から90年

   今日という日はあの関東大震災から90年の節目にあたる。大正12年の今日起こった関東大震災では、グネチュード7.9の揺れが相模湾で起こり、190万人が被災、10万5千人余が死亡あるいは行方不明になり、建物被害においては全壊が10万9千余棟、全焼が21万2000余棟もでた。東京の火災被害が中心のような感があるが、実は被害の中心は震源断層のある神奈川県内で、振動による建物の倒壊のほか、液状化による地盤沈下や崖崩れ、沿岸部では津波による被害が発生したようだ。東日本大震災での死亡・行方不明者が15883人であるのを考えると、いかに大きな震災であったかよく分る。関東大震災当時は木造の建物が多かった。そして今のような耐震設計ではなく伝統的な建物が多かったので多くの建物が倒壊した。また時間帯も悪かった。11時58分に起きているので、多くの家庭で七輪や釜戸で昼時の準備中であったので、同時発生的に146カ所で火災が発生している。この一つ一つは小さかったであろう火災が、後の大火事の原因ともなった。また発達した低気圧のあおりを受けてこの日は風が強かったのも被害を大きくしたようだ。被服廠跡地という場所に避難していた方々約4万人に火災旋風が直撃。その場所だけで3万6千人がなくなられている。

    1つの家が焼けている程度の火災だと、ぼ~と見学も出来るのであろうが、さすがに同時多発的に起こる火災はとても見学などはしてられない。同時火災が起こると、最初は点であった火がしだいに面となり、となりの面も巻き込んで大きくなる。そして逃げようにも火に回り込まれて逃げれなくなるようだ。この関東大震災の時も、最初はのんきに火事を見ていた人々も、周りに火が近づき慌てふためく、そんな映像が残っている。また火災は上昇流を産む。その上昇気流に横から風が当たると風下側に風の渦が出来やすく、その渦に火が移り火災旋風となって町を一気に火で埋めることとなる。この火災旋風はこの関東大震災だけではなく、東京大空襲でも起きていて多くの避難民を一瞬で飲み込んだ。

    昨日、 『MEGAQUEAKEⅢ』というNHK番組を見た。僕は東日本大震災後、損害保険の鑑定人として震災の爪痕を調査する仕事をして以来、地震と建物に興味がある。建物を壊しやすい震動がある。いわゆるキラーパルスと呼ばれるもので、周期が1~2秒のものである。日本語で言えば 『稍(やや)短周期地震動』 というらしい。兵庫県で1995年に起きた地震ではこのキラーパルスが多きく出たために、多くの建物が倒壊した。だが今回の東日本大震災は短周期震動の地震が多かったので、被害は建物よりも家財になどに多く出ていた。

    だが家財だけで損害が収まらない家ももちろんある。僕が鑑定に入った家では全損扱いを認定したお家も2軒ほどあった。そのお家は決して法律上は違法ではないのだが、明らかにデザイン重視で地震にはもろい構造の家であった。また建物が元々田んぼや川沿いの弱い地域に建っており、揺れが大きくなったのがはっきりと分った。敷地はしょうがないとはいえ、やはり家を作る段階から配慮が必要であるだろうと思う。

僕の仕事は住宅の診断士でもあるが、耐震診断士でもある。またホームインスペクションと言う建物のかかりつけ医者のような仕事もしている。日本は地震が多い国であるのにもかかわらず、地震に強い家や火事に強い家が多いかと言えばそうとは言えない。それらを増やしていくことや啓蒙することも僕らの仕事だとは思っている。


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見ましょう !

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