2013年2月16日土曜日

家具ぐらい自分で作りましょう

手作りで十分です
   僕が住む宮崎は大分暖かくなってきた。我が家の梅の木も満開となっているし、桜の種類によってはちらほら花が膨らんでいる。以前にも書いたが蜂蜜取りを始めたいと思っている (蜂蜜を採って小遣いかせぎ ! も読もう ! ) 宮崎で言えば2月の終わり頃だろうか、日本ミツバチさんらは分蜂蜂球という物を作る。これは新たな女王蜂が誕生した巣から、女王蜂さまは働き蜂どもを引き連れ巣を出て新しい巣を探しすんだが、その時に女王蜂さまを護るために働き蜂どもが塊のようになる事を言う。これをせわしく網で取り、巣箱に入れて3日ぐらい蜂らがいてくれれば、後は勝手に蜂蜜を作ってくれるし、町で売れる。1升(しょう)で約2万円ぐらいだろうか。そのための蜜箱を既に1個は作ったのだが、それだけでは物足りず、いろんな形の物を作っている。時期が時期だけに急がないとイカンのだが、お仕事が詰まっているのでやむ負えず後回しになっている。明日がんばろう !

   ふと思ったのだが、日曜大工って言葉が死語に近くなってきた。最近DIYなどと言われている。だが、少なくとも僕の周りでDIYをする人々はとても少ない。僕の親の世代でもそれほどいるような感じはない。僕の父親は自分で勝手に家を作ってしまうような、物好きなのだが、その周りの友人らはそれほど自分で物を作っている光景などは見たことがない。僕は今30代なのだが、それほど周りの友人などもやっていないのではないだろうか。

   仕事がら、作り付けの家具を頼まれることがよくある。それはこんなイメージでうんぬんなどと頼まれるのだが、毎度の事だが一応お客さんには説明する、 『買った方が安いですよ』 そりゃそうだ。大量生産品にはどうしても値段では勝てないし、一から僕らがデザインし、家具職人または手が器用な大工に作らせてはどうしても時間がかかる。って事はそれなりの日当が発生するという事だ。安く作ろうとしたらどこかで手を抜かねばならないし、それではクウォリティーで微妙になる場合だってある。同じ物を安く大量に作る人にはそりゃ勝てない。『そこを安くで~』 と言う人もいるのだが、 『それじゃ作れません』 とお断わりする。その代わり 『自分でネットで調べて作ったらどうでしょう』 と助言している。

   良い時代になったものだ。昔は、お父さんが、自分で色々考え、寸法を出して休みの日などに、のこぎりギコギコしながら作った日曜大工。いろんなDIYの本は出版されているし、なんと言ってもインターネットを検索すれば何でも載っている。もちろんそこには寸法だって載っているし、材料についてもいろんな情報が説明してある。これを使わない手はない。実際僕も仕事で行き詰まった時はネットを検索し、アイディアをパクって、否、参考にしてるんだから。

   自分で家具などを作って見たらどうだろう。意外と簡単なもんです。それにキツイ作業ではないので、女性でも十便出来ます。安い物を買うと結局はすぐにぼろになるんだし。僕らが作る物は日本製。でも買うのは全て中国製。これでは人生楽しくはない気がする。

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2013年2月15日金曜日

部屋のコーディネートの基本のき

   先日、とあるお宅で部屋のインテリアコーディネートについて質問を受けた。僕は建築設計がお仕事なので、インテリアコーディネートについては本業ではない。だが、インテリアコーディネーターを雇って家などを作ると、その分お金がかかってしまうため僕に聞きたいらしい。まあ助言ぐらいはタダだ。もちろん全て図面に書いてコーディネートすれば、お小遣い程度はもらわないとやれないだろうが。専門家ではないが、もちろん基本的な事は知っている。なので教えてあげた。

   インテリアコーディネートの一つの考えとして、物の実面積の割合というものがある。部屋を上部から見た場合、物と何も置いていない床の割合が、5:5が理想と言われている。これはあくまでヨーロッパあたりの基準であるが、理想の形と言えるだろう。日本の場合は、やはり4:6に持って行ければ良い方だ。日本はヨーロッパのそれと比べ物がどうしても多い。また、ヨーロッパあたりの家の面積は日本よりも広めに設定してある。なので4:6ぐらいでちょうど良い。もちろん壁もしかりだ。壁にやたらポスターや写真などを配置すれば、やはりどうしても壁が広告のようになり煩雑になるので、ある程度の落ち着きを持たせた方がよい。

   また、スタイルに合わせた部屋づくりも考えの一つだろう。スタイルと言っても色々ある。エレガントやシンプルモダン、カントリーや和風、またはクラシックなど自分の好みのスタイルを決め、そしてそれに向かって部屋をさわって行けば、理想の形へと自然と近づくはずだ。

   よく知られているのが、家具の色の統一は重要という事だ。だが意外と知られていないのが、家具の色は床、もしくは壁の色に合わせた方が良いという考え。例えば、白い壁の部屋には白い家具を使った方がよい。その方が狭い部屋も広く感じるからだ。仕事で設計する時など、床の色と壁を同じ色で設計する事があった。とある会社の本社オフィスのコンペがあった時の事、社長室は床と壁を同じ色の木で統一した。重厚感を出すためだ。その方が落ち着くし、お客さんに対面する場合の信用度も変わると思ったのでそうした。またこの手法を個人の部屋に持ってきても良いと思う。その方が、床と壁との境界がなくなり、広く感じるからだ。主にモダンな建物に多いデザインだと言えるだろう。多くの方は家具の色を統一するのは知っているのだが、家電製品の色を同じにせず買ってしまう。昔は白物家電と言われたように、家電=白だった影響だろうと思う。だが、今はいろんな色が出ているので、部屋の色に合わせた家電を手に入れるのと煩雑になりがちなキッチンなどは、落ち着いて見えてくるはずだ。

   人によっては壁や家具にペイントを施す人もいるだろう。例えば白っぽいペンキで、手で塗った感じの家具が欲しいとよく聞く。東京などの大都会では簡単に手に入るかも知れないが、僕が住む宮崎などでは通販が関の山だ。それなら自分で塗れば良い。一概に白と言ってもいろんな白がある。例えば白っぽい赤色や、白っぽい青色。本当に白~といった感じの、デザイナーがすまし顔で言うところの 『ピアノホゥワイト』 など、いろんな種類がある。塗装屋に色を指定すれば簡単にできるし、自分でするのであれば、普通にホームセンターに買えば良い。

   以前京都に住んでいた時に、近くまで観察に言ったのだがよう入らなかったケーキ屋さんがある。名前はキル フェ ボン (きっとフランス語♡) 外壁の色から内部の色まで、白を基調としたインテリアコーディネートを施しおり、実に勉強になる。もちろんいろんな白を使っているが、そのバランスがとてもフェミニン。実に勉強なると、学生時代に仲間と入店したかったのだが、そこは女の園。近づくだけで、香水の臭いがプンプンする。また女性が外にまで行列を作っており、入るに入れない。また連れが悪かった。。焼酎顔の大工、塩辛とキャバクラをこよなく愛すペンキ屋ではどうも分が悪い。また大工はお耳に鉛筆を差しているし、ペンキ屋の服にゃ塗装が付いているし。。しょうが無いから業者さんのふりはしたが、やはり並ぶ女性らににらまれ入れなかった。。関西に住まわれている方は行った方が良い。きっと良い店です。

   家を新築する時や改装する時にインテリアコーディネーターを呼ぶのは良いアイディアだと思うが、お金が高くなることを忘れてはいけない。先日、僕の会社でもそのコーディネーターが入った物件を作ったのだが、ちょちょっとお話しただけで、40万も取られたそうだ。ただ途中で降りたってのもあるだろうが、結局色だけ決めて40万は高い。まあ、途中で逃げるって分ったんで、本気で対応はしなかった気がとてもするんだが。。まあ、できあがりがたいしたことがなかったという事です。

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2013年2月14日木曜日

閑谷学校のハートの木

本当に美しい
   ふとネットのニュースを見ていたら、岡山県備前市にある旧閑谷学校にあるハートの形をしたクスノキが話題となっていた。同市に隣接する和気町の有志らが、周辺地域の魅力発信を目的に、このクスノキを 『ハートの木』 と名付けて県内外へPRしようという事らしい。このクスノキは昭和天皇が皇太子だった1926年に、自ら植樹された記念樹なのだそうだ。なんでも2010年に選定された後、自然にハートの形になったのだという。この学校は国の特別史跡にもなっているようで、その木造校舎はとても素敵で、また前面の芝生や、なだらかな傾斜の森はとても美しく、紅葉スポットとしても有名なんだそうだ。なんでも記事によると14日のバレンタインデーを前に、カップルがハートの木を背景に愛を語らい、写真撮影が出来るようにベンチを設置したそうだ。実に行きたくない。。

   恋愛マーケティングはもはや通用しない。これはマーケティング業界などで定説になりつつある。恋愛マーケティングとはカップルを呼び込むための施設や場所を設ける事だ。前提としてカップルはデートに出かけるし、お金も落ちるというものだ。しかし、消費意欲が強かった昔のカップルと違い今の若者は恋愛にはお金をかけないし、そもそもカップルの絶対数がとても少ない。それにカップルが集まる場所には非カップルは行きたくなくなる。もちろん、ニュースにもなったので一時的な訪問客は増えるだろうが、長い目で見たらこの町のために良いとは僕には思えない。

本当に美しい
   もちろん自然に出来た場所ならやむ負えないかもしれないが、町おこし的な運動で作るべきではない物と僕は思う。というのも、そう言う場所を作ったら、その対象でない人々が近寄れなくなるからだ。例えば京都の鴨川の3条大橋あたりの河川敷はカップルが等間隔で座るので有名だ。夕暮れ時になると大学生のカップルが座ってチュッチュしている。その河川敷はとても素敵な河川敷なのでカップルが座りだしたのだろうが、座って夢中でいちゃつくカップル以外の人間からすると良い迷惑だ。そこは公共の場であり、とても素敵な散歩道。また鴨川のほとりをゆっくりと自転車で走るにはちょうど良い場所なのだが、彼らがいるせいでその道を避ける人々が実は多い。

   日本は特定の人々を集めるのが良い町と思っているようだ。もちろん東京などの大都市なら可能だと思う。例えば秋葉原や巣鴨。秋葉原はオタクさんらが集うし、巣鴨は中高年の原宿だ。だが、その秋葉原にはちょっと入りづらい空気がないだろうか?また巣鴨にしかりだ。これは特定の趣向の人々が集まる場所であり、それ以外の人々は足を運ぶのをためらわせる空気があると思う。つまりそこはある特定の人々のための閉鎖的空間であって、万人向けに開かれているわけではないという事だ。もちろんそこは東京なので、それなりの消費があり成り立つのでそれをどうこう言うつもりはないが。

   以前僕が住む、宮崎のある田舎町でも 『恋愛の道(実名は隠します)』 という構想があった。有志の方々が動き、そして僕はその有志らに手伝わないか誘われた。というのも僕は設計屋なので、図面は書くしそれにこのようにブログも書く。またホームページなどを作っているので、ちょうど良いと思われたようだ。もちろんお断わりしたが内容は、他の市町村や県外から人を呼び、合コンをしてデートを楽しめる道を作ろうという物らしい。もちろんよかれと思ってだ。結果は散々たるもので、合コン一つ出来なかったようだ。本当に良かった。。そんな名前の道を付けられたらとてもメルヘンチック。1人で歩いているのを人に見られたら気恥ずかしくてたまらない。。それに合コンを町が推奨する動きもあった。合コン自体が浮かれていて僕は嫌いだと言ったら、『男がそんな事でどうするか ! 』 と怒られた。いやいや、嫌いなもんは嫌いなんだ。そんなものに税金を町が出すなら、僕は町から引っ越したくなる。

確かにハートです
   思うのだが、ヨーロッパなどの先進国ではこのようにカップルらのための場所を有志らが作るのだろうか。日本よりもカップルなどに寛容な国々ばかりだと思うが、そんなに多くはないと思う。それよりは素敵な街並みに力を入れそして、カップルだけでなく多くの非カップルの人々に集まってもらうように努力しているような気がする。その方が自然だし地域のためにも良いと思う。

   和気町の有志らさんらがやっている事はもちろんよかれと思っての事とは分っている。だがそれは観光客に開放的な町を作ろうとしているのだろうが、実は閉鎖的な運動だとも言える。ネットのニュースのコメントにも否定的な意見が目立っていた。中には昭和天皇が植えた木のため 『不敬罪だ ! 』 と書く人もいるが、僕はそこまで非難するつもりはない。だがそんなコメントを寄せいる人々はこの場所に行きたがるだろうかと思うのだ。仮に彼らにパートナーがいても、そこには行かないと思う。つまり実際は特定の人々だけの場所を提供すると、その他の人々を排除するんじゃないだろうか。少なくとも、僕の家の近所にそんな場所が出来たら、僕は近づきたくはない。

   町の一部の場所なのだから、特定の人々のための場所として喧伝するのは違うと思う。若い人ばかりが集まるバーに年配の方々が入りにくいように、公共の場所に特定の人々のための場所を作れば、その他の人々は集まりにくくなるからだ。場所という物は、どこかのテレビ局のように、 『嫌なら見るな』 では済まされない物だから。

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2013年2月13日水曜日

高齢者住宅改修での設計のお仕事


   今日は宮崎の佐土原町のあるお宅に、介護保険リフォームの打ち合わせに行ってきた。設計士である僕とケアマネージャーさん2人 (1人は新人さん?) との3人で訪問したのは、80歳ぐらいの夫婦さんのお家。設計屋の端くれである僕も、高齢者用の手すりの位置や高さなどは、もちろん頭の中に寸法などは入っているし、知識としても入っている。だが、対象者であるご主人さんの動きに沿った寸法や高さとした方がもちろん使いやすいので良い。よって、ご主人さんの動きをじ~と観察しながらのケアマネージャーさんらと相談しながらの作業となった。しかし、ご主人さんらはもちろん一般の方なので、ある程度はこちらで考えてあげないといけない。
   
 そもそも介護保険の住宅改修には補助制度がある。正式には高齢者住宅改修費用助成制度といい、20万円を最高額として9割を国が負担してくれる。例を出せば、20万のリフォームだと2万円が実費負担となり、18万円が補助となる。最高限度が20万円なので、25万円のリフォームなら5万円の自己負担だ。内容は手すりの取り付けや段差の解消、滑りの防止及び移動の円滑化のための床材の変更、引き戸等への扉の取り替え、洋式便器等への便器の取替え、その他に住宅改修に付帯して必要となる住宅改修 (下地や配管類の補強の事) などがある。多くの古い住宅などは、そもそもバリアフリーやユニバーサルデザインで設計されているわけではないので、高齢者が同居されている方々は使った方が良い。

   しかし、工務店としては正直嫌がるお仕事だと言える。今回のお仕事が来たのも、僕が(一応)所属する社長からの電話からだった。社長曰く、『やっけなっつよ ! (標準語でおっくう)』 大工さんらからすると、現場に行き現場でさっさか寸法を合わせて工事すれば、1日で終わる仕事なんだが、打ち合わせや図面書きそして申請書類に写真を添付して、見積もりを作ってケアマネージャーさんとご相談。これが宮崎弁で言う 『やっけねぇっつよ ! 』 となる。またこういった諸作業をやる時間を見積もりに反映させると、この安さをウリにしている僕が (一応) 勤める工務店などでは、高いんじゃないかと思われるのを嫌うようだ。

   以前僕の家にこの介護保険を使い手すりの取り付けを行った。たしか8カ所ぐらい付けて合計23万ぐらいしたと覚えている。よって支払ったのは3万円。手すりにはいろんなタイプの物があり、安い物から高い物まである。また付ける場所にもより大工手間が違ったりする。だが僕の感覚では、その費用のうち半分近くは設計代のような気がする。と言うのも、申請書類や図面や打ち合わせ等に要する費用を出せば結構な金額となるからだ。僕のお家をやってくれた大工さんも、こんなに 『やっけねぇ』 仕事はなかったと言っていた。そりゃあなたがパソコンを使えないからだよ。。 

   以前にも知り合いの工務店の社長さんから、介護保険リフォームの打ち合わや図面作成をやってくれないか?と言われたことがある。費用は1万円でどうだ?と言われたので断った。図面作成や打ち合わせでかかる、延べ5日ぐらいの仕事を2万では、女子高生のコンビニのバイトよりも安いからだ。要はピンハネするか、我が社は安いですよと言いたいらしい。そこ大工さんの日当は13000円なのに。。まったくふざけた話だ。

   今回のお宅は娘さんが入院しているらしく、退院してからデザインらを決めたいとの事なので、結構な延べ日数がかかる。だが安くで、使いやすいカタチにしてあげたい。なので、ぶっ飛ばして設計図面を書いている。大工さんが1日で作りあげる現場に、打ち合わせや図面や申請作業で延べ5日はかかりそうだが。。

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2013年2月12日火曜日

ユニットバスより、デザイン風呂

   設計のお仕事をしていると、建材屋さんに行く機会が多い。建材の世界は新しい商品が次々に出るため、こまめな情報交換が重要だからだ。ちょっとした用事があり、宮崎県は西都市にある建材屋さんに寄った。建材担当のマダムといつものように商品の事をお話しをしていた。パンフレットを見ていると、そこにあるのはユニットバスだらけ。ちょっとだけ、なぜ備 (そなえ) 付けの浴槽などは流行らないの?と聞いてみた。というのも僕が京都で設計していた頃、よく備付けの浴槽を使ったお風呂を計画し施工したんだが、宮崎ではまず見ないからだ。マダムは答えた。 『備付けのお風呂は見た目がエッチ~からよ♡』 んなわけない !

   最近建てられる新築の場合、お風呂はユニットバスとなる場合が多い。理由は簡単安いからだ。一番安い物だと、15万ぐらいから販売されている。それにユニットバスは施工がとても簡単。ユニットを買ってきて、部屋の中に収め、給排水や電気をつなげばできあがる。また研究つくされた商品なので、水漏れの心配もほぼないし、設備機器としても申し分はない。

   それまでのお風呂は、タイル張りの場合、どうしても職人さんの手間がかかるため、大きなお金が必要であった。お風呂だけで場合によっては数人の職人が1月ぐらいかかって作っていたそうだ。それに地震などで亀裂が入った場合、水漏れの心配だってある。ユニットバスが一番最初に入ったのが、あのホテルオークラ。ホテルなので、上部の階の水漏れを防ぐためにユニットバスはちょうど良かった。また時期的にも東京オリンピックの開催という時期。施工期間の短縮しないと間に合わなかったようだ。

   設計する立場の人間から言えば、ユニットバスは楽だ。そりゃそうだ。決められた寸法のスペースを確保するだけで終わりだし、図面だってすでにメーカーが作っている。それにある程度のデザインは担保してあるため、お風呂のデザインを考える必要が全く無い。だが、どうも僕はひねくれているのか、あまりユニットバスのお風呂は好きではない。日本人はお風呂が大好きなのに、これほど室としてのお風呂にこだわらないのはどういうことだろう。

   いぜん、個人住宅のコンペに参加したことがある。場所は滋賀県のとある山の上。施主さんの希望で、コンクリート造のお家を設計した。その最上階である3階に、10畳ぐらいの大きな風呂を作った。埋め込み式の浴槽には3人ぐらい入れるし、横から泡だってでる。そしてその部屋にはワインなどを飲むためのスペースもあり、湯船に浸かれば大きな窓から琵琶湖がどっど~んと見える。もちろん外部から、すっぽんぽんは見えない角度で建物自体を設計してある。とても素敵な風景なので、あえて大きく、そして長時間入っても飽きないお風呂に設計した。もちろん、 『エッチィ~』 と我が設計事務所の若い女性職員には言われたりしたが、施主さんにはすこぶる好評で、他社を出し抜きコンペに勝利した。

   現在僕が進めようとしているスモールハウスには出来るだけユニットバスは入れたくはない。一番の理由はそのスペースが限られているのと、どうしてもデザインとしての面白みにかけるからだ。スモールハウスの醍醐味の一つとして、小さい坪数の家だからこそ、デザインにお金をかけれる事。それに小さい家はその内、出て行く事が予想されるため、魅力的なお風呂を作っておけば、売り抜けやすいし家賃収入も高く設定できるからだ。

   いろんなお風呂があっても良いとは思っている。温泉旅館のような陶製の浴槽であっても良いし、僕が設計したように、その他の機能を持たせても良い。もちろんそんなお風呂を作っている設計屋さんはこの日本にもたくさんいる。宮崎でユニットバスが多いのは、施主さんもそういったアイディアを元々持っていないし、ユニットバスが最上の物と思っているからだと僕は考えている。

   マダムよ。備え付けのお風呂は奇異に見えるのも、それは宮崎が田舎だからさ。

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