2012年1月31日火曜日

春っぽいお風呂 architect編

  我が家をリフォームした際、僕はまだ建築を勉強中のぺ~ぺ~の学生だった。母親からどんな風呂が良いかアイディアを出しなさいと言われ、いろんな本を買い込んで付箋を貼り、コメントを添えて実家に送付した。できあがった風呂をみて驚いた『前の風呂とまったく一緒じゃん。。』 リフォームをして変わった所といえば。。場所が移動した。。こんなことはよくある話。以前家を建てたときに来てくれた大工さんがその時も来たのだが、結局同じ材料同じ寸法。バリヤフリーも機能性もま~ったく変わっとらん。。基本大工さんは大工さん。トントンタンタンすればお金がもらえるし同じ商品を使えば寸法に狂いはない。それに同じ商品を使っているとメーカーなどから海外旅行がもらえる場合もある。母親に聞いた。どうして僕が薦めたものを使用しなかったのか?そしたらそういった風呂は見た事がない。単に駄目大工だったわけだ。二度と奴は使わないと決めた26の春だった。

  日本の風呂はシステムバスが大流行。各社色々な商品をだし競い合っている。機能性に優れたものや、デザイン性に優れたもの。色々あって選ぶ方としては悩ましい。追焚き機能が付いたものから、しゃべる物。さすが日本の技術だと感心する。またバリアフリーを考慮した設計が増えてきた。たとえば老人が転ばないように、手すりが付いたお風呂。その他にも簡単に老人が入りやすいようにプールのように埋め込まれているお風呂。よく考えてあると思う。しかしシステムはそれなりの良さを出しているのだが、もうちょっと工夫があって良い。

  明かりを思いっきり取り入れる設計は面白いかもしれない。もちろんお風呂とはスッポンポンで入る場所。他人から見られるわけにはイカンので、外から見られない配慮は絶対条件だ。例えば以前お仕事をさせて頂いた建物。琵琶湖のが見渡せる山に建てられた3階建てRCの住居。だ~れもそんな場所に家を作らないから、起った人間の胸の高さの壁を作り、その壁の上部はガラス張り。風呂につかりながらカーテンを開けると琵琶湖が全力で見える!こんなゆったりとした風呂。本当は日本人なら好きなはずだ。なぜって露天風呂がこれほど好きな国民もいないからだ。

  もちろんそんな山の高っい高っい場所に家を作れない方がほとんど。じゃあどうするか。目隠しを設ければ良いだけの話。例えば風呂の隣に外からは入れない庭を造る。そしてちゃんと目隠しならぬ風呂隠しを設ける。これにより、明かりを取り入れ、風も取り入れる。以前見た事がある家はなんと天井がガラスになっていた。真上からのぞき込まれるのを防ぐため、ガラスは特殊なのを使い外から見えなくなっていた。設計屋はいろいろ考えているのです。

  せっかく田舎に住んでいるのだから、面白い家を作りたい物だ。都会と違い、多くの土地をもっている。しかし如何せん田舎。結局は大工がすべて間取りを決めて、そしていつもの部材で建物をこしらえる。設計屋さんは単なる事務仕事となり責任だけをおわされる。そんな田舎ではいけないし、もったいない。田舎者の意識を変えねばならんのだ。そして僕は春っぽい風呂が好きなのだ(難しいかな。。)

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