『俺の二条城!!』 |
以前京都の二条城の近くに住んでいた事がある。現在の二条城は15世紀初めに徳川家康によって作られているわけだが、僕はこのお城が大好きだ。このお城は作る時によく考えられており、その配置も城としては世界のそれとは大きく異なる。世界のお城は左右対称が多いのだが、この二条城は『雁行型』という特殊な配置で作られているのだ。これは、雁(鳥)が空を飛ぶ様な扇型の配置を意味する。玄関にあたる『遠侍』から入って、一般の大名や上級武士が入る『大広間』そして将軍の執務を行う『黒書院』、将軍のプライベートにあたる『城書院』へと続く。扇の要(かなめ)には食堂があり、実に計算された作りとなっている。
二条城はお城であるのだが、いかめしくない。水堀もそんなに大きくはないし、石垣も結構荒い。もちろんお城の本殿にあたる部分が雁行型という理由もあるだろうが、一番の理由は戦闘用のお城として想定されていなかった事による。家康がこの城を作った時に、『京の真ん中に堅牢な城を建てて、敵にでも取られたら後々やっかいだ。京の城は2・3日もてば援軍が来る』、つまり取られてもすぐに取り返せる城を作った。う~んさすがである。
お城に石垣は石垣が多用されている。石垣にも『野面積』や『切り込み接ぎ』など色々あって面白い。石にも表や裏がある。どう石垣の美しさを見せるか、どのような石を使うかなど昔の職人さんは気を使ったのだと思う。
僕の住む宮崎などの地方では、石垣を使って道路との境界としている家が多い。幼い頃、石垣がある友人の家などで遊ぶのは楽しかったものだ。しかしこの石垣は決して、昔の職人が考えていたような考えでは作られてはいない。石も大ぶりで、表も裏もあった物ではない。なので苔も生えず、黄色い。要は手間をかけるべき外観に手間を惜しんでいるのだ。庭を造るのは庭師であり、決して工務店の土木作業ではない。
庭を造るときは庭師の意見を尊重しましょう。
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