2012年1月7日土曜日

歌舞伎の白


出雲阿国さ~ん
 昨日、テレビをつけてみると、中村勘太郎さんが『六台目中村勘九郎』を襲名するという番組をやっていた。僕は歌舞伎は見た事がない。小学校一年ぐらいの時に劇団の方が、学校の体育館で歌舞伎らしいのをやっていたのを見たので、見た事がないというのは不正確かもしれない。僕はあまり知らないくせに、歌舞伎には興味がある。あの他の日本の伝統には余り見られないど派手な演出。そして見栄を切るという日本独特の所作。この歌舞伎で使われてきた所作は、現在でもアニメの世界などでよく多用されている。主人公の少女が、箒ならぬデッキブラシにまたがるシーン(魔女のあれです。。)で、髪の毛がざわめき立つ場面などは、海外の方々から見ると、歌舞伎の影響だそうだ。


 歌舞伎といえば『見栄を切る』ばかりでない。その台詞なども素敵だ。『知らざ言って聞かせやしょ~う』、『絶景かな絶景かな』(京都南禅寺の門に登ったとき、僕も言いました。。)、『祇園精舎の鐘の音。。』(嘘。。)など日本語の美しさは、僕をそわそわさせる。僕だけだろうか。。そういえば『声に出して読みたい日本語』という本があった。改めて読むのも悪くない。


 歌舞伎の白粉(おしろい)は、もちろん江戸の昔、照明が暗かった事に起因する。そのために歌舞伎小屋ではもちろんロウソクを使用するだけではなく、外部の光を上手に取り入れる構造になっていた。例えば壁の開口部を高い位置に置く。これにより通常より光を多く採っている。なかなか考え抜かれたカタチである。もちろん白粉を塗る事により、美しく見せる効果もあった。遊女や芸者などがそうだ。もちろん遊郭の窓の位置は高くはない。この場合暗くないと商売にならないからだ、きっと。。


 まだ日本と現在の中国が戦争を始める以前のお話。日本と友好親善のため、中国のオーケストラが来た事がある。多分オーケストラといっても、現在のそれとはだいぶん違っていたのだろうが、その中国のオーケストラの団員の顔には白粉が塗られていたそうだ。『さすがにそれは。。』と日本人スタッフが聞いたところ、中国人演奏家は『これがなければ、客が喜ばないじゃないか?』と答えたそうだ。白粉はアジアではそんな使われ方をしてきたんだな。

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