2012年1月6日金曜日

美の壺 ~家のデザイン編~

良い番組です。
 晩ご飯を食べようと食堂の前に座り、ふとテレビを見るとBSで『美の壺』をやっていた。僕はこの番組は大好きなのだが、我が家ではチャンネル権は父親が持っており最近は見ていない。残念だ。『美の壺』は日本人が昔から持っていたの美に対する見方を教えてくれる。いわゆる『粋』とは何かも考えさせてくれる。もしあるのならDVDですべて見たいものだ。


 以前設計事務所に所属しプランニングをやっていた時、先輩に『デザインとデコレーションは違うんだ』って言われ困惑した。最近になってやっとその意味が分ってきたような気がする。確かに当時の空間というものに、今ほど考えていなかった気がする。


 では何が『デザイン』で、何が『デコレーション』か?ライターのZIPPOで例えるなら、オイルで火が付く。つまり風が強くてもなかなか消えない。カタチが丸くなっていて、手のひらにすっぽり入りなじむ。鉄製で壊れない。仮に火が付かなくなっても簡単に補修が可能。これがデザイン。一方デコレーションとは、ZIPPOの表面に張ってある絵だとかロゴにあたる。


 そういう意味で言えば、建物にデザインを持ち込んだ家というのは少ないのではないだろうか。例えば実際に家を工務店やハウスメーカーで作られた方なら分るだろうが、プランニングは担当者が来て1日でできあがっていたはずだ。これには訳がある。もちろん一番の理由は人件費。あまり時間をかけると儲けがない。2番目の理由は、工務店やハウスメーカーは、設計デザインをやって独立した方々が作った会社はなく、大工さんが作った会社が多いという事。設計屋さんは空間を見るが、大工さんは空間より部材の出来をみるからだ。つまり見る視点が違うんです。3番目は、ハウスメーカーや工務店などはデザインを真剣に考えず、デコレーションでごまかす会社が多いと言う事。大きい声では言えないが、よく同じ家で違う色を使っている家を見ます。。あれです。。壁紙や外壁材、いかにかわいい意匠で家をデザイン(本当はコーディネート)するかで奥様方に食いつきが違うからだ。なのでかわいい家が多くなる。かわいいし、美しいのは認めるが、10年後20年後はちょっと切なくなる気がする。『デザインが入っている家は、例え朽ち果てても美しい。』僕の恩師の言葉です。デコレーションとは表面上の美しさなんです。


 『好きな家と、いい家は違う』


 家などは、色で決める物ではないのです。

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