先日、その橋の工事をした土木業者の花見に知り合いの建築家3人とともに呼ばれた。土木業者が自分の会社の公園で主催する花見だ。酒は自分で持ってくるという暗黙のルールがあるが、寿司は食べ放題だし、豚が火の上でクルンクルン回っている、秀吉の醍醐の花見もかくの如し。まあ、実に豪奢なもんである。どっかで見た政治家もチラホラいたりする。しかし、儲かってんの~と、持参したボルドー産のフランスワイン(中身はファンタグレープ:) を飲みながら、なぜか世界とは真逆に、建築業界では一番の下請け扱いされる僕らは建築家グループは愚痴をこぼした。
10年ほど前の情報ではあるが、日本の国家予算のうち土木や建設が占める割合は、先進国では断トツ高いらしい。アメリカが8%ぐらいで、ヨーロッパが6~7%。それに対し日本は40~50%なのだそうだ。また、就労人口ももちろん高い、アメリカが1%以下なのに対して、日本だと12~14%程度。確かに作業服を着た日本人は毎日のように見かけるが、アメリカではあまり見なかった。また、コンクリート使用量に関しては実にアメリカの33倍を日本の山河に注いでいるそうだ。どうりで山や川がコンクリートだらけなはずである。
だからと言って土建業の公共工事をなくせとは思わない。こんなに業界の作業員が多い国で公共工事をなくしたら経済に悪い影響が出るのは必至だからだ。だがそのあり方はもう少し慎重にとは思ったりする。僕は設計屋であり、土木の事はよく分からないが、少なくとも同じ設計するものの心得として、良いデザインとは、周りの環境や景観に配慮し、目立たず美しいものを作るという事は共通する部分だとは思う。少なくとも安けりゃ良い儲けが一番ではないはずだ。だが景観の観念すらない工作物やコンクリートがやたらと目立つ自然を見ていると、実にやるせない気がする。。こんな歌がある。
風がそそぐよ ドライブウェイ
軽いリズムで どこまでも
歌は流れる リボンがゆれる
山も谷間も アスファルト
ランラン ランラン
ランラランラン ランラン
緑のユートピア♪どうだろう。。実に 公共工事受注万歳!! 的な歌だが、これは1950年代というアスファルトが未来そのものであった建設省制定の歌だ。つまり国の歌という事か。この歌が制定されて60年ほどたったが、どれほど日本人は成長したのだろうか。。
何にも変わってないような気がして、そら恐ろしい。。
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