新築の建物を作る際、大抵の家主さんらは壁紙を使う。壁紙のサンプル冊子というものがある。そのサンプル冊子から壁紙を選ぶのが一般的だろう。その冊子には色んなトーンの壁紙がたくさんあり、分厚さも結構なものだ。そこには白以外の壁紙もたくさん載っているのだが、とりあえず白を選んでまう場合が多い。なぜだろう。。
僕が思うに白の壁が一番使われている理由は、やはり 『考えてない』 とう理由だと思う。たとえば工務店さんらが家を作る場合、たたき台の図面を引いて詳細は施主さんにサンプル冊子を渡し 『選んでね』 と一言言えば終わりである。色の演出などという考えはそこにはなく、施主さんの希望のみに答えるとうスタンスで家を作るため、建築学的知識の無い施主さんらは、 『とりあえず白で。。』 となるのだろう。一言だけ家主さんに 『色の演出を一緒に考えませんか?』 というのは余計な事であり、むしろ工務店さんらからすれば坪単価が高くなるので嫌われる。
だが、白い壁は何も問題が無いように見えて実は問題は大ありな色でもある。煙草を吸う人は分るかも知れないが、白い壁だと変色は免れない。また傷にも敏感な色だと言える。また十分に照明計画を行わないといけない色でもあるのは確かだ。例えば、部屋の中央にシーリングライトが一つだけという部屋が結構あるが、離れた部屋の隅にある壁は光量不足に陥りやすい。なんとなく薄暗い壁となるという事だ。白という色は光を多く反射する。つまり光の量に敏感な色なのである。光量不足という状態に陥ることにより、冴えないインテリアの演出に一役買ってしまいがちな色と言えよう。これがもっとダークな、またはマットな色だと、暗くはなく落ち着いた感じに見える。色というものはそういう物である。
僕が思うに賃貸アパートや会社の寮などは壁紙が白というところが多いと思う。賃貸などは日本の住宅の貧しさが凝縮されている空間であると言っても言いすぎではないだろう。壁紙が白なのは当然だし、間取りや空間設計、または断熱性などに到るまで全てに手抜きで出来上がっている。コストを抑えるためだ、それはしょうがない。日本人は結婚して家を持つまでこういったところに住む人々が多いと思うのだが、それによって 『壁は白』 という固定観念に飼い慣らされて行くのだと思う。そして、いざ自分の家となると 『とりあえず白で』 って事になるのだろう。安けりゃ良ければそれでも良いとは思うが。。
お客さんらと建材屋さんで重機器(トイレやキッチンやシステムバスなど)を選ぶ際、高いものを選ばれる事が多い。だがそこは立ち止まって考えた方が良いと思うことがよくある。そこに回すお金を別の所に回してた方が、より良い精神的に素敵な生活を遅れる気がしている。人生で一番見る色をそんなに安易に決めて良いはずはないと僕は思う。
とりあえず押しましょう。
お仕事がんばります。
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