以前にも書いたが東日本大震災の際、僕は損害保険の鑑定人として宮城県へ行った。そこでとある宗教家のお宅を鑑定させて頂いた。その宗教家は神道らしく、2階の部屋にはどど~んと神様の部屋がある。4間(7280㎜)の壁一面が神様となっていて、さすがにびびった。僕はその宗教家の女性にえらく気に入られたようで、 『特別に見せてあげる ♡ 』 と言われて小さな部屋に通された。その4.5畳ほどの部屋には仏像が置かれていて、その神道系のお宅には似つかわしくない仏間となっていた。隠れ仏教徒。。などと思いながらその仏像を拝んだのだが、その仏像がとても美しかった。8頭身の仏像はどこか藤原紀香さまに似ていた。それ以来、仏像が好きになった。
設計のお仕事をしていると、日本間を設計する機会がある。最近の若い人々は日本間をそれほど大切には思わないようだ。なので頼まれてもオコタがおける程度。ごろりと寝れればそれで良いと思っている。だが設計屋としてはそこは一番こだわりたい場所ではある。というのも日本の伝統がギュッと凝縮されている部屋が日本間だからだ。日本間はたいていの場合、床の間と仏間と押入がセット。8畳の場合だと1間の床の間に仏間と押入が半間づつといった感じだ。毎度、設計プランを考えていて思うのだが、床の間は日本建築の美の象徴である。そして仏間とは祈る場所。それがごっちゃになっているようでちょっと勿体ない気持ちが僕にはある。
本来、書院造りの一部屋には床の間と仏間を両立して配置する事はなかった。もちろんそれは全ての部屋が日本間だったからではある。現代では床の間がある日本間は接客のスペースとして使われる事が多い。その部屋の上部からご先祖さんらの写真などがじ~とお客さんを見ている。。お客さんの家に基本設計図をなどを持って行き、日本間で話をしている時など、いつもそのご家庭のご先祖様に見られているような気がして僕は違和感を感じている。これを何とかできないかと最近ずっと考えている。いろいろ調べているのだが、うまいこと解答は出てきていはいない。
世の中、商売上手な人もいるようで、スタイリッシュな仏壇が出てきたようだ。まあ祈りの場所をスタイリッシュにするのも悪くはないが、その空間である部屋もそれなりに考えて作るべきだと僕は思う。ローズウッドで作られた小さなカワイイ仏壇がリビングの横にある家も増えてきた。
神棚と間違えていないかと言ったら怒られるだろうか。。
神棚と間違えていないかと言ったら怒られるだろうか。。
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