2013年4月17日水曜日

京都国際マンガミュージアムという文化的空間

   僕はよく、宮崎は西都市にある喫茶店でお仕事をしている。そこはパソコン用の電源も使えるし、それに煙草だって吸える。それに料理は旨いし安いので文句の付けようがない。この喫茶店の特徴はもう一つある。とにかく喫茶店内が漫画だらけなのだ。下手な漫画喫茶よりも漫画があるので、仕事に疲れたら漫画ばかりよんでいる。何冊あるのかは知らんのだが、壁という壁には本棚がありそこは漫画がどばっと置いてある。へたな漫画喫茶より漫画が多いんではないだろうか。実に仕事場として快適だ。考えてみたら日本ほど漫画が発達した国もないだろう。僕がまだアメリカに住んでいる頃はよくアメリカ人に漫画の事を聞かれたものだ。だが漫画文化がとても発展した日本だが、漫画文化自体をそれほど大事にしているかと言えばう~ん。。微妙だ。。実際、今僕の隣では無料で読める漫画が置いてあるし。。まあそれはそれとして僕がまだ京都に住んでいた頃、京都国際漫画ミュージアムという施設が僕の住んでいたご近所に出来た。これがなかなか良く出来ている。

   これは漫画学部をもつ京都精華大学と京都市によって共同事業として作られた施設で、現在は市と大学で組織されている運営委員会のもと大学が管理運営している。ミュージアムなのでもちろん学芸員さんがいらっしゃる。その方らが漫画文化の研究にあったっているようだ。入場料さえ払えば大量の漫画をず~と読める公共のミュージアム。そんな施設なかなかない。また各種漫画に関するイベントをとおして、漫画に対する畏敬の念さえ感じるし、またクリエイターを大事にする気持ちがひしひしと伝わる良い施設だ。

   京都には廃校を上手に使った建物が多い。長年の都だった京都はさすがにそのへん文化的であり、昔の良さを残しつつ新しい文化施設をつくるという考えが根付いている証拠だろう。これが宮崎の田舎などだと、さっさか壊して更地にし、そこに新たなよう分らん建てモンを作っていた気がする。このミュージアムも旧・龍池小学校の本館や講堂をうまいこと使っているので、昔から見慣れた風景を壊さないという景観上の配慮も十分クリアーしている。建築的にも良い建物だ。

    京都国際ミュージアムは烏丸通り沿いにあるのだが、全面の青い芝生がとても栄えてて美しい。またこのミュージアムの特徴としてどこでも漫画が読めるというコンセプトがある。よって漫画を庭で読もうが、そやつの勝手。実に自由気ままな雰囲気で漫画を読める。またこのミュージアムは 『漫画の壁』 というまさに壁がある。全長200メートルの漫画の本棚に1970年代から2005年までに発行された漫画の単行本が約5万冊も置いてあるのだ。実に素晴らしいじゃないか !

   以前、京都の建築専門学校でクラスメートだった大分の田舎者に誘われて 『機動戦士ガンダム展』 へ行った事がある。僕らの世代はガンダム世代ではないのだが、まあこんな機会でもないと一人でよう入れん。。と思いのこのこ田舎者について行った。入ったのは良いのだが、その 『機動戦士ガンダム展』 はいわゆる前衛芸術の作品ばかり。どうも僕は前衛芸術が持つ観念美というものを持ち合わせていないようで、さ~ぱり理解ができない。どうやら大分の田舎者も同じらしく、来なけりゃよかったとブツブツ言いながら次のブースへそそくさと進んで行った。やれ実物大のコアファイターがあったり、石膏で作ったザクさんがいたりして、オタク心をくすぐるらしいのだが、やはり僕らにはぴんと来なかった。だが一個だけ凄んげ~作品があった。

   その部屋はとて大きく、入ったら目の前にはどうも女のケツがある。なんぞな?こやつは人にケツ見せち、はしたねぇ ! と思ったが、よ~く、つぶらな瞳をひんむいて見たら、それはセイラさんだった。とにかくでかいのである。20mぐらいはあるドでかいセイラさんがこっちに 『Back in the U.S.S.R』 をかましてはる。。セイラさん=いい女。。何でこんな大きなセイラさんを作ったのかは、もちろん分らない。ひょっとして理由などはなかったのかもしれない。だがなんとなく記念にと、2人はセイラさんの股ぐらで記念撮影。。何か見てはいけないもんを見てしもうた気がした。

   これほど立派なミュージアムなので大人だと800円 (子供は100円 ! ) の入場料を取られるが、それだけの価値はあるミュージアムだと思う。京都に興味のある人は行かれても良いと思う。こんな文化的な施設が宮崎にあったらなとつくづく思う。。

   嗚呼、田舎の悲しさよ。。

   こんな施設は田舎は難しいだろうな。。

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