一昨日の事である。僕がいつも利用する宮崎県は西都市のコーヒー屋さんでちびちびコーヒーを飲みながら図面を書いていたら、どこかで聞いた声がする。う~ん誰かの~と思っていたら以前、宮崎市景観町づくりで講演されていた、旅情報誌 『みちくさ』 の社長さんだった。思わず声かけてもうた。いきなり角度によってはジョージクルーニー似ている男子が声かけたのでびっくりされたが、 『宮崎の景観町づくりで聞いていた者です』 と言うと 『ああどうも~』 と笑顔で挨拶して下さった。名刺くださいと言われたのだが、一昨日介護住宅改修のお仕事でた~くさん名刺を配った。。というより、配りきったので一枚もありゃしない。。も~何やってるんだと自分の不甲斐なさに凹みながら、彼女の名刺を頂いた。そして少しだが景観の事についてお話しをさせて頂いた。彼女は宮崎市の景観大賞の選考委員。僕からすれば、雲の上のお方。なのに僕みたいな貧乏設計屋に気さくに話して下さった。実にありがた~い事だ。思わずコーヒー屋のバイト嬢に『あん人、すげ~人やっつど ! 』と教えてあげてもうた。。彼女に言われた。次回の景観賞は看板なんだが、どこか看板で良いものはないかとのことだった。う~ん、宮崎市で良い看板。。んなモン知らん。。
残念だが、僕が住む宮崎は景観の事を考えた町づくりの歴史はとても浅い。京都などの歴史を売りにしている町などが景観に目覚めるのは比較的容易だろうし、美しく新しい観光地が電信柱の地中化などに取り組むのは当然だろう。だが宮崎などの田舎町では看板を大きくする事が発展だと思っているのか年々その主要幹線道路である国道10号線などの看板は大きく派手になって来ている。自分とこの病院を紹介したいのか、医院長さんがどアップの看板などあちらこちらに最近増えてきたのだが、正直見れたモンではない。なので宮崎市などとしても看板に景観賞を与えて、少しでも景観について市民に考えていただこうという趣旨だろう。
僕が以前勤めていた京都市などでは、ありとあらゆる屋外広告物を全面禁止に踏み切った。もちろん批判する人もいるだろうが、僕は前進だと思う。これ以上京都を景観的に汚くするのは間違えていると思うからだ。京都市は市を21の区域に別けて厳しい規制を入れたそうだ。屋外広告物といっても色々ある。昔から店の入口上部にある看板や、勝手に歩道に置いているあのプラチックな幟(のぼり)、また電柱などに勝手に貼っている張り紙、はたまた電飾がぴっかぴかの看板。これらを市内のある区域では全面禁止、また他の区域では大きさに制限をかけた。
またその色にも規制が入った。京都市は良好な町並みを形成するため、屋外広告物の意匠やカタチが周囲の景観と調和しなければならないとして、具体的に色彩の基準をマンセル値を指定している。マンセル値とは色彩を表す3属性である色相・明度・彩度による数値表現方法の一つ。これを使い、この地域ではこの数値以上はダメですよと取り決めている。僕が知っている景観条例では京都が一番厳しいと思う。僕からみればまだまだだと思う部分もあるが、あの一見保守的だが革新的な事が好きな京都市民がよく受け入れたもんだ。実に偉い !
京都の看板。これで十分です。 |
景観条例は町を形成する最低条件を皆で決めるものだと僕は思う。そのためにはその土地に住む人々が景観について意識を高めて行く必要があるだろう。道路とは会社や商品を宣伝するだけの土地だと考えるのは明らかに間違えていると思うし、そろそろそんな考えは捨てた方が良い。
良かったら、押して下さい。がんばって書いてますんで。。
右手のエレキバンがタイピングする度にうなっとる。。
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