これは木造のモールです。。すげ~ |
日本は戦後、都市の中の木造を捨てた。理由は様々あるだろう。第二次世界大戦で大空襲を経験した日本は大型建築物の木造を禁止した建築基準法を制定した事。また戦後の建築界はモダニズム文化の輸入が甚だしく、モダニズム=RCだった事により、木造を規模の小さな住宅建築のみに押し込んだ事。よって多くの若手建築家は建築=大規模建築という構造となり、アバンギャルドな非伝統的な建物を作る事に情熱を傾けた事。まあそんな理由が頭に浮かぶ。日本はこれほど森林に恵まれた環境にいながらその木々を使い切れてはいない。また多くの人々が杉花粉に悩まされている現状がある。2010年にこの戦後植林し成長した木材を積極的に使っていくことに国はシフトを切り替えた。この取り組みは今後の都市を大きく変えて行くであろう。現在の都市の景色が大きく変わる事が予想される。
新しい柱 |
また木造の難点として大きな空間を設計しにくいという問題がある。だが集成材の品質向上は、大きな空間を設ける事を可能とした。建築業に携わっているとどうも集成材は劣化が激しいという考えが一般的だったが、現在は鉄骨やコンクリートと同じように構造計算が可能な規格製品として出回るようになってきた。ざっくり言ってしまえばビルディング建築は柱と梁で出来ている。新たな柱と集成材を使い、また、構造計算をすれば木造の大型ビルも可能となったわけだ。
木造にはもちろん利点がたくさんある。現在CO2の削減が口うるさい時代だ。木材のそのほとんどの重量を占めるのは炭素だ。これを仮に燃やしてしまえばCO2が発生するが、建物として使えばCO2は出はしない。またRCや鉄骨と比べて木材は解体しやすいし改装しやすい。もちろんその1/fの波長によるリラックス効果もある。また積極的木材利用による林業への効果も期待できる。宮崎の片田舎などに住んでいれば、過疎化問題は深刻だ。都市の木造化によって、少しでも地域へお金が回る構造が出来ればと、田舎町に住む人間としては願っている。
よっ !! 東松島市 !! |
この番組を見て、多くの都市計画に携わる方々の意識が変わってくれることを僕は願っている。最後にこの番組では横浜にあるショッピングモールが紹介されていた。確かに木造だが、まだ水平垂直のRCのデザインを引きずっていた。まあ、しょうが無いのかもしれない。デザインは素材が決めるもの。だがその素材を生かしたデザインを使いこなすには、天才的な建築家を必要とするからだ。コンクリートにおけるコルビジュエのように。
分らない人には分らないだろうが、これはホントに革命的な事なのさ。
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