2013年4月26日金曜日

畳の深~い、お話

   最近、介護住宅改修のお仕事が増えてきた。ありがたいことだ。僕が関わるのは工事前と工事後の書類作成のお仕事。主に役所に提出する書類作成だ。内容は、改修前と改修後の平面図に、各部屋ごとの展開図作成。細か~い見積もり作成。そして使う部材と現況写真編集に終了時の写真編集を一人で作らねばならない。なので結構な書類を作るの事となる。一番その中で時間を取られてしまうのが、図面作成だ。本当は手書きでも良いらしいのだが、仕事を発注してくれるケアマネージャーさんに以前 『今時、手書きはね。。』 と言われてしまったので、やむを得ずCADで書いている。ホントは役所の人も 『手書きでかまわないんですがね。。』 と言っているので手書きにしたいのだが。。この仕事の流れはまず、実際に改修するお宅へ出向き、部屋の間取りを紙に写すことから始めるの。現在の家々は 『柱割り』 で出来ているところが多いのだが、昔のお家は 『畳割り』 で出来ているところが多い。実にやっかいな話だ。

    『柱割り』 とは、基準間隔となるモジュールを最初に決め、そのモジュールを均等に割り振って作った家の事をいう。現在の大抵の家はそう作れられている。柱の芯で間取りを決めていくため、くるいが少ないからだ。仮に九州でよく使う 955㎜×1910㎜ のモジュールで 8 帖の和室を柱割りで作れば、その隅部の柱の中心間隔は 3820㎜ となる。仮に柱を 100㎜ とすれば、畳1枚の大きさは930㎜×1860㎜だ。  

   だが 『畳割り』 の場合は違ってくる。『畳割り』とは畳を基準に家を作ること。つまり畳中心に家を作って行く事をいう。仮に畳 (955㎜×1910㎜) を使った8畳の部屋を 『畳割り』 で作れば、 3820㎜×3820㎜ の畳が入り、その外側に 100㎜ 角の柱をいれたとすれば、隅部柱の間隔は 3920㎜ となる。

   よくお客さんに、『これって本間サイズの畳ですか?』 と聞かれることがある。世の中には色んな間 (けん) があるから知りたいんだろうと思う。いわゆる京間は (僕の地元辺りでは本間と言うらしい。。) 、これは955㎜×1910㎜の 『畳割り』 の事をいう。京間の場合1間が6尺3寸 (1910㎜) だ。では江戸間はどうかといえば、江戸間は 『柱割り』 である。江戸間の場合は1間が6尺 (1820㎜) なので畳の大きさは 880×1760㎜ となる。その他にも中京間・江戸間・団地間など色々あってややこい。その他にも最近ではメートル間というものもでてきた。なおさらややこい。。聞くところによると、これらの違いはお米と深~い関係があるのだという。

   畳のサイズに違いがでたのは、 『間(けん)』 という年貢米をばっしり取るための寸法の違いが時代により変化したのが多きいそうだ。秀吉の太閤検地では1間が6尺3寸 (1910㎜) だったのだが、江戸幕府はいつぐらいからは知らんが、6尺 (1820㎜) にした。つまりガッツリ増税したわけだ。この検地に使われた竿を基準として社会を構成する必要が出てきたため、それらが各地方の基準となり、その平均が 『○○間』 と呼ばれるようになったとの事だ。

   余り知られれてはいないのだが、身分が高い天皇などの畳はもちろん大きいサイズで出来ている。畳とは統一した基準というものが、あって無いようなものなのである。また一応京間・江戸間。。などと便宜上言っているが、これが地方によって微妙に異なる。実際に、僕の仕事などで畳のサイズを測るのだが、結構ずれが生じていたりして、プロでもよく分らん世界でもある。

   賃貸などで6帖などと表記している場所がある。6 『畳』 と以前は表記していたところもあったようだが、最近は6 『帖』 が多いそうだ。まあそうせねばならん時代だろう。畳の大きさはあまり基準にはなりはしないからだ。

   最近、この 『畳割り』 に振り回されている。CADで書く場合にモジュールが決まらないという事は、登録して貼り付けた図形が上手く貼れないからだ。う~ん。。やっけなこつじゃじ。。まったく。。

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難しい話を書いてもうた。。

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