2013年6月26日水曜日

チェーン店と景観問題

   僕が人生初のコンビニに寄ったのは確か1994年の事だったか。まだうら若き純朴な高校生だった僕は部活の大会のため宮崎市内に寄り、その時に初めてコンビニという物がこの世にあるのを知った。そこは多分ローソンだったと思う。その美味しい牛乳が売ってそうなユニフォームのお店で、おにぎりはお金を出して買う物だと知った。初めて食べたシーチキンマヨネーズ味のおにぎりはとても美味しく、誰がこんなに美味しい組み合わせを考えたんだ。。フランス人かな。。と妙に感動した。その時の感動が忘れられず、今でもコンビニで買うおにぎりはシーチキンマヨネーズである。

   僕が人生初の吉野家の牛丼を食べたのは1995年の春だった。福岡の天神のど真ん中にあるだいだい色の看板が妙に斬新で気になったので入店した。狂牛病以前の吉野家である。メニューを見たのだが、メニューに牛丼ぐらいしか載ってないのに驚きつつ人生初の牛丼を食べた。育ちの良い僕は、実家では牛丼は出たことがなかった。初めての牛丼は、僕の想像を超えていた。これほど美味しい食べ物はこの世にないのではないかとさえ思った。僕はその後アメリカに留学した。そこでアメリカにも吉野家がある事を知り、サンフランシスコの吉野家に車を転がして出かけた。サンフランシスコ市内にある吉野家はほぼ日本と同じ味だる。発泡スチロールのどんぶりは最悪だし、生姜を多くとったら中国系の店員からあからさまな悪口を言われるが、これを食べると日本を思い出し泣いたもんである。

   僕が一応所属する工務店は宮崎県は西都市にある。ぶらぶらと運転していると工事中の店舗が目に入ってきた。すき屋 (だった気がする。。) がいつかは知らないがOPENするらしい。ついに西都市にも牛丼チェーンができるんかいなとちょっとだけにんまりした。また先週だったか、今ならポイント2倍のヤマダ電機さんが西都市にもOPENしたようだ。町中に警備員が沢山いたところを見ると、繁盛しているようだる。ますます西都市は便利になるだろう。喜ばしい事ではある。

   だが、これで本当に良いのだろうかと立ち止まってしまう。確かに便利になるのは大歓迎ではある。だが、大手チェーン店は日本中どこの町に出店しても同じ建物をど~んと作る。設計士という職業は国から町並みの形成を委託されている仕事である。僕からみれば日本全国同じ建物が乱立するのは実には面白くない。それにその建物の工事に地元の業者が入れるかと言えばそうでもないし(簡単な工事は入れるだろうが。。)、それに大手チェーン店は看板が大きすぎるきらいがある。その看板の色と大きさは、昔からある町並みにとてもそぐわないし、それに町の景観にも良いとは言えないだろう。どうも配慮さえ必要無いと言わんばかりの建物である。

   こんな問題は日本中に溢れている気がする。日本の市町村は景観条例を設けていないところが多い。僕は思いきった規制を設けるべきだと思う。その規制は建物の色の規制や看板などの広告物に禁止も含む思い切った設けるべきだ。既に日本は金太郎飴のような町並みである。これを嫌だと思う人々は実に多い。今なら多くの方々が賛同はしてくれると思う。

   宮崎は景観に関する規制は少ないし、その意識はほぼゼロに近い。だが今から動くべきだと僕は思っている。他国はその努力はちゃんとしているのだから。

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