これ設計した人、カッコイイ |
日本にアルミサッシが一般的に普及したのは戦後のことであろう。普及した理由は明快だと思う。安価な既製品だからだ。アルミは比較的低温で折り曲げることが出来るので寸法にくるいが少なく、また材料自体もそれ程高くはない。昔の家々には木製のサッシが多かった。それらは手作りで安い木材を使っていたので、経年劣化と共にすきま風が吹く。それを嫌ったという事もあるだろう。日本は戦後、一生懸命に働き、得た給料で昔からある伝統的な生活と家々を壊して、妙な新築を建ててきた。そのため家には安いサッシが求められ、そしていつの間にやらアルミサッシが標準の国となってしまった。
木製サッシです |
ではアメリカでその木製や鋼鉄製サッシが高いのかと言えばそうとは言えないだろう。昔から日本と違い大量生産するお国柄である。職人がまちまち作るのが好きな日本と違い、欧米の国々はいかに美しい物を安く作るかに情熱を傾けるからである。日本で木製サッシが消えていったのには木製サッシの既製品化が遅れたという理由もあるのだと思う。
木製サッシはくるいがでると大工さんらは言う。そのとおりだ。だが木製サッシはもちろん擦れて行くと削れるので、くるいが少々出たからと言って閉まらないという程でもない。また木製は燃えるじゃないかという人もいる。もちろん燃えることは燃える。だが木の大きな特徴として、火災時などに木の表面は燃えるのだが、あくまでそれは表面だけであり、内部は火災により炭素化した表面部分が酸素をシャットアウトし実際は燃え落ちない。ではアルミサッシはどうかと言えば、ある程度の温度まで上がると溶け落ちてしまう。また木製は腐るじゃないかとも言う。だがアルミだって塩害のある地域(海の近くなど)ではしっかり錆びる。表面的には錆びていなくても、内部の歯車やクレセントが錆びてくる。またアルミはよごれが目立つし、それに耐久性が低いので傷がつき安い。要はメンテナンスが重要であるだけである。
アルミサッシの特徴として結露しやすいという事がある。結露は空気中の水分が冷たい面にあたることにより、その表面に水滴として現れる物であるが、アルミは熱伝導率が高いので結露しやすい。だが木は結露はし難い。熱伝導率が低いからである。だがアルミサッシの一番の特徴はその質感のなさであろう。木製のと比べれば一目瞭然であると思う。要はちゃっちいのである。
僕は日本の町から木製や鋼鉄のサッシではなくアルミサッシが当たり前の時代に生まれて来た。だがよくよく考えると僕が生まれる30年前ぐらいまでは木や鋼鉄が当たり前であった。アメリカなどの諸外国と日本を比べて、いかに日本が陳腐な家に住むのが当たり前になっているのかよく分る。木製サッシの工業化は大分進んだ。だが値段はまだまだ高い。だが日本の町並みを美しくするために木製やスチールが普通に普及する時代が来ることをせつに願っている
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