僕は設計屋だが、ホームインスペクションという仕事もする。分りやすく言えば、業者サイドにもお客である依頼者サイドにもたたない、第三者としての住宅のかかりつけの医者 (専門医ではないから安い※専門医=シロアリ駆除業者など) みたいな仕事だ。新築や中古の住宅を購入する際に依頼者さんに同行し、建物を簡易に調査し報告するといった仕事がホームインスペクションである。その業務のオプションの中に床下調査や小屋裏調査という物があり、僕らはその住宅の木材に含まれる湿度を調査する。その際、木材の含水率 (がんすいりつ) を専門の機器を使って調査するのだが、20%未満の含水率ならセーフと言われている。それよりも高いとシロアリを呼びこむ危険性があるという事である。
以前、僕が調査した築40年の建物の床下に入った際、炭が大量に使われているお家があった。どうも地盤が悪いらしく湿度が高くカビ臭い。よって湿度を下げるため前に住んでいた家主さんが炭を入れたとの事である。 『ああ、そうですか』 と一応答え、床下に入って含水率を調べたところ、がっつり30%越え。その基礎は布基礎 (べた基礎と違い床下に土がある基礎のこと) であったのだが、基礎下に防水シートなどの処置をしていないお家だったようだ。よって地盤に染みこんだ水分が蒸発し、床下の環境を悪くし 30% という高い含水率が発生したと診断した。
一般の方々 (まれに業者も。。) は大きく勘違いしているのだが、床下は室内ではなく室外である。炭を少し入れたぐらいではさほど湿度に影響をあたえない。床下の構造は、大きくいえば地盤から400㎜ぐらいコンクリートの基礎が立上がり、その上には105㎜ぐらいの土台 (防腐処理された木材) を置いた工法が多い。その基礎と土台の間には基礎パッキンというプラスチックを入れて隙間を作っている。その基礎パッキンがある事により、屋外から床下へ空気を送り込み込むことにより、実際は換気しているわけだ。つまり床下は外の空気と同じ湿度を持った屋外であるといえる。そこに炭を撒いたところでさほど影響があるとは思えない。もちろん炭を細かく砕き表面積を増やせばまだマシだという考えもあるが、炭はある一定どの含水率を超えると調湿作用がなくなる。これを天日で干して乾燥させれば元に戻せるが、床下では無理だと思う。だがこれが密封された場所であれば話は違う。例えば押入などの密封された場所にならまだ分るし、冷蔵庫の中なら分る。だが有効期限はつけて考えるべきだ。だが床下は。。はなはだ疑問である。
同じようなものに珪藻土(けいそうど)の壁というものがある。調湿作用をもち臭いを吸ってくれるというものだ。以前インスペクションをかけたお宅で、これを玄関に使っているところがあった。玄関の脇には靴箱があったのだが、同行した不動産屋さんが 『靴の臭いを消してくれますよ』 と言っていた。さすがに不動産屋さんが可哀想なのでその場では否定しなかったが、後でこっそりと教えてあげた。靴の臭いはもちろん靴から発生する物。しょっちゅう開け閉めして空気の移動が激しい玄関に珪藻土の壁を作ったところで意味はない。
基本的に、臭いと湿度を防ぐのは換気でしか無いと僕らは考えて入る。色んな技術があるのは確かだが、それは使い方を間違えていたら意味はない。まあ、分っていて騙しているとは思うのだが。。
昨日は飲み方でした。。
ごめんなさい。。
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