2012年2月21日火曜日

夏風と日本の知恵

  来週ちょっとした建築の試験があるので勉強している。建築士の教科書などを引っ張り出して読んでみると、以外と忘れていた建築の知識がたくさん書いてあり僕にはありがたかったりする。日常の建築デザインでは、結局は自分の経験で物事を判断しているので、これからじっくり本を読みながら建築の事を再び勉強するのも良いのかも知れない。

  以前このブログで『死に際の庭』なんて文章を書いた。幸いにも多くの方々が読んでくれた事は、書いている僕としては嬉しい。一般のハウスメーカーや工務店にとって窓の配置とは、そこから何が見えるか。またどういった表情となるのか。そう言う事は全く考えていないに等しい。あるとしたら、隣の家の窓が真っ正面ではクレームが来るからずらそう。。なんてぐらいだ。窓一つとっても実は生活に大きな影響を与える。もちろん見える風景もあるのだが、配置によっては室内の空気の流れをコントロール出来るし、結露を防止できたりする。また高い位置にある窓は室内の明るさの明暗を和らげたりしてくれる。家を作る場合はよ~く考えねばならない。それにはちゃんとした設計屋さんと話す必要がでてくる。営業さんではちと頼りにならない。

  昔、吉田兼好が徒然草で書いた言葉、『夏をもって旨とすべし』 これは現代でも非常に有効な考えだ。冬は着込めば良いと言うような単純なものではない(もちろんそれは正解なのだが。。) 四季がこれほどはっきりしている日本で夏は高温多湿だ。温度が高く湿度も高いという事は住む人間からいったら非常に不愉快だ。昔の人々は色々工夫をした。夏には御簾(みす)を垂らして、風鈴をつるす。つくばいに水をやり、土間や通りには打ち水。これらは現代でも生かせる生活の知恵だ。

 また設計段階で考えておかねば、もったいない事がある。風の計画だ。どちらの方から風が来てどちらに抜けるのか。建築の本などによると夏の一番風が吹く方向に開口部を持ってくると、家の中に引き込みやすいと言われている。また出来るだけ多くの開口部を持つと自然の力である風圧力により家中に風が行き渡る。田舎の家などは窓を開けて寝る方々が多いだろうと思うが、夏の夜長の蒸し暑さを防ぐには、窓の配置がちゃんとしてないと結局意味がない。もちろん窓の外には緑化した庭が必要だ。コンクリートだったら結局ぬる~い風が入ってくるだけで気持ちが悪いからだ。

  家を完全に断熱材で囲う事が良しとされる現代の住宅。しかし、やはり昔の知恵も取り入れたい。そうしないと結局は電気代は高く。それに日本人として先達の知恵を借りないようでは、なんかもったいない。せっかく日本人として生まれたのだからもったいないと思うのです。

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