RCのマンションの場合、見る場所は主要構造部と言われる柱と梁だ。なぜそこだけかと言うとRCの建物の場合は主要構造部のみで建物は建っている。つまりその他の壁などが無くてもも建物は建つのだ。しかしこれがもめる元となる。例えば柱の上に化粧としてタイルが貼られていたとする。そのタイルが地震でボロボロになったとしてもその内部の柱は傷がついているのかいないのか、実際に調査してみないと分らない。タイルとは簡単にはげ落ちるもの。なのでもめるのだ。お客さんは必死だし、こちらも出してあげたいが証拠がそろわないと出せるものも出せない。そんな世界なのです。
知っておく必要があるのは、実際の被害が出ている金額と地震保険で支払われる金額は別と言う事。地震保険というものは、そもそも地震などの広域で起きる災害に対し支払われる。その性格上、迅速に支払う必要があり、細かな査定区分を設定してはいない。つまり地震保険とは被害額を払うのではなく、見舞金なのだ。
実際僕が仙台で査定したマンション住人の話。その女性は僕と全く同じ年の方で震災の2ヶ月前にマンションを購入した。そして地震に遭い、売ろうかどうか考えてらっしゃった。玄関の横の腰壁(上部は窓ガラス)は孔があき、内部が見えていた。そしてベランダのタイルがはげ落ち、内部の木製の壁もボロボロになっていた。しかしこのマンションのRCの主要構造は一部損判定。僕が見たところでも彼女の部屋も一部損だった。あまりにもかわいそうなので、実際の被害額から判定する方法をとった。これは壁などの修理費がどれくらいかさむかというマンションの専有部分の判定法だ。しかしこれも一部損。まあこっそり家財で多めにとってあげたが、それにしてもついていない。かわいそうだった。
現在、地震保険の査定区分は3種類しかない。全損・半損・一部損。全損は50%の被害が出たときに保険金満額が支払われる。半損とは20%の被害認定ができれば半額の支払い。一部損とは3%の被害で5%の支払いとなる。せめて30%ぐらいの査定で25%ぐらいの支払いが出来るようになれば、もっと多くの人々が救われる。なんとか変わって欲しいと思う。
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