ある日の昼時のこと、 『私を美術館に連れてって』 と言って来た。美術館に行くような体質でなく、給料がほとんどでない設計屋であった僕としては渋ったのだが、彼女はどうしても行きたいのだという。 『天下一品でいいんじゃねぇ?』 と聞いたが 『ラーメンよりも若冲』 だと言う。泣きそうになってたので大人の僕は、渋々連れて行った。だが、京都で開かれていたその若冲展に行ってみたらあらびっくりの大盛況。少しは若冲の事は知っていたが、これほど多くの人が若冲に夢中になっているとは知らなかった。だが本物はやはり違う。僕の方がテンション上がってもうた。。
若冲はその生涯で多くのすぐれた作品を残しているのだが、明治以降は忘れられた作家であった。だが大正に入り研究が始まり、昭和45年(1970年)に辻惟雄の 『奇想の系譜』 が出版され再評価された。またアメリカ人収集家ジョー・プライスのコレクションにより飛躍的にその知名度と人気を高めている。そのジョー・プライスさんは昨日のNHKクローズアップ現代にも出ていたが、若冲という名前で絵を集めたのではなく、若冲の技量に惚れて絵を集め出したそうだ。その彼がまだ収集を始めた頃などは、若冲はほぼ無名 (現在でもアメリカでは無名に近い) なので 『なぜ若冲を認めないんだ。。』 という思いを多くしてきた言っていた。
そんなジョー・プライスさんが福島で 『若冲展』 をやっているそうだ。開かれている福島県立美術館のホームページを見た。これが実に良い。キャッチは 『若冲が来てくれました』 である。実にさわやかなキャッチコピーでないか ! 僕が京都で見た 『若冲展』 はプライスさんのではない。実に見てみたいじゃないか。。だが福島はいかにも遠い。。
以前、BRUTUS であったか伊藤若冲について特集をやっていた。その中に出てくる一般家庭のお風呂に目が釘付けになった。そのお風呂の壁には伊藤若冲の絵がモザイクタイルで作ってあった。実にかっけ~と思った。そのセンスに酔いしれそうなお風呂である。しかし。。どうやってつくるんだろうとも思った。。ちなみにジョー・プライスさん宅のお風呂も若冲である。若冲の絵はお風呂にも合うようである。富士山のようなヤツである。
しかし、若冲のようなロックな感じを産み出した江戸の美術界ってのもカッコイイ !!
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ああ天下一品が食べたい。。
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